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クラスへGO!!

いよいよクラス編です。

楽しんでいただけると嬉しいです。


誤字、脱字のご指摘もお願いします。

感想も待ってます。

教室の一番後ろ窓際に座る、回りを美女に囲まれているなんとも羨ましい男がいた。



そう、俺でーす。



教室に来てみれば、席は自由ということだったので何故か空いていた俺的に最高の席に座らせてもらっている。

結構な人数いたんだが、なんでこの席空いてたんだろ?

一番最初に埋まりそうなもんなのに。

ちなみにカーラ達は俺の回りに座ってる。

前がカーラ、右にエン、右斜め前にミリナだ。

席はじゃんけんで決めてましたね。

ちなみに席には既に座られていたのに(全員男)、お願いしたら簡単にどいてもらっていた。

離れる時、皆鼻の下を伸ばしていたのだが、別にカーラ達はお色気攻撃なんかしていないよ?

つか、俺がさせねーから。

普段から醸し出している大人の色気に耐えられなかったみたいです。

…まぁ、わかるがね。

そういえば俺達がクラスに入ったとき、ほとんどの奴らがガッツポーズしていた。

こいつらに色目使ってんじゃねぇぞコラァ。

女の子達がガッツポーズしてた意味は分からん。

………何故だ?


「どうしたんじゃ?難しい顔して」


「いや、少し考え事をな」


いかんいかん、そんな難しい顔をしていたか。

気をつけねぇと心配かけるな。


「考え事とは何だ?」


「いや、俺達が入っていった時皆ガッツポーズしてたろ?」


「ああ、していましたね。それが何か?」


「男共がガッツポーズをしてるのは分かんだよ。カーラ達綺麗だからな」


「ヨヅキ、そんな褒めるな…」


頬をほんのりと赤くするカーラ。

エンとミリナも同様。

もう…、こいつら可愛いなぁ。


「でもさ、女の子達がガッツポーズする理由が分かんねぇんだよな」


「………ヨヅキは自分の顔を一回よく見た方がいいのぉ…」


「俺の顔?なんか変か?」


えぇー…、なんか変なのか?

ショックだ…、とてつもなくショックだ…。


「い、いや、そういうことじゃない!!」


エンが必死に否定してくれるが、そこまで必死だとなぁ…。

逆に怪しい。


「はぁ………」


「エーンー…」


「エンさん…?」


「えぇい!!カーラもミリナもそんな責めるような目で見るでない!!…ヨヅキ?私は好きじゃからな?」


「我もな」


「私もですよ?」


「ならいいや」


「………復活早いな」


「いや、お前らに嫌われてないならいいか、って。お前らまで俺から離れてくとか、俺死ぬから」


はっはっはっ。

カーラ達に嫌われてねぇならいいやー。

友達になってくれるやつは、外見だけで判断しないようなやつがいいかな。

俺の顔変みたいだし。


「………離れてくわけないじゃろう」


「永久契約がなくても、いつまでもお傍におりますよ」


「我らの意思で、ヨヅキの傍にいる」


「ん。ありがとさん」


自然に笑みが出てくる。

暖かいわー、ホントに…。

心が暖かい…。


「というか、ヨヅキの顔は変じゃないからな?カッコイイぞ」


カーラがそう言ってくれた。

カッコイイかはどうかわからんが、変ではないようですね。

良かったー…。

と、安堵の溜め息をはいた時、いきなり後ろから手が現れて首にまわし、背中に誰かが抱き着いてきた。


「そうだよ〜。よーくんはすんごくカッコイイよぉ〜?」


こ、この声は!!

のんびり口調と、唯一俺をよーくんと呼ぶこの声は物凄く聞いたことある!!

つか、最近聞いた!!


