やっと学園長にご挨拶
んー…、なんか変だ。
んー………………………………………………………………………………………………
…まぁ、いいや。
やりたいようにやったから悔いはねぇ!!←
それではどうぞ
美女三人と美少女一人を引き連れて、学園内の廊下を歩いている男がいた。
そう、俺の事。
美少女一人って誰?って感じだけど、リィン先生の事だ。
まだリィン先生の容姿なんかの説明はしてなかったから、今しちゃいますねー。
リィン・マクシー。
俺の胸ぐらいまでしか背がない、ちっちゃい人です。
ピンク色のショートヘアで、パッチリ二重の黒い瞳。
15歳と言う割には童顔で、実際の年齢より1〜2歳下に見える。
まぁ、美少女なんですけどね?
体型は…、察してくれ…。
一つだけ言うとスレンダーだ!!
そんなリィン先生と今、学園長室に向かって移動中というわけ。
「学園長室遠いんですねー」
「すいません。何分この学園広いものですから…」
「あ、いやいや。別に責めてる訳じゃ…」
むぅ…。
リィン先生子供っぽいから、落ち込まれると罪悪感が物凄いんだけど…。
おい、カーラ。
その冷たい目はやめろ。
「それにしても、ヨヅキさんは学園長に何のご用で?こんなこと言うのは失礼ですけど、普通の生徒さんが学園長に会うことはあまりないですから。学園長も多忙なので」
「えぇっと〜…」
どうしよう…。
カーラ達と一緒に住むのを許してもらうために、とか言えるわけねぇ。
もし言ったとしたら、なんか変な勘違いするに決まってる…。
正体明かすわけにはいかないしなぁ…。
「ヨヅキ様と一緒に暮らす事を許してもらうためですよ?」
ミリナぁぁぁぁあああ!!!!
何で言っちゃったの!?
変な勘違いされるでしょぉ!?
「あぁ、奥さんですもんね」
「はい!!」
「我もな!!」
「私もじゃ」
あれ?納得?
やっぱり嫁だと思ってた感じ?
ん〜、まぁこの場は乗り越えられるし…、その設定でいこうかな。
「まぁ、それ以前に永久契約したから離れられないんだがな」
「おぃぃぃぃいいい!!!カーラ何言ってくれちゃってるんでござりまするかぁぁ!!お前らが魔剣だってばれちゃうでしょぉぉぉぉ!?」
「ヨヅキ、ヨヅキ。声に出ておるぞ?」
「自分で止めさしましたね」
…
……
………
………………………………orz
止めろよぉぉ…。
そこは止めようぜぇぇ…。
もうばれちゃったじゃん。
まだ入学すらしてないのにばれちゃったじゃん。
「魔剣…ですか?」
「…………はい」
「もしかして…、ヨヅキさんは<魔剣の主>様ですか?」
「…………はい。………様?」
「………(ガバッ)」
リィン先生、飛び付く。
………。
「えええぇぇぇ!!!どうしたんですか!?」
「感激です!!まさか<魔剣の主>様に会えるなんて!!私大ファンなんですよ!!」
「あ、ありがとう、ございます…?」
「ギルド最年少にして最高ランク、Xランクの世界最強の男!!何十本もの魔剣を所持し、使いこなす姿は正に魔剣の主と呼ぶに相応しい!!魔剣なしでも相当の実力有し、剣技だけでもSSランクは圧倒できるほどらしい。依頼は殆どがギルドマスターから直々に貰うため、顔を知るものは少ない、が!!私は知ってしまいましたー!!あぁ…、今日はなんていい日なんでしょう…」
うわぁ…。
なんかトリップし始めた…。
リィン先生、なんかキャラがおかしくなってきてない?
それにしても、俺にファンなんていたんだな…。
「はっ!!そうだ、ナギ先生にも教えてあげよう!!」
「え?ちょい待って。他の人にもばれるのはちょっとまずいかな〜…」
「今はお部屋かな…。<魔剣の主>様、ちょっと待っててくださいね!!」
ダーッと走っていってしまったリィン先生。
俺らは置いてきぼりですか?
