18話・目*フォニと青空*目
俺と桃は勉強部屋の窓に勢いよく走っていった。
「おい!!桃つかまれィ!!」
俺は半ば強引に隣で走っている桃の手を掴む。
「お…おう!!」
桃は俺と目をあわし、コクリと頷くと力強く俺の首につかまった。
「グヘラァ!!」
って首はないだろう!?殺す気ですかァ!?ちょ…きついって!息できない。それになんか吐きそう。
大切な何かを吐きそうで…ブグラァ―…いや、胃的なものを…とても言葉で表現できないようなグロテスク的なものを吐きそう…ブフフガ―。
いや、言い方が悪かった、あの日あの時忘れた大切な夏の甘酸っぱい思い出を吐き出しそう…ゲハァゲー。
ったくコイツってこういうのを見る限り、本当天然なのか本気なのか是非お尋ねしたい。
――ドタドタ
後ろからものすごい焦ったような足音が聞こえてくる。
俺はふいに後ろを見てみると慌てた様子で追いかけてくる人が1人…いや…3人?いや後ろにもまだ続いているぞ…8人かな?いや9人・12人…いや、アハハ…笑えるねコレ。
俺たちを追いかけてくる人はかるく20人はいそうだ。って20人かよ!はは、泣けるねコレ。
大の大人が20人も入れることができるこの部屋の大きさを俺は呪う。
「早く!!早くしろ!」
桃は顔を強ばらせながら俺の首を強く握りながら上下左右に揺らす。
「ちょ…死ぬ…花畑が―…今花畑が見えた…」
俺は首を締め付けられていることにより、もがき苦しみながら強引に窓から外へ飛び出した。
――ガダ―――ン
鬼の足脚で力強く地面を蹴ったためかものすごい音が鳴る。
俺は自分の体がほとんど垂直に青空に向かって宙に浮いていることが分かった。
正直俺は再び空をとぶことになろうとは1時間ほど前には思ってもいなかったんだけど。
なんせ俺は高所恐怖症だからな!でも今はそんなこといってる余裕はない。
「バケモノがとんだぞ!」
後ろの窓から顔をだして数人の男性が叫ぶ。いやぁ、もし俺がひとあし遅かったら危ないところだった。
まぁ、宙に浮いたからにはもう安心だ。って俺がそう思ったんですが…。
「なんだよ!!この人の多さは!?」
桃は俺にしっかりと(首を)掴みながら下を見て大声で叫ぶ。
下からは無数のシャター音・思わず目を隠したくなるような眩しいフラッシュ・俺を下から突き刺すようなたくさんの指。
そう、どうやら俺たちは外はやじうまやマスコミだらけなのを忘れていた。
あぁ。そう…たしか外はやじうまだらけだったけ?チッッキショー!!
俺はもっと別の逃げ方をすればよかったと心底後悔をする。
やばい!今下に落ちたら確実に…人に被害がでる…!?
俺はなるべく人に被害がでないように着地する方に視線を下にむける…ってブハァ!!
突然何か柔らかいものが俺の頬にあたる。ぇ?なにこれ?
っは!?もしかしたら―…
ゃやややや…やばい!今桃の胸が…顔に…顔に…あたtthwgのいrごいvんをp。
殺される!!こんな状況だけど、されど殺される!?今の俺はやじうまよりもコイツが怖い!!
「?おい!鬼山!!何鼻血をだしてんだよ!お前大丈夫なのかよ!」
よし!!幸い鈍感の星から産まれてきた桃には今のことは気がついていないようだ。
「はは。大丈夫さ!!桃君!(すこしいい体験をさしてもらったけどね)」
さわやかに俺は桃に大丈夫だと言い返す。が桃は落ち着きがないようにちらほらと下を見る。
「いや、お前じゃなくて下―…大丈夫?」
ん?下がどうかしたのかい?桃く―…ギャーーーー!?
俺が見たものそれはものすごい勢いで迫ってくる地面だった。
――ガシャン!!ドガ!
