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プロローグ 失恋からの出逢い

恋愛経験は皆無に等しい私ですが…。こんな恋愛はいいなぁ…と思ったものを書こうと思いました。宜しかったら、読んでみてください…!


人の心は移ろうもの────


なんて言葉を耳にしたことは何度もあった。

だけど、私はそんな事はないと思っていた……だって幸せだから。

では何故、今この言葉を思い出すのか…。それは───

 

「もう、別れよう…」


彼のこの言葉を聞いたからだ。

その言葉を理解するために、出てきた言葉が…それ。


「ま、待ってよ…なんで急に…っ!」


意味が分からないというように、私は彼の腕を掴んだ。

だけど彼はあっさりその手を振りほどき…


「他に…好きな子がいるんだ……ごめんっ!」


「あっ!ちょっと!?」


私に背を向け駆け出した彼は、人混みに消えていった。

呆然と立ち尽くす私に、周囲からは哀れみの視線が向けられていた。


(なんで……振るにしたって、場所を考えなさいよ!…バカー!!)

 

心の中で叫び、私は何事もなかったように……人でむせかえる『駅前』を後にした。



───「つまりはこういうことね…。彼から会いたいっていうメールをもらい、人で混雑する駅前に行ったら別れ話をされ、彼は走り去り、自分は何事もなかったようにその場を後にした…と?」


「うん……」


カランと音を立て、グラスの中の氷が揺れる。

私は魂が抜けましたと言わんばかりな放心状態で、いじいじとグラスのストローをいじる。

すると、反対側に座る彼女がため息交じりに私の顔を覗き込み、デコピンを一発。


「………痛い。」


「そんな男忘れなさいよ。他に好きな子が出来たなんて言う男は、浮気とか絶対するから!……別れて正解よ、きっと。だから、元気だしなさい…ね?優衣(ゆい)。」


「っ!……梨亜菜(りあな)!ありがとう!!」


「はいはい…なんなら愚痴も聞いてあげるわよ?」


「本当!?……あ、ありがとうっ!」


「はいはい、泣かないの…」


親友の言葉に私の顔に血の気が戻る。

それと同時に、怒りや悲しみが溢れた。

街の一角のカフェで、その後小一時間愚痴を聞いてもらった私は、上機嫌で家路についた。───


「はぁ……」


家の近くの公園のブランコに、一人腰掛ける。

辺りはすっかり暗くなり、夜空にはいくつかの星が瞬いていた。


別れ話をした彼は、私が初めて付き合った人だった。

優しくて、誠実で、いつも私の事を考えてくれていたすてきな人。

だけど、別れ話の内容が『他に好きな人がいるから…』とか、ひどくない!?


たとえ梨亜菜に愚痴を聞いてもらっても、気分が上昇したのはその時だけで、今はまた、悲しみが心を埋め尽くしていた。


「……っ…なによ…。自分から告白して来て、高校から付き合って、同じ大学に合格して、素敵なキャンパスライフにしようって……言ってたのにっ…。」


ポロポロと溢れ出す涙が頬を伝う。

涙を止めることが出来なくて、嗚咽を漏らす。

やがて、悲しみは後悔と、気づかなかった自分への怒りに変わった。


「……ばかぁっ…。……私の…バカ。」


そう言ったきり俯いて、涙が地面に染みこんでいくのを見ていた私の目の前に、赤と青のチェック柄のハンカチが差し出された。

驚いて顔を上げた私の目の前には、見知らぬ男の人が立っていた。


「よかったら、使ってください。」


爽やかな笑顔を見せ、ハンカチを差し出す彼は、どうやら部活帰りの高校生のようだった。

如何にもスポーツが得意そうな、黒い短髪の彼は私の手を取り上げると、その上にハンカチを優しく置いた。


「何があったかは分かりませんが……その悲しい気持ちを流した涙を拭き取ると、その後はきっと、笑えるようになりますよ…」


「……え?」


「すみません、見知らぬ人間が余計なお世話ですよね!」


そう言うと彼は照れくさそうに頬を赤く染め、「それじゃあ!」と一言残し、公園の出口に向かい駆けていった。


しばらくの間、公園の出口を呆然と見つめていた私は、ハッと我に返るとハンカチを見つめた。

そしてそっと、目の端にあてると涙を拭いた。

手で握っていたからだろうか、それとも彼の温もりだろうか…少し暖かみのあるハンカチに、私はクスッと笑みをこぼした。


「あ……ふふ、本当ね。……笑えた」


温かな気持ちとハンカチを胸に抱き、私は前を向いて家への道を歩き出したのだった。





ここまで読んで下さりありがとうございます!


続きは不定期に更新ですが、なるべくお早く読んでもらえるよう、頑張ります!

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