13話・目*フォニと地獄*目
この冷蔵庫にはまっていた女の子は一体何者で誰なんだ…。
今俺の状況は…俺、桃そして冷蔵庫ガール(勝手に俺が名前をつけた)この3人で輪を作って座っている。
こいつは何なんだ!!まさか桃の非常食ではないだろうな!?いや、ありえないとは言い切れないが…。
「おぃ、桃お前の友達?それとも隠し子か?」
俺はついに耐え切れなくなって冷蔵庫ガールに聞こえないほどの小さな声を考慮して、桃に言う。
「おぃ、テメーふざけんじゃねーよ!こんな友達いたら私登校拒否になってしまうから!!隠し子も相手いないのにいるわけねーだろ!」
桃も冷蔵庫ガールに聞こえないように考慮しながら俺の耳元で怒鳴る。
ってか、えぇぇぇ!!だったら何この子!?しかも俺の名前を知ってたよ!?俺のストーカーですか!!
いや、こんなにも可愛い子がストーカーだったらまんざら嫌でもないけど…って違うだろ!!俺!!
始めから桃の家の冷蔵庫に入って俺を待ち伏せしていたのか!?いや、それもおかしーだろうが!!何なんだよ!!
俺は赤い頭を抱える。
目の前にいる冷蔵庫ガールはすっかりくつろいで冷蔵庫をあさってアイスを食べながら桃の部屋にある漫画を黙々読んで居た。
あ…なんか俺たちがお前について真剣に考えているのになんか…コイツ…イラっとする。腹立つ…ウゼー。
俺は立ち上がって、半ば強引に冷蔵庫ガールが食べているアイスを取り上げる。
桃もその場から立ち上がって、半ば強引に冷蔵庫ガールが呼んでいる漫画を取り上げる。
「「何くつろいでいるんだよ!!」」
俺と桃の声がそろう。やはり桃もこの冷蔵庫ガールにムラっとしていたようだ。
俺と桃が二人同時に冷蔵庫ガールの頭を叩く。
「ハゥ」
冷蔵庫ガールは赤い目を丸くしてビックリして声をあげる。
「あぁ、フォニ山ちゃん〜(舌かんだ)怒らないでよ〜ってかとなりの男の子誰?」
冷蔵庫ガールは桃を指をさしてそう言う。あ…こいつ―…禁句言ったな。
俺も以前男の子と間違って言ったら俺の大切な息子を鷲掴みにされたもんだ…。おそろしや、おそろしや。
桃はニッコリと微笑みながら言う。
「もう一回冷蔵庫に戻るか?コノヤロー、いや、冷凍庫がいいですかぁ?そうすれば、頭が冷えて頭がさえるかもしれないよぉお?」
桃は冷蔵庫ガールの頭を掴んで再び冷蔵庫…いや、冷凍庫にいれようとする。
いや、桃さん目がマジだ…。コエー。あいつこそ鬼に相応しいよ!!
「ぎゃは―!!何この子?何この子!?ゴリラにでも育てられたの!?」
桃の力で半分冷凍庫に入りながらも冷蔵庫ガールが必死になって言う。
「いや、ゴリラなんて生易しいものじゃねーよ。キングコングだよ!!しかも、ものすごく凶暴のやつに育てられたんだよ!!」
俺は思わずつっこむ…って…あ―…!!
片手に冷蔵庫ガールの金髪の頭を鷲掴みしている桃と目が合う…。
「ふふ、鬼山ちゃん、冷凍庫にはいるかい?」
桃が邪悪な笑みをうかべて俺に言う。うん、これは死んだな。俺。
「すいませ…ぶはああああ、冷たッ!!これ冷たッ!?氷が顔にはりついちゃったよ!!ごめんなさいって!!」
俺は桃によって顔を冷凍庫に半分入れながら叫ぶ。
「鬼や〜鬼や〜〜〜!!」
冷蔵庫ガールもものすごい勢いで抵抗する。ってかコイツ本当鬼だな!?鬼ダヨ!!
「……ったく―……」
桃はため息とともに俺の頭を掴んでいた手を離す。ってかこっちがため息つきたいよ!?
でも…俺生きていてよかったああああ!俺はそう思いながら顔に張り付いた氷をはがす。
いてて、けっこう氷痛いな。
「というか…何でここにいるんだよ!?女の子が冷蔵庫に!!」
桃は心底驚いた顔をしていまだに氷が顔に張り付いたままの冷蔵庫ガールに言う。
「まぁ…説明すると…ふぃろふぃろなんだけど…(舌かんだ)」
冷蔵庫ガールは舌をかみながらも真っ直ぐな目で俺たちを見て何かを告げようとする。
「私は猿木。鬼山ちゃんを迎えにきました〜☆イェィ!」
冷蔵庫ガールは猿木というらしい。右手を頬にもってきてピースをしながらそう、猿木は言った。
「「はあ?」」
もちろん俺と桃は言っている意味がよく分からずにマヌケな声をあげてしまう。
ただでさえ…冷蔵庫に入っていること自体把握できていないっていうのに…俺を向かいに来たってどういうことだ?
