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25話・目*フォニとウキッキー!!*目

――ドシ―――ン

とても重みがある音をたてながら空から赤い生物が商店街に降ってきた。

太く赤い足、長く大きな手、鋭い爪、牛角、赤い目、裂けた口…赤鬼だ。

砂煙から赤鬼が顔をのぞかせる。そのバケモノ染みた牛の顔を―。

しかしいつも商店街は賑わっているはずだが不思議なことに人一人も声が聞こえなかった。

聞こえたのは一人の少女が赤鬼に呼びかける声だけだった。

「フォニ山ちゃん、やっと来たんだね。いや、赤鬼と言うべきふぁな?(舌かんだ)」

金髪のクセ毛の少女、猿木だった。

誰もいない商店街の中心に立っている猿木は赤鬼に向かって手を振りニッコリと笑いかけた。

「お前は:君ハ::猿木::どうして:何故:ココニ?:人は:人間ハ:何処に行った?」

赤鬼は猿木を睨み、問いかけた。

一体あれほどたくさん商店街にいた人を猿木はどうしたのであろう?

数分前まであれほど賑わっていたのに。

「へぇ〜。私と会った時の記憶は残っているんだ〜嬉しいよ、赤鬼」

猿木は興味深そうに赤鬼を見つめた。そして、優しくけれども威圧がある笑顔を赤鬼に微笑みかけた。

「ここにいた人間は私が逃がしたよ。いや、影響がおきないように別の次元に飛ばしたと言った方がいいかな?」

話を聞いているところ猿木は赤鬼よりも一足早く、商店街に来ておりそこにいた人間を影響がでない別の次元にとばしたそうだ。

猿木にはそれほどの力があった、いや、言い方を変えるとそれしかできなかったのか。

そのためか商店街は物音も聞こえない新しい廃墟みたいな存在になっていた。

商店街にいるのは、赤い生物と小さな少女だけだ。それは異様な光景に見えた。

すこし…猿木の体が震えていた。

猿木だって地獄の少女とはいってもまだ14歳という子どもであった。もちろん赤鬼はその瞬間を見逃さなかった。

――その震えている猿木を見て赤鬼はニィと笑った。

「体:震えているよ?:震エテイナイカイ?」

「う゛…うるさい!とにかく私はフォニ山ちゃんを…いや赤鬼を止める!」

(そう…私の責任なんだから…)

猿木はそう言い放つ。

――刹那

――猿木の額に小指くらいの小さな猿のイレズミが浮き出る。いや、違う、単に浮き出ているのではなかった!その紋章は動いていた。

それはまるで本当に生きている猿のように、額から首へ、首から手へ移動を絶え間なくしていた。

そしてその紋章の猿は確実に時間が経つごとに大きくなっていった。

詳しくは猿木の上着を食べながら成長していった。そのため紋章の猿が猿木の背中いっぱいに大きくなったときには猿木は身につけている服はブラジャーとボロボロのジーパンしか着ていなかった。

しかし赤鬼はそんなのもおかまいなしと言わんばかりに大きな体を猿木にめがけて突撃をしていった。

「アハハ:は:ハハ:!!」

笑いながら、赤い目を大きく開き、がら空きである猿木の背中にむかって赤鬼は両手を力いっぱい振り下ろした。

その瞬間だった。

赤鬼の手は何者かの手によって阻止される。猿木の手ではない。何故なら猿木は背をむけていて阻止できるはずがなかった。

しかし驚くべきことに猿木の背中から手がでて赤鬼の攻撃を阻止したのであった。

毛深い手、それは…猿木の背中にいる猿の紋章の手が浮き出たものであった。

今、猿木は背中に2本の猿の手が生えていた。ようするに猿木の手の数は合計して4本の手がひとつの体から生えていた。

赤鬼はその猿の手によって阻止された上にその巨大な体を思いっきり壁に投げつけられた。

――ガシャン

赤鬼の体が建物にぶつけられる。が、しかし

「楽しい:楽シイヨ:もっと:モット::争いを!!::」

しかし赤鬼はまったく答えていない様子だった。

むしろあれほどの衝撃だったのにも関わらず、体に傷は一つもなく赤鬼は両手を青空に広げて無邪気に笑っていた。

争いは楽しいと何度も呟きながら。

まったく猿木の攻撃がきいていない様子の赤鬼を見て猿木は顔を強ばらせた。

「うそ…まったくきいていない!?」

猿木の目は今まさに絶望に満たされていた。猿木は思わず膝をつく。

まったく攻撃は効いていない。それは猿木に圧倒的な力の差をみせつけられたものだった。

―予想以上だった。赤鬼の力は。

―圧倒的だった。赤鬼の力は。

―絶望的だった。赤鬼の力は。

逃げようか?それも一つの手であった。しかし、猿木の過去はそれを許してくれなかった。

――「不要物」

――ヒャハハハハ!!お前にその不必要な感情があるかぎりなァ?ハハヒャハハハァ!

