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24話・目*フォニ出番無し*目

「私は鬼になってお前を呪う!!」

桃は涙を流しながらそれでも精一杯キジ丸を睨んだ。

だが相変わらずキジ丸は公園の中で立ち止まったままだ。

しかし次の瞬間――

「ほぅ…なるほど。鬼になってMeミーを呪うか……ククク、ハハハハハHAHAHAHAHA!!」

両手を広げ、鮮やかな青空を仰ぎながらキジ丸は笑った。

「な…なにがおかしいんだよ!?」

突如笑い出したキジ丸に桃は一歩引いた。キジ丸の笑う声は桃が怒鳴った声と同じくらい大きな声だった。

驚く桃をよそに一人キジ丸は目から眼球が零れおちそうになるくらい目を見開き笑い続けた。

「いや、たいしたGirlガールじゃな。やはりさっきの赤鬼は彼氏かの?」

キジ丸は先程の緊迫した表情はまったく見せずに桃に笑いかけた。

「ち…ちげーよ!!ペットだって!!水槽に飼っている金魚みたいな感じ!」

キジ丸の変化に若干驚きながらも、桃は真っ赤な顔で答えた。

「そうか…にしてもおもしろい!Youユーは面白いのぅ…学校でもてるじゃろう?」

キジ丸は笑うの精一杯こらえながら、楽しそうに桃に尋ねた。

「はぁ?」

もちろん質問の意図もよくわからないし、いきなりのキジ丸の性格の変化に桃は驚かされるばかりであった。

それもそのはずだ。先まであれほど別人のように桃を睨んでいたのに…、桃は気が抜けるばかりである。

「しかし…気に入った!面白いのぅ!Youユーは!」

キジ丸は実に面白そうに桃を見つめる。

「はぁ?」

「やはり赤鬼はYouユーの彼氏かのぉ?」

キジ丸がこの質問を桃に投げかけてくるのは3度目である。

「それ3度目だよ!だからあいつはペットだって!家にいるノミみたいな感じ!」

顔が赤くなっている桃に対してキジ丸は疑いの目をむける。

「さてさて、それじゃ―…そのペットをYouユーの言う正義だったらどう助けるんじゃ?」

キジ丸は桃にニッコリと笑いかけるが、先程のふざけた笑い方ではなかった。

確かに柔和な言い方ではあったが、言葉にトゲが潜んでおり、下手をしたら先程よりも今の状況は緊迫をしているのかもしれない。

公園は再び静まり返る。

が、桃はそんなのをおかまいなしに犬歯をニカと見せてキジ丸に笑いかける。

「まだ考えてねぇ。けど、私がアイツを何とかする!」

目を細めて呆気にとられているキジ丸に笑いかける。

「………。はははHAHAHA!!まったくYouユーには驚かされるの!実はMeミーもまだ何も策は考えておらんし、どうせ赤鬼相手じゃーMeミーは負けるじゃろうな」

お互い様じゃな、とキジ丸は桃に向かって笑った。

「それでじゃ、Youユーはアイツを何とかするために何をするんじゃ?」

「とりあいず…私が鬼山の所に行く!」

桃は威勢よく、威張るように言った。

「ククク、まったく。Meミーは大人しく病院いったほうがYouユーのためになると思うんじゃがな、しかしYouユーも病院に行くわけなさそうじゃな」

答えを確信しながらも、キジ丸は桃に楽しそうに聞いた。

「もちろん!!」

すると、やはり桃は胸を張ってキジ丸に堂々といいのけてやった。そして桃は威張ったまま次の言葉をだした。

「…私を商店街に一緒に連れて行け!陰陽師!!」

「HAHAHA!その上Meミーと一緒についてくるのか!面白いの!実に面白いのぅ!!」

ついにキジ丸は耐え切れなくなって腹をかかえて笑い出した。

もちろん桃は思いっきり自分を笑われてちょっと気に食わないようであった。

「―この!何がおかしいんだよ…」

「いやな…Youユーはむちゃくちゃ理屈にもなっていないことを言葉にすると思っているんじゃ。それがおかしくておかしくて―…」

「う…うるせーよ!!」

「しかし、妙に説得力というか…Youユーの言葉は納得できての…不思議じゃ…。はたしてそのYouユーの自信はどこから来ているんじゃ?」

キジ丸は不思議そうに桃を覗き込んだ。

「しらねぇ!!けど、もしここで鬼山を無視して病院いって後から鬼山について後悔するよりも…お前と商店街に一緒行って後悔したほうがマシだと思ってな」

桃はいたずらに舌をだしながらキジ丸に笑いかけ答えた。

だが、桃が鬼山を止めたい一番の理由は――あの時、公園のトイレで鬼山の目を見た瞬間からであった。

何かわからないが怯えている目、疲れた目、今にも泣きそうな目、絶望した目―鬼山の目はそれら全てが混ざったような目であった。

(鬼山―ッ)

桃は再び鬼山の目を思い出すと締め付けられるように胸が痛く感じた。そして、桃は今までの自分の無責任な動きや、行動に後悔した。

「やはり…赤鬼はYouユーの彼氏かのぅ?」

キジ丸は4度目の言葉を桃に尋ねる。

「ち…ちげーよ。だけど、だけど、大切なんだよ…」

桃は顔を地面にむけて一言吐き捨てるように呟いた。

――桃の手は自然に自分の胸の部分にあたる服を掴んでいた。

「ほぅ…大切な人か…。じゃーYouユーは彼氏はおらんのじゃな?」

しかしキジ丸はそんな桃を気にすることなく、満面の笑みで桃に笑いかけた。

「は?彼氏?それともはたまた、からし?いねーよ。そんなの」

「じゃーMeミーと付き合うか?MeミーYouユーみたいなGirlガール好みじゃ」

キジ丸はいかにも真剣な顔で桃に言った。どうやらキジ丸は本気なようである。

が…桃はそんなキジ丸を見て大きく笑った。

「それって同情のつもりかよ。それに私ビジュアル系好みじゃーないんだよな。隣に歩いていて恥ずかしいし」

桃はズバリとキジ丸に言い放った。

キジ丸は肩をガックリと落とし、手を額にあてた。キジ丸にとっては本気のつもりで言っただけに軽く流されたことにショックだったのだ。

まぁ、もっともキジ丸は桃の心は既に鬼山のことしか考えていないことは分かっていたが…それでもキジ丸にとって桃がとても魅力的な女性に感じた。

すこし…桃にとって「大切な人」である鬼山をキジ丸は羨ましく思った。

「鬼山じゃったかな?そのBoyボーイが羨ましいのぅ」

キジ丸は空を見て呟いた。桃は顔がみるみる赤くなる。

「なんで鬼山の名前がでてくるんだよ!」

「まぁ、よい。それでいくんじゃろ?鬼山とやらの元へ―」

「オフ・コース!!ってか連れてってくれるのかよ!?」

桃はてっきり否定されると思っていたためキジ丸の言葉に耳を疑う。

キジ丸は桃の顔を再度確認すると苦笑いにも似た笑顔を桃にむけた。

「まぁ…Youユー鬼になって呪われてはかなわぬからのぅ…」

――その言葉はキジ丸にとって一番説得力があって納得できた言葉だった。

桃はニッコリとキジ丸に笑いかけ「わりぃな」といった。


目目目目目目目目目目目目

鬼山…今◎始めて一度もでてきませンでした↓(泣+'pq`)

すいませン;次こそ!!でてきますw

予定としては…フォニは30話くらいで終わります;;

もしこンな小説でょヶればですが…最後までお付き合い下さい><

ここまで読んでいただきありがとうございました⌒w

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