「はぃ?迎えに来たって俺を冷蔵庫の中に入れるつもりかああ!?もう嫌だよ!!冷蔵庫は嫌だよ!!」
俺は思わず猿木から無意識に離れてしまう。
「というか…あんた一体何者なの?鬼山を迎えにきたってどういうことなの!?」
桃が真剣な表情で猿木に近寄って尋ねる。俺もそれ気になっていた!!お前一体何モンなの!!
俺の名前知っているクセに、桃の名前も性別も知らなくて…。
俺はそう思いながらじっと猿木を見つめる―。
って―…あれ?ぇ?猿木を改めて見て今気がついたことなんだが…。
コイツの目…コイツの目は人間の目じゃない!!表現はとてもしにくいが…目の中に光がないし…瞬きだって一つもしない!!なんなんだ!!コイツは!?
俺は猿木に薄っすら恐怖を覚える。
「私は…地獄の閻魔大魔王様の13人の子どもの一人…猿木だにょ(舌かんだ)鬼になった鬼山ちゃんを地獄から迎えに来ました〜!だから私と一緒に地獄に行こう!!フォニ山ちゃん」
口を三日月のようにして猿木が俺に笑いかける。地獄!?地獄!?何言っているんだよ!!コイツ!
本当は俺は地獄なんて否定したいところなんだが…俺が鬼になっている今では地獄も否定もしきれない!!
でも…なんで…なんで…というか俺が鬼に選ばれたんだ!?
呆然と立ち尽くしている俺と桃を見て猿木は薄笑いをする。そして猿木は再び口を動かす。
「大丈夫だよ〜。鬼山ちゃん…地獄はこふぁくないよ(舌かんだ)私が可愛がってあげるし…。それに完璧な鬼になれば…不老不死になれるし☆」
何言ってるんだ?コイツは?やばい、俺…何にも考えることができない。
「あとあと本当は…ねぇ〜、私の仕事は鬼山ちゃんがフォニになった瞬間、いや1秒も早くにこの世界になんの影響をあたえずに鬼山ちゃんを地獄に連れていくのが仕事だったんだけど…まぁ、どっちにしろいいよね。どうせ白フクロウによって、みんな鬼山ちゃんの記憶なくなっちゃうんだし〜」
ふふと鼻でならしながら猿木は言う。
はぁ?俺の記憶がなくなる?!みんなから俺の記憶がなくなる!?
だったら俺はなんだったんだよ!!今までの俺はなんだったんだよ!!
「なんだよ…それ!!!!ふざけんなよ!!!!それって鬼山自体が始めから存在しなかったことになるじゃーねーか!!」
桃が犬歯を見せながら今にもなぐりそうな勢いで猿木に怒鳴りつける。
そして、ものすごい速さで猿木の赤いワンピースの襟元を掴む。
普通の人間だったら閻魔大魔王とか地獄とか聞いたら普通の人間だったら怖くて動けないはずだろうに…桃はそう言ったの関係なく怒鳴ったりできる。
俺が鬼だって言って受け入れてくれる人は桃くらいしかいないだろう。
桃は俺なんかよりも強い。きっと鬼の俺よりも強い。かっこいい。さすが…桃だ!!
「ねぇ…私がさっき馬鹿みたいにワザとやられていたワケじゃないんだよ?このニンゲンごときが!私・ニ・気安く・触る・ナ!!」
猿木の赤い目が…いや赤い目の中がネコの瞳みたいに縦に切れていた。
そして猿木の目が光ったかと思った瞬間―…。
―――ドゴッ―――
壁から鈍い音が聞こえた。ふいに壁の方を見て見ると桃が壁にもたれかかるようにして倒れていた。何が起こったんだ!?
「―――ッ…」
桃はただ声にならないほどの痛みに絶えているようであった。
「桃!!」
俺は壁に倒れている桃に急いで近づこうとした…。
が…ふいに俺の手を誰かに掴まれる。
「フォニ山ちゃん。大丈夫だよ?その子はただ生意気だったから私が壁に思いっきりぶつけた、それだけ…私と一緒に地獄にいこう?」
猿木が口と目を三日月にして俺に笑いかけた。
目目目目目目目目目目目目
ここまでお読みいただいてぁりがとゥございます⌒★+゜
ぃよ02…クライマックスに迫ってきました(・∀・)
まだ02ですが…w
とぃぅ力…猿木は地獄の閻魔大魔王の13人の子どもの中の一番末っ子ってぃぅ設定でいこぅかと思ってぃますッ(+'`*◆b
とぃぅ力…桃…こンなにも精神が強いのにはしっかりしたワケが―…もし機会があれば…桃のナゼこンなにも精神が強いのか…理由を書きたいな(.゜)ノって思っていますw
ここまで読んでいただき本当ありがとうございました+゜