表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

えぇー…入学ぅ?

2話目です。

感想待ってます。



それでは、どうぞ!!

街の大通りを歩き、美女三人を連れて、男共の視線、いや死線でその身を刺されている男がいた。


そう、俺だ。



この死線地獄には慣れたと思ったんたが、まだまだだったみたいだな…。

そりゃそうだろうよ。

連れている三人はとてつもない美人さんですもんね…。

俺も見てる側だったなら遠慮なく死線をぶち込んでやるだろうさ。


そしてその美人さんというのが、一人目はもう紹介済みのカーラだ。

可愛いというよりは綺麗。

いつも、少し不機嫌そうな顔をしていて、見た目は堅そうなのだが、結構お茶目で可愛い人。

少し寂しがり屋でもあるかな。

そういうところも可愛い。



二人目はエン。

本当の名前は、妖刀 炎鬼妃(エンキヒ)

この人も魔剣である。

…まぁお察しの通りエンとも永久契約をしたわけです、はい。


魔剣の能力は身体能力向上と炎を操ることである。

身体能力向上はすごい。

ジャンプしただけで30mは跳べた。

ちょっとビビった。

普通なら10mぐらいなのに。

炎は俺には熱く感じないようで、身体に纏ったりも出来る。

すごくないか?

簡単に相手近づけないんだぜ?


人間の時の容姿はこれはまた美しい女性です。

腰辺りまで流した艶やかな黒髪、とちょい切れ長の目。

目の下に泣き黒子。

俺、泣き黒子むっちゃ好き。

そいでキモノ(椿柄の振り袖)?だっけか?

特徴としてそんなのを毎日着ている。

珍しいが似合ってるので問題なしだ。

あと古風な喋り方をするのも特徴か。

性格は温厚、世話好き。

料理や家事も今では上手い。

いい嫁さんになるね。



そして最後がミリナ。

本当の名前は、天剣エルミリナス。

例によってまた永久契約です、ごめんなさい。


重力操作と腕の力の倍加だ。

何故腕の力が強くなるかというと、天剣が馬鹿でかいから。

全長15mぐらいはあるんじゃねぇかな?

そんなのを振り回すのには必須な能力というわけ。

あと重力操作は、天剣を中心に半径20m以内の重力を操作する能力だ。

ぶっちゃけると俺自身が何もしないでも、この能力使えば勝てる。

なかなか重力には勝てる奴はいないからな。

ここで、重力操作があるなら腕の力の倍加いらなくないか?という人もいるだろう。

それでも何故必要かというと、天剣は重力操作の影響を受けないからだ。

重力が軽くなると威力が出ないからな。

まぁ、そういうこと。


ミリナの人の姿は先程も言ったように美人さん。

青く柔らかそうな髪を肩口で揃え、深い碧眼をいつもニコニコとしている。

体型はカーラやエンに比べるとスレンダーだが、決して胸が小さいわけじゃない。

むしろ美乳だ!!(想像)

ちなみに大きさはカーラ>エン>ミリナといった感じか。

誰にでも丁寧なのだが、たまにでる毒舌が相手のハートをがつがつえぐっていくので要注意。

でも気配りできて優しい人だ。



エンとミリナの出会いは機会があれば語るよ。

まぁこんな三人と歩いてるんだ。

嫉妬の死線も当然か。


…もう全員五年以上の付き合いなんだよな。

カーラは10年間、エンは8年、ミリナは5年。

まぁ、これから永遠の時を共に生きてくんだ。

まだまた短いぐらいだろう。

これからも楽しくなりそうだな。



「どうしたのだ?ヨヅキ。いきなり笑ったりして」


「いや、お前らとの付き合いも長いなーって」


「何を言っておる。これからもずっーと一緒じゃぞ?」


「そうですよ。もしかして契約、後悔なさってます?」


ミリナがニコニコ顔を引っ込めて、心配そうに聞いてきた。

見れば、カーラとエンも不安そうだ。


「んなわけねぇだろ。だったら笑ったりしてないから。いつまでも、パートナーとして一緒にいようぜ?」


「パートナー、か…」


「はぁ…、鈍感にもほどがあるじゃろ…」


「もう気づいてくださってもいいと思うんですけどね…」


あれ?