「ヨヅキ、何で言ってしまったんだ?」
「カーラぁ…、原因はてめぇだろうに何言ってんだコラ」
「じょ、冗談だ…」
「それにしても、秘密ばれちゃいましたね」
「まぁ、良いではないか。もしもの時に教師が味方だと都合がいいじゃろう」
「そ、そうだぞヨヅキ!!我はそう思ってだな…」
「まぁ、カーラはそんなこと思ってなかったじゃろうが」
「エン〜…」
「はぁ…、これから不安だぜ…」
「ヨヅキ様、大丈夫ですか…?」
「あぁ…大丈夫…。精神的に疲れただけ…」
「無理はなさらないでくださいね?」
「おう…」
はぁ…、早くリィン先生帰ってきてくんないかな〜。
学園長室に早く行きたいんだけど…。
と、思ってたらリィン先生が走って戻ってきた。
「いませんでした…」
「はは、残念でしたね?」
良かったー!!
これ以上はまずいもんね!!
口止めしとかないとな。
「リィン先生、俺の正体は秘密の方向で」
「え?ナギ先生にもダメですか…?」
はうっ!!
やめて…、目をうるうるさせないで…。
罪悪感が物凄いんで…。
「ナギ先生も大ファンなんですよ…」
「………………ナギ先生はいいです」
「本当ですかぁ!?ありがとうございます!!」
くっそー、ナギ先生って誰だよぉ…。
人となりも知らないのに…。
「ナギ先生は秘密守れる人ですよね?」
「うーん………多分。なんというか、大雑把な人でして…」
不安だ…、激しく不安だ…。
それってうっかり言っちゃうタイプってやつじゃないの?
「で、でも!!約束はちゃんと守ってくれる、はず…です」
おいおい。
最後まで言い切ってくれよ。
余計に不安になってくるんですけど。
「はぁ…、もういいから早く学園長室行きましょ?」
「あ、そうでしたね。すいません、こちらです」
「あと、ヨヅキでいいですから」
「いや、でも…」
「<魔剣の主>だなんてよそよそしいじゃないですか。リィン先生にはヨヅキ、って呼んでもらいたいんですよ。俺の我が儘、聞いてはくれませんか?」
ここでニッコリと笑う。
「………は、はい…。では、私のこともリィンとお呼びください…」
「じゃあ、学園生活以外の時は」
「はい…。では行きましょう、ヨヅキさん」
よし、任務完了。
ああでも言わないと聞いてくれそうになかったからな。
それにしても、顔真っ赤にしてどうしたんだろ?
なんかボーッと俺の方見てくるし。
風邪?
「おちたな」
「じゃろうな」
「さすが歩くフラグ製造機ですね。ヨヅキ様が素晴らしいので当たり前なんですが…」
「如何せん、ライバルが多いのぅ…」
「SSSランクの女共、三人全員惚れてるしな、絶対。姉的ポジションだから大丈夫だと思ってたルーシィも、この頃ヨヅキを見る目が完全に女だし」
「強い雄に雌が惹かれるのは当然ですよ。ていうか、強い雄は雌を囲うのが自然かもしれませんね」
「「うーん、確かに」」
「動物としての本能だな…」
「本能には抗いがたい、か…。ヨヅキが強いのは力だけじゃないしのう。私達はヨヅキの強い意思に惹かれたのじゃから。そういう女はこれからも増えるぞ。そうなると、ヨヅキも女囲って群れを作るのかのう?」
「…なりそうですね。ヨヅキ様はしようとは思わないでしょうが、女の方から寄って来て何だかんだで。それでも、ヨヅキ様はその群れを絶対護りますよ。私は皆が幸せになれると確信できます。全員を愛して…」
「独占欲剥き出しにして…」
「『こいつは俺のだ!!』と抱き寄せる…」
(想像中)
「「「………いい!!すごい言われたい!!」」」
「やばいな…。我は鼻血が出そうだった」
「そうですね。私も危なかったです…」
「こういう想像はしちゃいかんのう…。顔が熱い…」
「惚れた女には話しておこうか。ギルドの奴らには次会った時に。リィンには入学した後にでも」
「ええ。ヨヅキハーレム計画ですね」
「楽しくなりそうじゃ」
「「「ふふふ………」」」
「おーい、お前ら行くぞー」
「あ、我等を置いてくな!!」
あいつら何の話してたんだ?