過去お兄ちゃんが言った言葉が猿木の頭に浮かぶ。今ここで逃げ出したら…猿木は不要物となるだろう。

いや、ゴミとなりさがるだろう。自分の責任は自分で始末しなくてはならない。これはどの世界でも共通する言葉だった。

――もちろん、地獄でも。

「うわあああああ!!」

猿木はなんの策もなしに赤鬼に飛び込んでいった。それは死を意味した。

鬼でも人間と同じように「死」はあった。いや、詳しくは鬼は消滅と言うべきか。

消滅した鬼は…地獄にも天国にもいけない。それは「無」を意味した。

赤鬼は叫びながら自分にむかってくる少女を見て口が裂けるほど大きく高らかに笑った。

――「不要物」

その言葉はいつの間にか猿木を縛り、苦しめるものとなっていた。

――がリィッ!!

一瞬の間に猿木の背中に赤鬼の角がくこんだ。猿木と同じように赤鬼も猿木に角をむけて突進をしたのだ。

背中の猿の紋章は猿木の血で見えなくなっていた。血が角に伝わり、地面に勢いよく落ちていった。

「う゛…ググ…フォニ山ちゃん…」

小さく小さく猿木は血と共に呟いた。

「死ねば?:死ナナイノ?」

赤鬼はそう吐き捨てるように猿木に言うと角を思いっきり振り、猿木を投げ捨てた。

赤鬼はつまらなそうに動きが鈍くなった猿木を見つめた。猿木の下には赤い大きな水溜りができていた。

――ガラッ

ふいに後ろの建物から物音が聞こえた。

20代後半くらいの赤いメガネをかけた黒い長髪の髪の毛の男性が建物から顔をのぞかせる。

犬屋先生だった。

「…なんですか?このバケモノは―…」

犬屋先生はそう呟いた。その場の信じられない光景にただ呆然としていた。

なぜなら、血だらけの小さな女の子と赤いバケモノが…。

「いる:イタ」

赤鬼は嬉しそうに笑い、そして犬屋先生めがけて角をたてて突進をした。

(なんで人がいるの!?)

猿木の計算外であった。まだ…商店街に人がいたなんて…。猿木は全ての人間を別の次元にとばして被害がでないようにしたつもりであったのだが…。

何故猿木はなるべく人に被害が出ないようにしたのか、それは―…

それはたとえ猿木でも、閻魔大魔王様でも、神様でも、誰であろうとも一度死んだ人間を蘇らせることはできなかったからだった。

殺すことは簡単でも―生き返らせることは不可能だった。それほど人一人の命は大切なのである。

それ故に…それ故に…。

「逃げてぇえええええええ!!」

猿木はすでに動くことも、声を出すことも難しいからだで大きく犬屋先生にめがけて叫んだ。

だが、所詮人間とバケモノ。

早さも、動きもまったく別物であって、犬屋先生には呼吸する暇さえもなかった。

死ぬ。犬屋先生の頭に死というとても単純な一言が思い浮かんだ。

その瞬間である。

――ドガッガガッドスドスゴッ

5本の木でできたクギが赤鬼の背中に深く刺さった。

「ガッ:うぅ゛:」

赤鬼もあまりの痛さに動きを止めてクギを放った張本人を確認するかのように後ろを睨む。

赤鬼の後ろに2人の影がみえる。

「ぎりぎりセーフって所じゃな」

2人の影のうち一人がそう言った。

砂煙によって隠れていた影が姿を現す。

大きく長い真っ白なシルクハットに、和服の服に西洋の黒いコートをかぶったというおかしな格好。

そして何よりも一目見たら忘れられなさそうにもないビジュアル系の顔。

キジ丸であった。

もちろんその隣にいる長身の女性は―…

「おい!鬼山!テメー身長のびたんじゃーねーか?」

ニカっと犬歯をのぞかせて笑う。

桃であった。


目目目目目目目目目目目目

ぉおお!!(・∀・)またも…またも…犬屋先生登場です+゜

ここまで読んで頂きありがとうございました(*ノv`//)゜.+

よし。よし!よし!!よしぃ!!!!←意味不明

やっとここまできました!!文章が下手で…未熟ですが…一生懸命表現したつもりです;;

もし、意味が分からないところとか、誤字とか…変なところとかアドバイスがあったら気軽に言ってください(★'`从)

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