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アルカナの舞-02◆「龍の姫君」
■恵久美流公国/恵久美流/龍の館/庭園→宗主の間
早朝のすがすがしい空気を胸一杯に吸い込んで、璃奈は思わず笑みを零した。
「・・・う~ん、気持ちがいいわ! なつかしいお庭! おうちに帰ってきたのだわ! シェンドルに出かけるときは、王宮を出られるのでせいせいした気分だったけれど・・・やっぱりここに帰って来られるのはすてきなことね!」
同行の皆のほうに向かって、元気よく話しかける。
「さあ、小父さま、真理査さん、レムリアさん、ラダノワ卿、お父様とお母様の所へいきましょう! ご案内しますわ! きっと、待ちかねていると思うの。何でしたら、(とパチリとウィンクして)リナ専用の“近道”でご案内してもいいですわよ」
言う間もなく、もう駆けだしている・・・向こうの花壇の先で皆に手を振って、
「・・・こちら、こちらですよ!」
そう言いながら、お嬢はまた駆けだしていった。




