14話・目*フォニ連載まだまだ続きそう*目
「ねぇ、フォニ山ちゃん。大丈夫だよ?…私と一緒に地獄にいこう?」
猿木が口と目を三日月にして呆然として立ち尽くしている俺に笑いかける。
目の前には桃が壁にもたれかかってぐったりとしていた。
近い―…桃が手が届きそうなほどすぐ近くにいるのに―……。いるのに…。
猿木が俺の手を掴んで話そうとしない。
「このッ!手ェ離せよ!!!!」
俺は全力で思いっきり猿木の手を引き剥がそうとする。が…
――ギリギリギリ――
猿木が俺の手を思いっきり力の限り掴み、俺の骨がきしむ音が聞こえた。いや、正確には…鬼の手なのだが…。
ってか鬼の手だよね!!これ…。なのに…俺の力がまったく猿木には通用しない…。
むしろ…俺の鬼の力が小さな少女(猿木)に負けてっるって…これどういう意味…?!
「―――ッってぇ…」
思わず俺は手の痛さに顔を歪めてしまう。
「地獄に来るよね?フォニ山ちゃん?ってか、こふぉい!!(舌かんだ)」
コイツ…!?俺の選択権なしかよ!!というか、肝心なセリフに舌かんでやがる!?
「だ…誰が地獄なんかにいくかぁ!!俺は…俺は地獄ではなくて天国にいくんじゃあ!!そ…そんでもって、天国で(俺だけの)ハーレムを築くんだあァ!!」
俺は大声で俺の手を掴んで離さない猿木に怒鳴る。目の前で桃があきれたような顔をしていたような気がしたのだが…恐らく気のせいだろう。
「ぇ?でででも、私がフォニ山ちゃんのハーレム築いてあげるよ〜。むしろ私がフォニ山ちゃんと結婚してあげてもいいし!!」
「やだ!!なんか地獄の女とかイメージ的に…な…なんかいろいろとゴツゴツしていそうだし!!……ゴツゴツ……いや、別に変な意味とかでじゃあないですよ?(ボソボソ)」
俺は若干口ごもりながらもキッパリと猿木に言い張る。
「ふぇ?」
猿木は俺の答えにあっけにとられて小さな口を半開きにしてポカンとする…。
たぶん、推測だが猿木にとって俺の反応は予想外なものであったのだろう。
俺の前では桃が倒れながらも顔を横にむけてクククと喉から声がでるのを必死に押さえて笑っていた。
「で…でふぉ…不老不死になれるんだよ!!しょれにしょれに…(舌かんだ)」
慌てて猿木が俺に言い返そうと言葉をつなごうとする。
正直俺は不老不死とか言うのには興味がなかった。
いや、なかったって言ったらウソになるけど…。
「でも、ごめん。俺…地獄には―」
地獄にはいけない。そう俺が言おうとした瞬間だった。
「フォニ山君はもしかして7年前の事件を忘れたの?」
!?!?
猿木が怪しく笑いながら…俺に言った。
その怪しい笑顔というのは、猿木の口があきらかに人間とは思えないほどに避けていて…鋭い歯がニィと並んでいた。
思わず俺と桃はその姿に体を強張らしてしまう。
それをいいことに猿木はその怪しい笑顔を絶やすことなく、続けて俺に言う。
「ねぇ…忘れていないでしょ?その事件の悔しさ…悲しみ…コノ世界ノ醜サヲ…忘レテハイナイデショ?」
「はぁ?!…事件のこと…?」
倒れていた桃が驚いたように言う。俺の前にいる桃はまったく理解ができていない様子だ。
「だって…その事件のおかげでフォニ山ちゃんは鬼に選ばれたんだよ〜?」
ふふとご機嫌に鼻をならしながら猿木は俺にそう告げる。
俺は背筋が凍りつくような感覚になる。なんで…?なんでコイツあのことを知っているんだろう?
これが今俺の率直な感想。
そして忘れかけていた…いや、忘れようとしていた事件を今…鮮明に思い出しものすごい吐き気が俺を襲う。
「う゛…」
強烈な吐き気に思わず俺は両手で口を塞ぎ…その場で膝をつく。
7年前7年前7年前の……。
「大丈夫フォニ山ちゃん?」
しらじらしく猿木が俺に近寄って俺の背中をさする。そして俺の弱った姿を見てご機嫌そうに猿木は笑っていた。
「そうだよね…フォニ山ちゃんは…一生懸命それを忘れようとしていたんだよね?」
俺の耳元でわざと桃にも聞こえるような大きな声でそれを伝える。
――やめろ…。そう大声で言いたい、が…吐き気が俺を襲って声にならない。
「フォニ山ちゃんは学校でも必死に笑っていて…つかれたよね?」
やめろ…やめろ…。俺は必死に歯をギリギリと食いしばる。
「恨んでるんだよ。…本当はフォニ山ちゃんは―…」
――ッやめろ!!!!!
「やめろよ!!!!」
俺が叫ぼうとした瞬間だった。怒鳴りながらものすごい勢いで立っていた猿木に人影が覆いかぶさる。
キッっと睨む目、長身の人影。桃だった。
「お前…!!!私には…私は事件が何か知らないけど…お前にはそれを言う価値はあるのかよ!!!」
今までに俺が見たことないほど桃は怒っていた。
桃の膝には先程壁にぶつけた傷が痛々しいほどに目立っていた。が桃は痛そうな顔を見せず、目の前の猿木に臆すことなく立ち向かった。
「何?私とフォニ山ちゃんの邪魔じないでくれるかな?それとも…また壁にぶつけられたいのかな?いや、次は本気で殺すよ?」
歪んだ微笑で猿木は言う。殺気が猿木のクセのある金髪の髪を立たせていた。
「うるさい!!…例え鬼山が地獄だか…天国だか…ハーレムだかどこへ連れて行く気か知らないけど…絶対にいかせない!」
桃は凛として猿木に言い張った。
目目目目目目目目目目目目
ここまでお読みいただきありがとぅござぃました⌒★+゜
やばい…まだ02連載続くかもしれませン↓↓
本当はフォニの完結は16話にしようと思っていたのですが…猿木と桃と鬼山との場面が長くしすぎてしまいました('v`;;)
もしこンな駄目小説でょキ口ば…連載最後までお付き合いよろしくお願いします♂♂
けっこう…ブラックな方の猿木を書いているのが楽しかったりですッ(・∀・)ヮラ
ずう02しいですが、もしょ力ったらアドバイスとかお待ちしています……w