「ユ、ユナ!?」


「うん。一週間ぶりだね、よーくん。驚いたぁ〜?」


くすくす笑うユナ。

なんでこいつがここに…。

ユナは学園卒業してるはず………あれ?ユナって同い年だったような…。

しかもユナは孤児だったから…。


「ユナ、もしかして学園に入学?」


「うん〜」


「ギルドにはやっぱり孤児だったから特別に登録みたいな?」


「そうだよ〜」


「そのかわり、16歳になったら学園に行けと?」


「すごーい!よーくん、よく分かったねぇ」


そうか、ユナもここに来たのか。

孤児だったから生きる為に登録、ね…。

ユナも大変だね。

…つか、いつまで抱きついとんじゃ、こいつは。

そろそろ離れろ、胸が当たってんだよ…。


「ユナさん?いつまでヨヅキ様に抱き着いてるんですか?そろそろ離れましょうね?」


ゴゴゴゴ、と無駄に黒いオーラが出ているミリナが助け舟(?)を出してくれた。


「ぶー、ミリナさんのケチー」


「(ピキッ)」


「ミリナ怒るな!!頼むから落ち着くんじゃ!!」


エンが止めに入り、なんとかその場はおさまった。

…まだ不機嫌そうですが。

にしても、ユナが離れてくれたためやっと目を合わせることが出来た。

ユナ・ウッドガル。

俺と同い年の少女だ。

ふんわりとした緑の髪をしており、胸元まで伸ばしている。

顔のパーツはまさに癒し系といった感じで、ちょい垂れた目がなんとも柔らかい印象を与える。

背はちょうど頭が俺の胸ぐらい。

平均的な高さだろう。

スタイルはいい。

うん、大きい。

………察しろ。

それで、紹介することがもう一つ。

ユナは、俺らのギルドのSSSランクメンバーなのだ。

二つ名は<滅風>。

なんとも物騒な二つ名なのだが、ユナのつかう風魔法はその名に恥じぬ威力を持っている。

突風に鎌鼬を織り交ぜ、標的を吹き飛ばし、切り刻む。

まさに<滅風>。

俺は一度模擬戦をしたが、怖い。

めっちゃ怖い。

まぁ、勝ったけどさ。


「よーくんと同じクラスなんだよぉ。良かった〜」


相変わらずふわふわしてるな、こいつは。

前からユナといるとなんか和むんだよね。

この感じは結構好き。


「俺もカーラ達の他に知ってるやつがいて良かった」


笑い合う俺達。

んー、楽しくなりそうだ。

………お願いですからカーラさん達、睨まないでください。


「はーい。皆さん席に着いてくださーい」


おっ、リィン先生が入ってきた。

後ろからはナギ先生。

リィン先生が担任かな?

ナギ先生は後から来たし、多分副担任だろう。

フォレス爺さんの根回しかな?

あの二人なら俺の正体知ってるし、いざというときは助けてくれるんだろうか。


「皆さん初めまして。このクラスを受け持つことになりました、リィン・マクシーです。得意属性は火、雷、闇です。今年で15歳ですが、ちゃんと学園は卒業しています。特別に飛び級を許してもらいまして…。よろしくお願いします。そして隣にいるのが…」


「副担任のナギ・ガーディアンだ。得意属性は火、風だ。よろしくなー」


黒板の前に来た二人は自己紹介を始めた。

リィン先生は真面目にやってるが、ナギ先生は適当。

絶対めんどくさがってるな、あの人…。

まぁ、二人とも美人だからな。

男共の喜びようはうざいぐらいだ。

つか、ナギ先生の得意属性はわかるが、リィン先生のはすごいな…。

バリバリの攻撃特化型やん。

あの容姿からは想像できん…。

と、考えているとリィン先生と目が合った。

リィン先生は微笑み、それからナギ先生にアイコンタクト。

そっちも俺に気付き、ニヘラッと笑う。

こっちも笑い返さねぇとな。

そんなやり取りを騒がしいクラスの中でやり、リィン先生はまた真面目モードに。


「静かにしてください。………はい。まず、この学園が一番重視していることを話しておきましょう。この学園では、自由、ということを大切にしています。魔法とは自由。己の想像力が一番大事であり、最も育てるべきところと考えているわけです。まぁ、校則などもあり、全て自由というわけではないのですが…、そこはまだあなたたちは保護される対象ですから仕方がないことです。そのかわり他の学校・学園に比べると軽いものになっていますよ」


あぁ、確かに。

他に比べればゆるいんだろうね。

制服がないなんてのはいい例だろうし。

…作んのめんどくさかったって聞いた気が…、うん、気のせいだな…。


「この学校にいる4年間、自分の魔法を磨き、勉学に励み、高めていってください。もちろん、遊ぶことも恋をしたりすることも大切ですよ?」


リィン先生は15歳相応のまだどこか子供っぽい笑顔を浮かべた。

リィン先生は人気でるだろうなー。

俺らからしたら年下だもんな。

友達とか後輩としてみんな接するんじゃねぇか?


「ナギ先生は何かありますか?」


「いい、俺は寝る」


おいおい、仮にも教師でしょうが。

教室の中で寝るってどうよ?

ナギ先生は折り畳み式の椅子を持って、教室の後ろ、つまり俺の後ろに来ようとし俺を思いだしかのように発見。

うっすらと微笑み近寄ってくる。

そして、俺の左側(窓との間だが少しスペースがある)にあったバッグをどかしてー、椅子を広げてー、座って、俺の肩を枕がわりに、と。


「おやすみ、ヨヅキ」


はい、おやすみなさい。

……

………


「おかしいだろっ!!この流れは絶対におかしいっ!!」


なんで肩に頭のしてくんだよ!!

つか、わざわざバッグどかしてまでしなくてもよくね!?

おいカーラ、溜め息ついてんじゃねぇぞ…。

エンもミリナも呆れた顔すんじゃねぇ…。

リィン先生とユナ(席はミリナの前)は似たような目線を送ってくる。

まるで、いいなー、とでもいうような…。

つか、クラスの奴らもこっち見んなぁぁぁああ!!


「まぁ、ヨヅキ落ち着け。ナギのスキンシップじゃろうて」


「教室でやんなっつの」


「ん?じゃあ教室じゃなきゃいいのか?」


「まぁ、場所を弁えればこのくらいはな」


「へぇ…、ヨヅキ様ハ寛大デスネー」


ジト目。

やめて、そんな目で見ないで!!