安心させるために言ったんだけど、何で溜め息?

俺おかしなこと言ったかな…。


「まぁ仕方ないだろう。時間は永遠にあるんだ。頑張ろう」


「そうじゃな…」


「あ、ギルドが見えてきましたよ」


そうこうしているうちにギルドに着いた。

目の前にあるのは3階建ての、白を基調とした立派な建物。

看板には『星天の光』と書かれている。

俺の所属するギルドだ。


ギルドとは個人で立ち上げたもので、それらが集まってギルド連合が作られた。

規則もあり、それを破ったギルドには他のギルドから潰される。

そういったギルドは裏ギルドと呼ばれるのだが、まぁそれはおいおい。

今はギルドマスターに会いに行かんとな、


「はぁ、今度は何の用だろうな」


「行ってみないことには分かりません。さぁ行きましょう」


ミリナに手を引っ張られて中に入っていく。

中は受付が三つ、依頼書が張られた大きなボード、そして人がたくさん。

依頼してくる人を意識して、入りやすいように綺麗にしてあるのだとか。

いい心がけですね。

にしても、受付を通さんとマスターに会えないのはめんどくさくないか?


「すいません。ギルドマスターにお取り次ぎ願いたいのですが」


受付にいた新人っぽい娘に話し掛けた。

新人さんは融通が利かなくて面倒なんだよね〜。


「すいません。マスターには事前にアポイントを取っていただかないと会うことは出来ません」


「いや、そのマスターに呼ばれて来たんですけど」


「そのような話は聞いておりません」


「だからさ〜」


「今日のところはお引き取りください」


めんどくせー!!

それぐらい今からマスターに聞いてこいや!!

誰か助けて!!


「あ、ヨヅキさん。もう来てたんですね。こちらへどうぞ」


助け参上!!

ありがとう…、本当にありがとう。


「あぁ、ルーシィさん。助かりました。なかなか通してくれなくて」


「ルーシィ様!!誰なんですかこの怪しい男は?」


受付の娘がルーシィさんに詰め寄る。

にしてもその言い方はひどくないですか?

…俺怪しいかな?

それとカーラ達は機嫌損ねないでね。


「この人はヨヅキさんよ。聞いたことないかしら?<魔剣の主>って二つ名なんだけど」


「………え゛?あのXランクの?」


どんどん顔が青ざめていく受付嬢。

そりゃ、Xランクに怪しいとか言っちゃったら冷や汗もんだろう。

いや、冷や汗どころじゃないか。


「気にしてないから安心してくれ。さぁ、ルーシィさん行こう」


「えぇ。それじゃ受付ちゃんとやるのよ?」


コクコクと頷く。

いくらなんでも驚きすぎだろ。

…まぁ面白かったからいいや。


「ルーシィさん、話って何なん?」


ルーシィさんの顔を見る。

………んー、美人だ。

茶色の髪をポニーテールにして、ふぁさふぁさと揺らしながら歩いている。

黒い瞳は輝いて、白い肌はきめ細かい。

身長は高め、スラッとしたスレンダー美人さんです。

別に小さいわけじゃないよ?

