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9話・目*フォニテレビ初出演*目

―――ウッド通り生中継―――

題名:鬼出現!?


(しかも全国放送)

「「はぁ!?なんだよこれッ!?」」

俺と桃が声をそろえて声をあげる。

「ってかなんで、お前鬼でウッド通りにいったんだよ!!あそこ休日半端なく人多いんだぞ!」

桃の罵声が俺にふりかかる。俺には桃の顔が鬼のようにみえた。

とにかくものすごく、今の桃には迫力がある。

「しかたねーだろ!!ウッド通りの辺りで鬼になってしまったんだから!!」

「なんでそこでよりによって、鬼になるのぉぉぉ!!ちょっとは我慢をしなさい!我慢しなさい!」

相変わらず、桃は俺にムリを言う。

「うるせー!!お前は俺のお母さんですかぁ!?トイレで小の方を我慢しろッって言われているくらい無理だよ!無理だよ!!膀胱炎になっちまうよ!!お母さん!」

でも、桃がお母さんだったら俺は間違いなく現実逃避をしているだろう。

って今の状況でも、十分現実逃避したいよ、コノヤロー!!

「ったく―――…」

桃は気だるそうに頭をかきながらため息をはきながら、テレビを見た。


「ぇ〜こちらは先ほど鬼が現れたウッド通りを生放送でお送りします」

運いいのか悪いのかわからないが、ちょうど今、生がつく放送が始まったばかりのようだ。

テレビからは若い女のアナウンサーの声と、ザワザワとやじうま達の声が混じっている。

テレビ画面には、やはりと言うべきか…若いアナウンサーと数を数え切れないほどの…やじうま達と…犬屋先生が映っていた………―――。

って犬屋せんせいぃぃぃぃぃ!?

「「なんで犬屋先生が映っているんだよ!!」」

俺と桃はまたもや同時に声をだす。だって!!犬屋先生?!いや、だって、犬屋先生!?

なんで犬屋先生!?どうして犬屋先生!?されど犬屋先生!?

テレビの画面にアナウンサーらしき女性のとなりにいる男性は黒い長髪に目には赤いメガネをかけている美男子。

まちがい犬屋先生だ―――。

「今回鬼を目撃した上、鬼に声をかけられたという犬屋さんに直接、生放送でインタビューをしたいと思います」

アナウンサーらしき女性がハキハキと言葉をだす。さすがベテランというべきか。

一方隣にいる犬屋先生は黒いオーラが見えそうなくらい落ち込んでいるのがわかった。

俺(鬼)がいなくなったウッド通りだが、いまだやじうま達が多い。

あそこに俺がいたかと思うとつくづくバカなことをしたと思う。

「犬屋さんは本当すごいんですよ―。あのやじうまの中で、唯一鬼に声をかけられたそうです。私なんて、まだ鬼なんていまだに信じられないのに…いるなら是非見て見たいものですよ(笑)さて、犬屋さんは一体どんなことを話しかけられたのですか?」

アナウンサーが軽快な感じで犬屋先生に話しをふる。

「ぉに…ゃ………って…話かけられました」

蚊のように、ものすごく小さい声で犬屋先生は話す。

「はぃ?」

もちろん隣のアナウンサーに犬屋先生の声が聞こえるはずがない。

ってか―…犬屋先生これ生放送だよ!!わかってんのぉぉぉぉぉぉ!?小さい声で話してもわからないでしょーが!!

「す…すいませんが…もう一度お話してもらってもいいですか?」

アナウンサーがもう一度犬屋先生に質問をする。

「鬼……鬼が…………鬼自身を、鬼山だっていったんですッ!あの可愛い鬼山だっていったんですよ!!ウソつくにもほどがあると思いませんか!あの可愛い鬼山だっていったんですよ!!私の鬼山だって言ったんですよ!!!」

いきなり犬屋先生がスイッチが入ったかのように、ものすごい勢いで話だす。しかも、綺麗な目に涙をためながら。

これは…さすがにベテランのアナウンサーでも動揺をかくせないようだ。

再度言わせてもらいます。犬屋先生これ生放送だよ!!わかってんのぉぉぉぉぉぉ!?あなたはどこまで変態なんだよ!!

しかも私の鬼山って生放送で全国中継なんて恥ずかしいわああああ!?誤解を招くわあああ!!

っつーかもう…死にて―(笑)

「ぁ…。あの鬼山って人物名ですよね?」

アナウンサーは疑問に思ったことを口にだす。

「そうです―…」

犬屋先生は涙を流しながら話す。

犬屋先生の後ろにいる女性達やじうまは犬屋先生を見て「けなげねー」って言って一緒に涙していた。

早い話、涙を流す犬屋先生(超がつくほどの美男子)に女性達はみとれていた。

「え…えと…ど…どうやら鬼は人間の心を惑わしたり、心を読んだりして錯乱させることができるようです。あと鬼はどの言葉でもしゃべれるようです。以上、ウッド通りからでした〜」

アナウンサーの人が半ば強引に生放送を終わらせる。

…というかアナウンサーの人!!やっちゃったよ!!!やっちまったよ!!もう!!!!