…はい、自重します。


「別に知らない奴にはやんねぇよ。親しい奴ぐらいだ」


「…まぁ、いいか。で?ナギはどうするんじゃ?」


「ふっふっふっ、俺はこんなこともあろうかと、枕を持っているのだ!!」


クラス一同「(どんな時だよ)」


枕(低反発)を指輪から出し、窓に置いて、そーっとナギの頭を移す。

髪柔らけー、いい匂いするー。


「はい、解決」


「ははは、そろそろいいですかね?」


おお、リィン先生を忘れてた。

すみません、先どうぞ。


「えー、それでは皆さん自己紹介をします。席の四つ角の人はじゃんけんをして、負けた人からやりましょー」


俺がじゃんけんすんのか。

よっしゃやってやるぜ。


「じゃんけん、ぽん!!」


パー

パー

パー

グー←俺


「くっそ、俺からか…」


「それじゃ、名前と年齢、得意属性、そして一言お願いします」


「うぃーす」


得意属性言わなきゃならんのか…。

嫌だなー、魔法なんか使えねぇのに…。


「名前はヨヅキ」


「え?」


ん?今変なこと言ったかな?

………まぁ次にいきますか。


「年は16。得意属性は…えーっと…」


「どうかしたのかー?」


ナギ先生…、いつの間に起きた?

魔力ないって言おうかな…。

絶対馬鹿にされる…。

そしてカーラ達が飛び出す。

殺気撒き散らす…。

あばばばば…。

………まぁ、どうせ近いうちにわかることだし…。

えぇい、ままよ!!


「魔力はないので魔法は使えません!!剣術には自信があります。一年間よろしく!!」


座る。

沈黙。

リィン先生もナギ先生もびっくりしている。

そりゃそうだろうな。

この世界に魔力がないやつなんていないんだし…。

友達出来ないの確定…。

徐々に広がる笑いの波。

殆どみんな堪えてる。


「あっはははは!!魔法使えないのかよこいつ!!初めて見たぜ魔力がないやつをよぉ!!とんだ欠陥人間だ!!」


うへぇ…。

そこまで言う?

周りの奴らも笑ってるし。

やっぱり魔力ないのは変かぁ…。

あれ?カーラがいない。

と、一番声を張り上げてたやつの声が聞こえない、つか教室が静かだ。

さっきの男子生徒に目線を向ければ、カーラがそいつの首筋にカラドボルグを突き付けていた。


「次は我の番だな。カーラ、20歳、得意属性は雷。そして一言言うと、ヨヅキを馬鹿にした者は殺す。こいつのようにな」


まずっ!!

俺は瞬時に剣を取り出し、振るわれたカラドボルグを止める。

取り出したのは同じ魔剣の<魂喰いソウルイーター>。

魔剣を止めるには、生半可な剣じゃ止められないからな。

そしてソウソウルイーターの能力は生命力や魔力を喰らうこと。

身体的な傷はできないのだが、内側を斬る剣だ。

周りはカーラの行動でも驚いていたようだが、俺の速さにも驚いたようだった。


「やめろ」


「無理だ。我が主が欠陥人間?ふざけるな!!ヨヅキがよくても我が納得できん!!主を馬鹿にされるほど我らが嫌うことなどないのだ!!今すぐにこいつの首を斬り飛ばしたい」


怒ってる…。

今までで一番怒ってる…。

主従関係ってのはこういうもんなのかね…。


「お願いだ。ここは落ち着け」


「いくら主の頼むでも無理だ」


うぐぅ…、引かないな…。

困った…。


「殺したら退学だぞ?一緒にいれなくなるぞ?」


ナギ先生のフォロー。

ナイスです!!


「う、それは困る…」


「だろ?なら一発殴るぐらいにしとけ」


「くぅ………しかたない。今日はそれで許してやる。運がよかったな」


そうして、足を振りかぶる。

え?足?

風をきる音が聞こえ、そいつの男の勲章に。

痛そー!!俺まで痛くなってくる!!


「ふん、足が汚れたわ」


ハンカチで足をふく。

そしてハンカチを捨てる。

容赦ねぇな…。

………ふぅ、まあなんとかなったということで。

そのあとの自己紹介はなんか静かに行われた。

…なんかすいません。

そして心配だったエンとミリナは、なんというか…、やってくれた。


「ヨヅキを侮辱したものは燃やす」


「ヨヅキ様を侮辱したら潰しますから、物理的に」


そしてユナも。


「よーくんを馬鹿にしたら切り刻みまーす」


お前ら怖いよ…。

もう少し目立たないようにしてくれ…。

そして、この自己紹介の時に驚く事があった。

多分この学園に来て、一番の衝撃だったに違いない。

いたのだ、この学園に。


「初めまして。ツキナ・キサラギ、15歳です。飛び級してきました。得意属性は水、光です。一年間どうぞよろしくお願いします」


俺の妹が。

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