…何がかは察してくれ。


「私にもまだ知らせてくれないんですよ。もう、ヨヅキさんのことなんだから教えてくれてもいいのに」


ルーシィさんは心配性なんだよね。

俺が6歳の頃、このギルドに来たときもルーシィさんとマスター…、もうタイルでいいや。

今まではマスターと言っていたけど本当は名前を呼び捨て。

まぁ友人なんだよ。

ルーシィさんとタイルはいろいろ世話焼いてくれてさ。

そのころからずっとこんな感じなんだよ。

ルーシィさんは姉みたいな存在だから嬉しいんだけどね。


「まぁタイルに聞きゃわかるか。」


「そうじゃな。でも何故か嫌な予感が…」


「エンもか?実は我もだ。なんかめんどくさいことになりそうな気がする…」


「マスターさんの話でマシな話はなかったですもんね」


「不安にさせんなよ…」


そうして一つの部屋の前に着いた。

ここがギルドマスターの部屋だ。

だからといって豪華なわけでなく、普通の部屋で執務机と本棚があるぐらいなんだけどね。


「入るぞー」


言ったと同時に入る俺。

友人と呼べる相手だからこそこんなことが出来るわけだ。

タイルとは仲いいんだぜ?

そして目の前の執務机で書類を片付けている男がタイルだ。

2mはあろうかという巨漢で、金色の髪を短髪にしている。

なかなかかっこいい30歳のおっさんである。

男の説明だし、こんなもんでいいよね?


「おおーよく来たな。待ってたんだぜ。カーラちゃん達もこんにちは」


「うむ。久しぶりだな」


「前会ったのはいつぐらいだったかのう?」


「一ヶ月前じゃありませんでした?」


「…三日前なんですが」


「ぷー、タイル忘れられてやんの」


「うるせぇな。つかお前はもうちょい年上を敬え」


「ムリムリ。ルーシィさんなら分かるけどタイルはムリだって。まぁでも、ギルドマスターの仕事をきっちりこなしてんのは尊敬してるぜ?」


「ホントかー?」


「おう。それに、タイルもこんな感じの方がいいくせに」


「まぁ、そうだな」


ニヤリと二人で笑い合う。

タイルとはいつもこんな感じで、会えば軽口たたき合う。

ホント気の合う友人だよ。


「それでタイル、話とは何なのだ?」


カーラが問い掛ける。

そうだよ、俺は話聞きに来たんだった。

忘れるところだった。


「あぁ、そうだった。実はお前にアストラ学園に入学してもらう事になってな?二週間後に入学式があるから、それまでに準備しておくように」


「………………………………………………………………………………………………は?」


うん?

俺の耳がおかしくなったのか?

今信じられない言葉が聞こえてきたんだけど。


「すまん、タイル。もう一回言ってくれないか?」


「だからお前にアストラ学園に入学してもらうって」


「………タイル、もう一回」


「だからアストラ学園に入学してもらうんだって」


「はいもう一回!!」


「だからお前にはアストラ学園に入学してもらう!!」


「まだまだいけるぞ!!お前なら出来る!!もう一回だ!!」


「くどい!!何度も言わせるな!!」


くっそー…マジかよ…

学園に入学?ホワイ?


「ヨヅキ様は何故学園に通わなければならないのですか?」


ナイスだミリナ!!

俺が一番聞きたかったことだぜ、それ。


「そうじゃのう。ヨヅキの実力なら、今更教わることもないじゃろうに」


うんうん、全くその通り。

普段は自分の実力はひけらかさない方なのだが、面倒なことを回避できるならいくらでもしてやるさ!!


「そうだぜ?タイル。学園で修める程度の知識はあるつもりだけど」


強くなるために知識も増やしたんだ。

今更通う必要もあるとは思えない。


「いやいや、お前はギルドに登録してるんだから行かないとまずいだろう」


「え?何で?」


「………もしかしてお前、忘れたのか?………ハァ」


何だよ、両手広げて溜め息なんかついて。

…殴っていい?

なんかムカつくんですけど。


「ギルドの規則の中に、『学校、もしくは学園を卒業した者でないと登録できない』とあるだろう」


「あ」


「お前は事情があったし、成長したら必ず卒業すると言ったから、登録させてやったんだぞ?」


すっかり忘れてた。

10年前、しかも6歳の時に言ったんだ。

覚えてるわけなくね?