勢いよく地面に叩きつけられる…がなんとか本当にギリギリで着地成功…。
これこそ俺は危機一髪だと思う。着地をした地面はすこしへこんでいた。俺の足が骨の底からじんじんする。
幸い俺たちが着地をしたのは桃のすぐ近くの小さな公園で、そこは不思議なことにあれほど桃の家の周りにいたやじうまが一人もいなかった。
たしかこの公園のトイレには便器事件という苦い思い出がある。
「ったく!!こんな時になにボケーっとしてんだよ!死ぬかと思った!死んだと思った!?」
桃は相変わらず俺の首を力強く握ったまま俺に怒鳴りつける。
俺は桃が怒ってないか確認するために横にいる桃を見てみると薄っすらと涙目だった。
「いや…桃。よ予定どどどどおりだよ…このように着地する予定だったんだ」
俺は桃に爪が長い親指をたてる。そして俺は余裕を見せるかのようにハハと口で軽く笑ってみる。
いや…でも本当危なかった!!死ぬかと思った!!死んだかと思った!?これが本当の俺の心の声。
「…おい。鬼山、涙目じゃーぜんぜん説得力ねーよ」
俺の目を指をさしながら桃は言った。うそ?俺涙目?あなたも私も涙目?
「おっと!!話してる暇ないな!逃げるぞ!」
桃は思い出したかのように再び先程のような真剣な顔になる。
ときどき桃は不安そうに後ろを時折見ているが今は幸い人がまだ一人もきていない。
でも、この公園は桃の家にものすごく近いはずなのに、何故一人もいないんだろう?
俺はなんとなく疑問に思い数秒立ち尽くしてしまう。
「飛べ!!鬼山!!」
そんな俺に桃は元気よく青空を指さして言う。
「って俺が飛ぶのかよ!?」
「もちろんじゃん!私空飛べねーし」
桃はその場で軽くジャンプをしながら飛べない〜としらじらしくも言い張る。
ったく仕方がないな―。まぁ、普通の人間は空なんて飛べないけどな。
俺は赤い髪の毛を軽くかいてみる。
「よっし!アテンションプリーズ!!今から空へ向かいます!なお、お客様は首は掴まないようお願いします…ってブヘラ!!」
桃は最後まで俺の言葉を聞くことなく、再び俺の首を掴む。こ…このやろう!!
オマ…オマ…お前わざとだろう!!絶対わざとだろう!!きっとわざとだろう!!うったえてやる!!
まぁ、今はもちろん俺は訴えることよりも逃げることを先決するけどね!
俺は両脚をまげて本当腹が立つほど真っ青な空を見上げる。
さぁ―今旅たちのときだ―
俺は折り曲げた脚を勢いよく地面へ蹴って飛び立とうとする…けど…ぇ?あれ?
俺の足は地面から動こうとしない。まさしく地面と俺の足の裏に強力な接着剤をつけられたかのように。
俺は自分の足を確かめるかのように目を下にむける。
「ぇ?なんだこれ?」
俺は思わず驚きの声をあげてしまう。なんせ…俺の足には―…。
「?鬼山?」
桃が不思議そうに俺をのぞきこむ。が…桃も俺の足を見て息をのんで驚く。
詳しくは桃は俺の足の親指あたりを見て驚くことになるのだが。
そう、俺の足には…木でできたクギが俺の両足の親指辺りから地面へと刺さっていた。
たったそれだけだった。ましてや…鬼の脚力が木でできたクギに力で負けることはない。
――カッタンッカッラン、カッタンッコッロン
とまどっている俺達にふいに後ろからゲタの音が聞こえる。
真っ白な和服に上から黒のコートを羽織った衣装。
長く、真っ白なシルクハットにそこから除かせる黒のアイラインでギンギンな目。
そいつの顔は一度見たら忘れることができないだろう。
キジ丸だ―。先程のテレビの映っていた…陰陽師というやつだ。
「Helloフォニよ、始めてお目にかかるのう?」
キジ丸は俺にむけて軽く手のひらを振る。
そして黒いコートのポケットからたぶん、俺の足に刺さっているのと同じだろうと思われる木でできたクギを3つとりだす。
コイツ…!
「うぬ。まさか人質をとっておるとは…Meも予想外じゃったぞ。そこまで知恵をつけているとは…やっかいじゃのう」
「でも、まぁ…たとえ人質をとっておろうとお前を滅すればいいんじゃな。終わりがよければ全てよし、All's well that ends well」
目目目目目目目目目目目目
ここまで…お読みいただいてありがとうございます+゜
もうそろそろ終わる!!…っと思っていてもなか02終わらないものですね↓小説難しいです(泣+'pq`)
そう02キジ丸!!最後の言葉は適当に辞書を開いたらでてきた言葉を使いました;
よく02考えて見ると自分って簡単な英単語し力使ってないなァww