29話・目*フォニ:俺:僕:鬼*目
あああああああ!!苦しい。切ない、耐えれない。
俺が…誰かを壊す前に…俺を壊してくれ…。俺と僕の鬼山の狭間の世界を―…。
誰だろう。
俺に向かって走りくる人間は、一体誰だろう。
長身の凛とした女の子…桃だ。桃…あれほど逃げろって言っていたのに。
――ま:タ:来:テ:し:マ:っ:タ:の:カ:
鬼山:桃ヲ:桃ヲ:殺スンダヨ:
桃ハ:僕ノ:鬼山ト:俺ノ:鬼山トノ:間ノ:狭間ニハ:必要ナイヨ:
赤鬼の中の僕が俺に言う。
――うるさい!!止めろ!俺に話しかけるな!
赤鬼の中の俺が僕に怒るように言う。
鬼山ハ:誰モ:信ジテハ:イケナイ:信ジテハ:イナイ:
鬼山ハ:僕ダケヲ:信ジレバ:イイ:
――止めろ!!止めろ!!
ダカラ:鬼山ハ:桃ヲ:殺スンダ:
――止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ!!
殺セ:殺セ:殺セ:殺セ:殺セ:殺セ:殺セ:殺セ:殺セ:殺:殺:殺:殺殺殺殺殺殺殺殺殺
――止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止止止止止止止止止止止止
「あああああああ゛!!」
桃がクギを刺そうと赤鬼の近くに来た瞬間だった。
頭が割れそうなほど大きな声が赤鬼を中心にして波のように響いた。
思わず桃もあまりの声の音量に顔をゆがめる。
しかし桃の足は止まることなく赤鬼に向かって走り続けた。
手の中のクギを確かめるように力強く持ちながら…。
「鬼山!!」
空高く桃は飛び上がった。鬼山の額めがけて―…。
クギを打ち込もうとしたした瞬間だった。ふいに桃の手のひんやりした感触が伝わる。
水?
いや…水ではない。鬼山の涙だった。
「桃…俺達…を…助けて…くれ…」
蚊の様な小さな声で鬼山は桃に言った。
「――ッ!!鬼山ごめん!痛いかもしれないけど…我慢しろよ!」
――ザシュ――
鬼山の脳天にクギが鈍い音を立てて刺さった。
目目目目目目目目目目目目
――ザシュ――
俺の脳天に勢いよくクギが鈍い音を立ててて刺さった。
死…ぬのかな?俺?いや、やっと終わるのか?
暗くなっていく俺の視界に不安げな桃の顔が見えた。
桃…桃、ありがとう。ありがとうな。助けてくれて。お前本当最高だよ。
だからそんな顔すんな…お前は犬歯を見せて笑っている顔が一番だ…と思う…。
だからそんな顔すんな…お前は最高だよ。
だからそんな顔すんな…。
――俺は真っ赤な瞳を閉じた
暗い暗い暗い闇の中誰かが俺に語りかける。
冷たい冷たい冷たい黒の中誰かが俺に語りかける。
鬼山ハ:何デ:僕ノ:コトヲ:信ジテクレナカッタノ?:
鬼山ハ:何デ:桃ヲ:殺サナカッタノ?:
――なぁ、もぅ…止めよう。
何故?:何故?:何故何故何故何故何故何故?:
鬼山ハ:鬼山ハ:アレホド:向コウノ:世界ヲ:恨ンデイタヨネ?:
自分ガ:産マレテキタ:事ヲ:恨ンデ:イタヨネ?:
――…。確かに、俺は―…世界を恨んだ時もあった。何度も父さん、母さんを恨んだ。あれほど幸せだったのに…何故俺の幸せが崩壊をしたのかを!…何故俺だけがこんなにも不平等な人生なのかを!!死のうと思ったことが何度あったことか!
ソウダヨ!:ソウダヨ!!:鬼山…!!!:僕ヲ:僕ヲ:忘レテハ:イケナイ!:
アノ時ノ:憎シミ:苦シミ:忘レテハ:イケナイ!!:
ソノ:調子ダヨ!!:鬼山!!:
――でもな。俺は大切なことを忘れていたのかもな…。なぁ…いきなりだけどお前って「俺」なんだろ?「鬼山」なんだろ?