鬼が心読めてその上人間を惑わしたり、錯乱できるなんて!!

そんな、よけいなこと言ってくれちゃって!!もう!!!やっちまったよ!!

アナウンサーさんベテランなんだろ!!そんないい加減なこと言わないでおくれよ!!!!!

もし、「鬼なんですが…俺鬼山なんです」って言っても誰も、「鬼がたわごと言ってるんだ、だまされるな!」って感じで流されちまうよ!!やべーよ!

ふいに俺は隣に座っている桃と目が合う。

「お前―…人の心読めるの??」

いかにも真剣な顔で桃が尋ねる。

ちょッ………オマ―…影響されやすいな!!おい!

「読めるわけないだろッ!!」

俺は桃に吐き捨てる。

「だよな―。心が読めるんだったらもっとデリカシーがあるもんな」

「ぉぃぉいおいおい。お前だけに言われたくなかったよ!お母さん!!いやババア!!」

「バ…ババア!?おいそれはお前だよ。女男」

「うるさい!俺がババアだったらお前ジジイな!男女!」

「「このッッ…男女(女男)!!」」

「「なんだと―――!!!」」

俺と桃はまたも声を合わせてお互いを睨み合う。

犬と猿が睨み合う―。例えるとまさにそんな感じだろう。お互いに目を離そうとしない。

桃と俺―…。

―――ふと思う、桃と俺―…ってなんだが…お互い似たもの同士なんじゃあないかと。

―――俺の中でいつもと、別の感情がわきあがる。いつもの腹ただしい感情ではなく―。

―――なんかこう………―――。

―――はがゆいような陽気な感情

「―――ップ―――」

その時、ふいに俺と桃の口元がゆるむ。

「ハハハハハハハハ!!」

俺は桃と目を離さないまま大声で笑う。

「アハハハハハ!!お…おかしッ!!笑い死にそう!!アハハハハ!!」

桃も俺と目を離さないまま犬歯を見せながら大声で笑う。桃はベットに倒れて大きく笑う。

俺もベットに倒れて大きく笑う。

「ふぅ―…」

桃は一息ついて俺に尋ねてくる。

「いっつもさ―…私とあんたってこうじゃない?何かがあったら喧嘩してばっか。」

桃の目には笑いすぎたせいだろうか…うっすらと涙がたまっている。

「ハハ。案外俺とお前って似てるのかもな―」

「え―。やだよ、それ」

「え―。俺だっていやだよ」

でも…正直鬼になった俺とこんな風に話せるのは桃くらいだよ。

って本当は言いたかったが、さすがに恥ずかしいので言うことはやめといた。

正直、鬼でなくてもこんな風に話せるのは桃くらいかもしれない。やばい…楽しい。

…っは!!俺は何を思ってるんだ!やっぱ今の取り消し!!なしなしなしなし!!

言葉の間違いってやつだよ!!猿も木から落ちる!!ちょっと違うがそれでいいや!!

「でもさ、俺が本当は鬼山ではなくて、本物の鬼がお前の心の中鬼山を映して役していたらどうすんだよ」

「はぁ?だって…鬼山は鬼山じゃん。例え鬼でもお前にはなれねーよ」

ニカと犬歯を見せて桃が俺に笑いかける。

やばいやばいやばいやばい!!!コイツやばい!!!!

コイツ―…こんな恥ずかしいことよく言えんな!!俺は顔が真っ赤になる。

「………どんな理由だよ」

俺は顔が赤いことがばれないように赤い頭を抱えて小さく言う。

「ってかさ、犬屋先生と会ったんだね。ウッド通りで」

俺の言葉が聞こえなかったのだろうか。桃は別の話題をだす。

「そ…そうそう!!犬屋先生さぁ…実はホモって知っていた?」

俺は顔が赤いことををごまかすように犬屋先生の話題に食いかかる。

「ぇ………?」

桃は黒い目を丸くしてすごく以外そうな顔をする。

フフフ、そうだろう、そうだろう、驚いただろう。いやぁ、さすがに俺も驚いたね!!

まじで。道端で小学生に「君何年生の子?小学5年?」って言われるよりも驚いたね!!まじで。

でも小学5年生に間違われたのはショックだった。あれはショックだった。

「ぇ?もしかして…知らなかったの!?ずっと知ってて犬屋先生をパフェに連れて行ってもらったり利用してるかと思ってたよ!?」

桃は心底以外そうな顔をして俺に言う。

「へ…?」

ウソ……?みなさんお知りですか?みなさんお尻ですか?

「鬼山と犬屋先生の恋愛小説まで学校で今流行ってるんだよ」

「へ…?えええええええええぇ!?」

どうやら鈍感の星で産まれた王子様は俺だったらしい。


目目目目目目目目目目目目

今回も最後までお読みいただいてありがとうございます+゜(ノ'`*)゜+

この小説がすこしでもみなさンのお力や、喜んでもらえるとうれしいですw

本当もしょ力ったらお気軽に感想とか評価をお待ちしています♂♂

次は―…新しいキャラがでる予定です!!+゜

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