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第1話 バック・トゥ・ザ・フューチャーは名作だと思う


俺は昔から、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が好きだった。


特に一作目。

過去に戻って、歴史を変えるやつ。


―マーティーの行動力あってこそなんだよな。


通勤電車の中、スマホで名シーン集を流しながら、

俺はそんなことを考えていた。


朝9時台の京浜東北線はそこまで混んでいないので、席に座ることができる。

周囲を見渡すと同じような年代のサラリーマン、

大学生っぽい女の子などが座っていて

皆同じようにスマホの画面を凝視していた。


――まあ、過去に戻るなんて現実にはないけど。

再びスマホに目線を移し、

そう思ったところで

まぶたが重くなってくる。


昨日は特に激務だった。

会計監査で金額があわず、原因を究明したが理由がわからなかった。

まさか不正?でも、誰が?

少なくとも俺はしていない。

とにかく原因をつきとめないと。

今日会社に着いたら、まずは部長にそのことを伝えなければ。


・・・

・・・

・・・

---


次に目を開けた時、電車はすでに止まっていた。

あぶない、寝過ごしたか?


外をみると、ちょうど会社からの最寄り駅だったため

慌てて電車から飛び降りた。


「あれ?」


見慣れた駅。

でも、どこか違う。

広告が新しい。

案内板のデザインが違う。


まあいいや、昨夜のうちに看板を取り換えたんだろう。

俺は全く気にしていなかった。


とにかく会社に向かわなくては。


時間を確認するため、スマホを開く。

見慣れた画面だ。

だが、圏外?

なんで?


わけがわからない。

スマホが使えないなんてこの東京砂漠、丸腰でダンジョン攻略に向かうようなもんじゃないか。


不安だ、とにかく早く会社に行こう。

そう思ったが、毎日のルーティンは崩したくない。

俺はいつものコンビニで缶コーヒーと新聞を買う。

スマホが使えないから、久しぶりに現金を使った。


コンビニから出て、何気なく新聞の日付を見る。


一瞬、夢かと思った。


日付、1月31日。

あれ?

今日は2月1日のはずだ。

昨日の会計監査は月末に行うものだ。

日付を間違えるはずがない。


だが、もっと驚くべきだったのは――

2031年?????

今は2026年のはずだろ????



・・・頬をつねるなんて、昭和の漫画かよと思ったが、思わずつねってしまった。

痛い。


「……え?」


もう一回つねる。

やっぱり痛い。


「いやいやいや」


頭の中で、さっきまで電車で見ていた映画が再生される。


デロリアン。

雷。

時速88マイル。


「……俺、電車でやった?」


思わず笑ってしまった。

時空転移装置もプルトニウムもないのに?

---


まずは、落ち着こう。


財布を確認する。

中身は、朝と同じ。

さっきコンビニで使った分が減っているが。


コンビニの外側から店内をのぞくと、

【FREE Wi-Fi】の表示があった。


急いで繋いでみる。

――繋がった。


「よし」

問題なく使えた。


考えてみれば当たり前だ。

たった五年。

スマホの仕様が激変するほどじゃない。


通話機能は死んでるけど、

ネットとアプリは普通に動く。


「……現実的だなあ」


妙に納得してしまった。



さて、どうしよう。

このまま会社に行っても、俺は5年前の俺だ。

若くてぴちぴちの5年前の俺が会社に行っても、

周りの人を驚かせてしまうだろう。

っていうか、5年後の俺はどうなっている???

---



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