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とりあえず状況を説明していこう

―今日はどんな小説を読もうかな…

 それが起きて朝食を食べて歯を磨いた後に必ず出てくる一言 それぐらい俺、つまり夢乃 和夫は小説が好きだった ネット上の小説を見ているといつも妄想力が掻き立てられる、そしてその勢いで書いていった結果はまさかの32作品同時連載 しかも人気は微妙 そんな冴えない高校生だったはずの俺が…


「今は小説の中の主人公とはね…」


 何故小説内にいるのか分かるのかというとズバリここに転生させられる前に


【お前、小説の主人公になれ】


 と恐らく神様転生ものでも流行っている適当そうな神様らしき人物に言われたからだ しかもここはファンタジー小説っぽい ここに来てたったの数十分でこそあったが竜っぽいのが時々上を横切ったり、魔物に魔法を撃っていた人影が見えたのだから間違いない

 しかも不幸なことに俺はチート能力はもらっていない、その代わりに小説の主人公であるという大事なことは教えてもらっている つまりこれから作者がどうするのかを調べていけばこの先どうするべきか分かるわけだが


「それでもどうすればいいんだろう…俺は剣を持ったことも魔法を唱えたこともないんだけど…」


 俺に唯一与えられた特典と言えばハーレム展開が望めそうなイケメンフェイスと細マッチョな体だけである それでドラ○エでいうところの旅人の服と兵士の剣を持っている状態である 場所がわからないので敵の強さ的なものも一切不明

しかも恐らく現在は魔物退治するにしても最弱クラスの可能性大である

 …積んでますね、これからどうしようかな… 今いるこの森だってもしかしたら強いモンスター的なのがいるかもしれないし…


―グォォォォォォォォ!


「って思ってたらマジでいるってどんなフラグ乱立してんだ俺!」


 後ろから追いかけてくる赤くて所々に黒い線が入ったティラノもどきに俺は戦慄しながら全力疾走するのだが


―バキバキバキバキ!


「木を折りながら近づいてくるとかどんだけ不幸なんだ俺!」


 似た言い回しを二回使ってしまうほどに俺は混乱中である 森にはフラフラと入ってしまったので生憎出口は分からない

 そんなことを言っている間に俺のすぐうしろから荒い鼻息と木を折る音が聞こえてきた


(さよなら…俺の転生人生 もう少し作者もしっかりしてくれよ…)


 そう転生してしまったことを無念に思いながら無心で走り続けた

 しかしスピード的にそろそろ追いついたであろうティラノもどきは俺を襲おうとする気配が無い…というか俺とは違う方向を向いていた


「セイヤッ!」


【ウォォォ!?】


 ティラノもどき…ティラノと呼んでおくソイツが見ていた方向には


―俺が見たこともない様な美少女がティラノに剣を振っていた


 白くて長い髪にエメラルドでも埋め込んだような瞳、テラテラと光る唇…

 誰が見ても少し見とれてしまうであろうその美少女はティラノに自分の背の半分ほどの剣を振っていた しかも非常に力強く右ななめから振り下ろされたその剣はしっかりとティラノに命中し、ティラノは倒れながら呻いている その呻いているティラノの顔を彼女は容赦なく斬りつけた


「ふぅ…何故森の入り口近くまでこんな上位種が?」


 そう言いながら美少女は剣を左腰の鞘に納めるがその時に俺は彼女の恰好を見て絶句した

―胸元がガッツリ開いている鎧を着ていたのだ、それに二の腕あたりからは鎧が無いのでその純白の素肌が露わになっている しかも下はホットパンツに鉄をくっつけたようなデザイン…つまり元高校生の俺が目のやり場に困らないわけがなかった 俺は赤面しながらその美少女に駆け寄る


「ええ~と、ありがとう そいつは俺を追いかけてここまできたんだ 

 危うく死ぬところだったよ、本ッ当に!ありがとう!」


 そう言って俺は彼女の両手を握りしめながら頭を下げる 俺にできる精一杯の感謝を表す行動はこれくらいしかなかった


「え、ええ…………少し恥ずかしいのでやめてくださりますか?」


 美少女は赤面しながら俺に少し小さな声で呟いた いやそんだけボンキュッボンを表したあなたがそんなきわどい装備を着ながら言っても説得力ないよ?

 とは言えずに俺は慌てて手を放す、さすが彼女いない歴=年齢の俺だぜ!


「あ、ゴメン!これぐらいしか感謝を表せる表現を知らなくて…」


「いえ…嫌ってわけではないんですよ?ただ…」


「ただ?」


 少女は何かモジモジしている

―は?何でこの少しの時間でもうときめきかけてるわけ? 俺の脳内では原因をめぐる脳内会議が始まっていたが結論はすぐに出た

 俺はハーレム系の主人公なのだ、そうでなければこうはならない 俺には今のところ目立った強みは無いと思っていたが違ったようだ










―俺って強い美少女を籠絡していけば最強なんじゃね!?

 そう思った俺はまずはこの目の前の超絶美少女をターゲットにしたのである

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