ちなみにタイルとルーシィさんと一部の人は俺が家から追放されたことを知っている。

いきなり小さい子供が、美人さん連れて登録に来れば怪しいに決まってる。

奥の部屋に連れていかれて、事情を聞かれ、話した。

みんな怒ってくれた。

ルーシィさんは抱きしめてくれた。

その時俺は限界に近づいてたんだろうな。

大きな声上げて泣いちまった。

今思い出すと恥ずかしいな…。

ちなみに魔剣との永久契約と、魔剣を救うという目的についてはこの時に話してあります。


はい、ここで疑問が生まれるわけです。

ルーシィさん何歳?、と。

今ルーシィさんは23歳です。

10年前は13歳。

あれ?と思うわけですが、何にも問題はない!!

そう!!あの時は登録していなかったんだから!!

じゃあ、何故あの場にいたかといえば、ルーシィさんのお父さんがギルドで働いていて遊びに来ていたからだ!!

お父さんはSSランクの古参の方なんです。

はい解決ー。



閑話休題



「その顔は忘れてたな?」


「………うん」


「まぁ、いいがな。とにかく行けよ」


「めんどくせーなー」


「そう言うなよ。同年代の友達作るチャンスじゃねぇか」


「あ…」


友達、か…。

同年代の友達は全然いなかったし、いい機会かもしんねぇな。

…なんか楽しみになってきた。


「おら、ニヤニヤしてんじゃねぇよ」


そう言ってタイルは、座っていた椅子から身を乗り出し頭をわしゃわしゃと撫でてくる。

…そういうお前だってニヤニヤしてんじゃねぇかよ。


「それにお前、この10年間、依頼漬けの毎日だったろ?休暇も兼ねて、楽しんで来い」


………くっそ。


「タイルのくせに…」


「そうですよ、ヨヅキさん。ギルドは私たちに任せてください」


「ルーシィさん、ありがとう」


「おい、なんで俺にはお礼がねぇんだよ」


いやぁ、俺は幸せ者だなぁ。

仲間想いの人が周りにいて。

と、俺がそんなことを思っていると、今まで黙っていたカーラ達が喋りだした。


「タイル、その学園は遠いのか?」


「まぁ、隣町だしな」


「その学園は寮制ですか?」


「多分」


「もちろん私たちもついていっていいんじゃろうな?」


「………どうだろ?」


あー…、そういやカーラ達はどうなるんだろ?

出来れば一緒にいたいよなぁ。

つかあんまり遠くへは離れられんし。

隣町ぐらいなら大丈夫だろうけど、学園の課外授業とかあった場合は困るだろう。


「………うん、お前ら明日、学園長に会いに行け。事情話して、一緒に住んでいいことにしてもらえよ」


「それ、大丈夫なのか?」


「やってみんことにはわからんだろ?」


「…じゃあやってみるさ」


「ヨヅキ!!絶対説得させような!!」


「当たり前じゃ。ヨヅキと離れるなど考えられん」


「そうですねー。頑張りましょう!!」


気合い入ってんなー。

まぁ、俺も一緒にいたいし…、頑張りますかね。


「それじゃこれが俺からの紹介状だ。あ、あとこれが学園で欲しいもののリストな。買っておけよ」


「へーい。それと、Xランクってのは隠しておいた方がいいか?」


「そうだな…」


「隠しておいた方がよろしいかと。パニックを起こすのもいいことじゃありませんし」


「わかったよ、ルーシィさん。じゃあ早速明日会いに行ってみるわ」


「おう。一応報告に来いよ」


「了解」


俺はカーラ達を連れて部屋から出る。




「学校かー…」


「楽しそうじゃな、ヨヅキ」


「あぁ、そう見えるか?」


「うむ。楽しみなのか?」


「そりゃあ、ね。楽しみだ」


「ヨヅキ様、友達いっぱい作りましょうね」


「もちろん」



あぁ、本当に楽しみだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