僕ハ:鬼山ダヨ:ヤット:ヤット:分カッテ:クレタノ?:
ソウダヨ:僕ハ:鬼山ダヨ!!:ダカラ:鬼山ハ:僕以外:信ジテハ:イケナイ!!:イケナインダ!!!
鬼山ハ:鬼山シカ:信ジテハ:イケナイ!!:自分シカ:信ジテハ:イケナインダ!:
――なぁ、俺はもう…逃げねぇ!!お前からも!俺からも!鬼山という存在から逃げない!!
ェ?:何?:何ヲ:何ヲ:イキナリ:言ッテルノ?:
――それに、俺は…まだ向こう世界を壊したくないんだよ。
何デ?:何故?:アレホド:向コウノ:世界ヲ:嫌イ:恨ンデ:イタノニ!?:
――聞いて驚くなよ!俺は桃にまだありがとうを言ってねぇ!!だから向こうの世界を壊したくねぇ!いや、べべべ別に…桃がいるから壊したくないって言ってるわけではないけどな!
鬼山ハ:鬼山ハ:鬼山ハ:向コウノ:世界ヲ:望ムンダネ:
僕以外ヲ:信ジテ:シマウノダネ…:
マタ:マタ:僕ヲ:拒否スルンダネ:アノ時:アノ:事件ノ:時ミタイニ:
僕ハ:一人ニ:ナルノダネ:寂シイヨ:
――俺は向こうの世界を望むとは言ったけど!!しか〜し、お前からは逃げねぇよ!というかもう絶対拒否しねぇ!!
矛盾シテイルヨ:鬼山:向コウノ:世界ヲ:望ムナラ:僕ノ鬼山ト:俺ノ鬼山ノ:狭間ノ:世界ハ:必要ナイ:ハズダヨ:
――だ〜れがっこんな暗い所に残る必要があるんだよ!!お前も向こうの世界にくるんだよ!!それが俺流の逃げないやり方!!
何?:何ソレ?:僕モ:向コウノ:世界ニ:行クノ?:
――あぁ…まぁ、正直言ってお前のせいで俺も散々な目にあったしな。でもお前は俺自身であって、俺を恨むわけにもいかないし…むしろここでお前に会えて、過去をはっきりさせることができて俺はよかったよ。
何ソレ?:僕ニ:会エテ:ヨカッタノ?:ヨカッタノ?:
――あぁ!!いろいろとあったけどな。お前がいたからこそ…俺がいるんだな!
ソレハ:違ウヨ:鬼山:俺ノ:鬼山ガ:イルカラ:僕ノ:鬼山ガ:イルンダ:
――ん?何か難しいな?それってどういう意味だ?
要スルニ:鬼山:君ガ:イルカラ:僕ガ:存在スルンダ:僕ハ:君ダカラ:
――なるほど!!ようするに俺たち二人とも一心同体みたいな感じか?
ソウカモ:シレナイネ:デモ:ソウ:デモ:ナインダ:
――どっちだよ!まぁ…いいや。俺と一緒にいこう!!向こうの世界へ!!な?
アリガトウ:俺ノ:鬼山ハ:トテモ:優シインダネ:
僕ノ:鬼山トハ:違ッテ:トテモ:成長シタンダネ:
悲シイヨ:デモ:嬉シイヨ:
――成長した?そうか?まぁ…正直成長したのは…今日一日でいろんなことがあったからなぁ…。桃とかいろんな人と出会い、争い、助けてもらったもんな。
――なぁ!!いいこと教えてやるよ!人というのはな…憎しみを与えるのも人であり、救いの手をのべるのも人なんだよ!!その人しだいってなワケだ!!
救イノ手?:
――あぁ!!俺は桃や、陰陽師や、犬屋先生、本当いろんな人に救いの手をさしのべてもらったんだ。だから次は俺達が立ち直る番なんだよ!!だから俺と一緒にいこうぜ!