また変なこと考えてなきゃいいんだけど。
〜10分後〜
「ここが学園長室です」
「おー………、普通の扉だ」
もうちょっと豪華なの期待してたんだけど、意外にも普通だな。
まぁ、学園にそんな豪華なの作るのもどうよ?って感じだけどね。
「学園長、ヨヅキさんをお連れしました。入りますねー」
「おお、リィン君か。待っておったぞ。入りなさい」
「失礼します」
そう言って俺達は中に入る。
おー、中は立派なもんだな。
接客用の、坐り心地が良さそうな椅子とガラスの机が目の前にある。
右側には本棚が並び、所狭しと本が入っている。
そして奥には大きな窓と、執務机。
そこに座るわ…。
な、何!?
ダンブ〇ドア先生だと!?
「よく来たのう。わしはフォレス・ユグドラ、このアストラ学園で学園長をしておる」
「あぁ、どうも、初めまして。俺は…」
「ヨヅキ君じゃろ?タイルから話は聞いておる。じゃから使いも出したんじゃ」
「通りで…。お心遣いありがとうございます」
「固くならんでもよい。楽にしてくれ」
「あ、そう?じゃお言葉に甘えて。よろしく、フォレス爺さん」
「………すごい身代わりじゃの」
フォレス爺さんは呆れてしまったようで。
いやー、フォレス爺さんとは長い付き合いになりそうだから、もういっそのこと敬語じゃなくてもよくね?みたいなね。
これでいい関係築けますよ。
「それで、そこにいる魔剣さん達と一緒に住みたいそうじゃの?」
「そうなんだよ。永久契約をしている以上、遠く離れる事が出来なくてね。許してくれないか?」
「まぁ、そういうことなら仕方ないじゃろう。許可を出す」
「よっしゃー!!ありがとうフォレス爺さん!!やったぜ、お前らべろびひゃ!!」
「やったなヨヅキ!!」
「これからもずっと一緒じゃ!!」
「ちょっとカーラ、エン!!どいてください!!私も抱き着きたいです!!」
おい!!
飛び付くなっての!!
床に後頭部からズドンだぞ!!
それに他の人いるし、もう少しおしとやかにはなれんのか?
「じゃあ私も…」
「リィンも来なくていい!!」
そう言ったらなんかリィンは悶えはじめた。
「呼び捨てで呼ばれてしまいました…」
………この学園にはもう少しまともな人はいないのか?
言ってることは聞こえないが、端から見ると相当危ない人だぞ?
「ほっほっほっ。賑やかでいいのう」
お前は俺を助けろ。
「たくっ…」
ようやく抜け出して一息つく。
あー、頭いてぇ…。
「そうじゃ、ヨヅキ君」
「んあ?」
「君が学園に行ってる間、魔剣さん達…」
「ちょっと待って。カーラ達には名前があるんだ。ちゃんと呼んでやってくれ」
ほれ、自己紹介、とカーラ達の背中をポンと押す。
「魔剣カラドボルグのカーラだ。一緒に住めるようにしてもらって感謝する」
「妖刀炎鬼妃のエンじゃ。カーラと同じく礼を言う」
「天剣エルミリナスのミリナです。この度はありがとうございました」
みんな優雅に一礼。
美人ってのは何やっても絵になるなー。
「いやいやなんのこれくらい。これからよろしく頼むぞい。それじゃ話がそれたが、君が学園に行ってる間、カーラ君達はどうするのじゃ?」
「え?連れてっちゃまずい?」
「まずいも何も…。そんなことしたら思いっきり怪しまれるじゃろうが」
「じゃあヨヅキとは昼会えないのか!?」
カーラが叫ぶ。
エンとミリナは衝撃的だったようで口に手をあてている。
そこまで俺と一緒にいたいのかよ?