アリガトウ:鬼山:デモ:僕ハ:無理ナンダ:
そう言った瞬間だった。黒い世界の中に真っ白な手が数本入くる。まるで一つ一つの手が生きているように俺の体をしっかりと絡み掴む。
――なんだ!?これは!!
向コウノ:世界ヘ:行ッテモ:ドウカ:ドウカ:僕ヲ:忘レナイデ:
僕ヲ:拒否シナイデネ?:
僕ハ:鬼山ナンダヨ:忘レヨウト:シテイタ:鬼山ダッタノダヨ?:
次ハ:僕ト:シッカリ:向キ合ッテ:僕ヲ:ドウカ:一人ニ:シナイデ:下サイ:
僕ハ:鬼山:僕ハ:鬼山ノ:一部:
辛イケド:辛イ過去ノ:一部:ナンダ:
――まてよ!!お前はこないのかよ!!待ってくれ!!
みるみるうちに俺の体が光の世界へと引きずり込まれていく。
まってくれ!!まだアイツと話したいことがたくさんあったのに!!まってくれよ!!
そんな俺の思いも虚しく光の世界へ既に体が飲み込まれいた。
アリガトウ:向コウノ:世界ニ:鬼山ガ:産マレテ:キテ:クレテ:アリガトウ:存在シテ:クレテ:アリガトウ:
鬼山ハ;
イイ:
仲間ヲ:
持ッタネ:
気のせいかもしれないがアイツがわらったような気がした。
ここは真っ暗でアイツの顔も見えないはずなのに…おかしい話だよな。
俺は白い手によって光の世界に飲み込まれていった。
目目目目目目目目目目目目
鬼山:鬼山:鬼山ハ:気ガツイテ:イタ:ハズダヨ:
僕ガ:ドンナ:存在デ:アルノカヲ:
僕ハ:僕ハ:僕ハ:
7年前ノ:鬼山:ナンダ
鬼山ノ:辛イ:過去:ダッタンダ
鬼山ガ:鬼山ガ:閉ジ込メテ:イタ:辛イ:過去:ダッタンダ:
僕ハ:鬼山ナンダヨ?:辛イ:過去デモ:鬼山ノ:一部ナンダ:
今ハ:鬼トナッテ:存在シテ:イル:ケド:僕ハ:鬼山:ナンダヨ?:
本当ハ:向コウノ:世界ニハ:俺ノ:鬼山ト:僕ノ:鬼山ノ:2ツハ:存在シテハ:イケナインダ:
ダカラ:ダカラ:ダカラ:ドウカ:ドウカ:ドウカ:僕ヲ:忘レナイデ:下サイ:
鬼山ノ:一部デ:アルコトヲ:
辛イ:過去カラ:逃ゲナイ:デネ:過去モ:鬼山ナンダ:
忘レナイデネ:辛イ過去ヲ:
逃ゲナイデネ:辛イ過去カラ:
鬼山ハ:優シイカラ:ソレユエ:深ク:堕チテ:シマッタンダ:
モシ:鬼山ガ:辛イ時:イツデモ:僕ハ:鬼山ヲ:待ッテイルヨ:
コノ:僕ノ:鬼山ト:俺ノ:鬼山ノ:世界ノ:狭間デ:待ッテイルヨ:
コノ:世界ハ:鬼山ノ:為ニ:アル世界――
――鬼山ノ狭間ダカラ――
――鬼山ノ思イ出ノ世界ダカラ――
目目目目目目目目目目目目
…カタカナ多くて読みにくくてすいませン↓↓
本当カタカナが半分以上で大変読みにくかったと思いますが…;
というか…鬼山の狭間の世界…意味分かったでしょうか?(*焦'`↓)
意味分からなかったら気軽に言ってくださると嬉しいです!!+゜
まぁ…簡単にまとめると…鬼山の狭間の世界は「思い出」だったんです!!↓ブハ;余計意味不明ですいませンでした;本当にあとすこしで終わります!!フォニ!もしよ力ったら最後までお付き合い下さいです(・∀・)