……………照れるじゃねぇか。
「おい、照れてる場合か」
「はっ!そうだ。どうしよう…」
「これはわしからの提案なんじゃが、カーラ君達も学園に入学してみないか?」
「へ?」
こいつらが、学園に?
それはいいかもしれない…。
それなら一緒に入れるな。
でも…。
「私達、どう見ても外見20歳越えてますよ?」
そうなんだよ。
カーラ達、めちゃくちゃ大人の女性って感じなんだよね。
特におっぱ…ゲフンゲフン!!
「どうしたんじゃ?ヨヅキ。私達の胸など見て。…もしかして触りたいのか?ほれ、揉ませてやるぞ」
胸を寄せて上げるエン。
んー、見事なチョモランマだ。
ぜひ揉みたい、物凄く揉みたい、ていうかもうすでに俺の右手がぁ!!
鎮まれ俺の右手ぇぇ!!
「ふふふ、体は正直なようじゃの?」
くっそー、勝ち誇ったような顔しやがって!!
誘惑に負けるかっ!!
「ゴッホン!!そろそろいいかの?」
「「あ、すいません…」」
「…外見の話じゃが、なんとかなるじゃろうて。入れるのは16歳からで、越えてても入学する者もいるしの。それに早熟した生徒などいくらでもおる」
「………エロ爺」
「………許可取り消すぞ?」
「わーいフォレス爺さんさっすがー!!喜べ!!みんなで入学するぞ!!フォレス爺さんのおかげでずっと一緒だ!!部屋も広いとこ用意してくれるってさ!!」
「何!?本当か!?」
「え?そんなに広いとこは…」
「やったな!!フォレス爺さんは心が広いのう!!」
「そうですね!!あと出来れば一番上の階がいいです!!」
「あるにはあるんだが…、さすがに四人じゃ広いぞ…」
「フォレス爺さん太っ腹!!」
「器が大きい!!」
「素敵ー!!」
「カッコイイ!!」
「…分かった。一番広いとこを使うがよい…」
へっ、ちょろいな。
俺を脅そうなんて10年早いわ。
にしても、そんな部屋あったんだ…(汗
「はぁ…、こやつらと話すと疲れるわい…」
「はは、学園長大変ですね」
おお、リィンが復活してた。
いつの間に…。
「学園長、次は学園の説明をしてはいかがです?」
「そうじゃな。じゃあ説明するぞ、よく聞け。まずこの学園には制服はない」
「へー。そうなんだ」
制服ないって珍しくない?
普通、集団意識を持たせるためにあるもんだと思ってたけど。
「うむ。めんどくさかったから」
………うん、流すか。
スルーだ、スルー。
「この学園は全4学生で、16歳から入れる。越えてても入れるが、殆どが16歳じゃな。1学年200人で、クラスはA、B、C、Dと別れておるから1クラス50人。授業は1日、1時間の授業を5つやる。他に説明は…、めんどくさいからいいかの」
この糞爺…。
ちゃんと説明しろや…。
何がよく聞け、だ。
殆どわからなかったぞ。
「まぁ、後は入学したあとに友人と聞く方が楽しいじゃろう。あとカーラ君達とは同じクラスにしておこう」
「お、気が利くね。ありがとさん」
「じゃあ、今日はこれで終わりじゃな。リィン君、お送りしてあげなさい」
「はい。ではヨヅキさん、こちらへ」
こうして俺達は全員で学園に行けることになった。
カーラ達はすっごい喜んでたし、俺も嬉しい。
次の日、タイルとルーシィさんに報告をし、必要な道具を買いながら帰宅。
入学する日を楽しみにしながら日が過ぎていき、そして明日が入学当日である。
友達できるかなー?
いいやつらに恵まれるといいんだけど。