008 封印
その日、配信予定もなく、視聴者の熱狂も届かない静寂の中。
蘆屋晴明は、薄暗い実家の一室に足を踏み入れていた。
古来より陰陽術の系譜を受け継いできた名門・蘆屋家。
その蔵は、ただの倉庫ではない。
何百年ものあいだ、表に出せぬ記録や、呪具、封印された書物が静かに眠る、まさに“禁忌の保管庫”だ。
「……相変わらず、埃臭いなぁここ」
手にしていた白手袋をぱんぱんと叩きながら、蘆屋は棚の奥に積まれた木箱を一つ一つ確かめていく。
目的は、ただ一つ。
ーー神を掴む術。
もしくは、それに連なる“断片”であった。
いわゆる、霊でも妖でも足りない。神だ……俺が求めるのは、その高み。
神城風磨に助けられたおかげで、すでに霊的な存在は確証している。
慎重に、だが着実に資料を掘り返していく中で、一本の羊皮紙に目が留まる。
古びた封印糊が角に残り、巻かれたままの状態で時を止めていた文書。
おそらく施されているであろう封印の文様は蘆屋家でも“超上級”に分類される結界式。
あれからあらゆるツテを使って少しは陰陽術を学んだおかげでわかる。
これは、触れるだけで呪詛に見舞われる仕様だ。
蘆屋はそれを、理解し、そして呪詛に見舞われることを理解した上で薄く笑ったまま気付かぬうちに素手で破った。
「あれ...?何も、起こらない??」
疑問を浮かべながらに文書を開封する。
そして、その文書の中に──それは記されていた。
『江戸の学区内、長らく廃城跡と信じられていた校舎内に、“神の系統”に属する霊核の封印あり』
それは数百年前に異端の陰陽師によって記された報告書であり、誰にも引き継がれぬまま、ただ静かに、封じられていた記録だった。
蘆屋の目が、怪しく細められる。
「……なるほど。あの廃校跡……いや、“学校”という形を取りながら、実際には封印施設の一種だったというなのか...」
彼の声は、期待と陶酔とが入り混じっていた。
喜びの笑みを浮かべながら、静かに蔵の中央へと戻る。
「神に至る手がかり」は確かにそこにあった。
そして、それを前にして彼が取った選択は──
「こんなの……解くしか、ないじゃあありませんか……!」
彼の声が、蔵の中にひびいた。
それは独り言にしては、あまりに確信めいていて、
そしてどこか、危うい決意に満ちていた。
その直後。蘆屋は手持ちの人脈――表と裏の双方を通じて、ある一つの人物に接触を図った。
その人物とは、問題の“学校”に勤務する一人の教員。
もちろん、ただの教師ではない。
陰陽庁とも一定の関係を持つ、術の素養を持った“協力者”である。
「……手間は取らせません。あくまで“観測”だけで構いません。
ただ、何か異常があれば……それを私にご報告いただければ」
柔らかな口調で依頼の文を送る蘆屋。
そこには報酬の記載も、連絡手段も、詳細な説明すらなかった。だが、それでも相手が動かざるを得ないよう、名前と印だけは丁寧に記されていた。
ーー“蘆屋晴明”
その名は今も、裏の術者の間では絶対的な威力を持つ。
静かに、静かに計画は動き出した。
神に連なる封印。
それを解こうとする者と、気づかぬうちにその渦に巻き込まれる“学生たち”。
そして、既にその学校に通う、霊能者たち。
すべては、重なり始めていた。
ーーーーーーーーーー
「チッ、マジでふざけんなよ……」
ぶつぶつと文句をこぼしながら、男はネクタイを緩め、白いワイシャツの首元を開けていた。
深夜0時過ぎ。
学校という名の施設が、静寂に沈む時刻。
その中を一人、重い足取りで歩く男――彼はその学校の教師であり、校長直々の命令を受け、旧校舎へと向かっていた。
「なんで俺が、こんな時間にこんなクソみてぇな命令受けて動かなきゃなんねぇんだ……。
労基、絶対仕事してねぇだろ。訴えるぞマジで……」
壁に取り付けられた非常灯が、点滅しながら廊下を赤く染める。
旧校舎の奥、すでに誰も使わなくなった教室群。
その先に貼られている“お札”を「破ってこい」というのが、今回の彼の“業務”だった。
「えーと、右端の……三年C組、だっけか?あの校長、ほんとオカルトにでもハマってんのか?まったく……」
眉間にしわを寄せながら、それでも男は足を進めていく。
目指す部屋は、旧校舎のさらに奥、普段は立ち入り禁止とされている特別区域。
そして──
――ゴトン。
鈍く、何かが落ちる音が背後から響いた。
「……ん?」
男が足を止め、振り返る。
廊下の奥には、誰もいない。
ただ古びた窓枠が、夜風に揺れカタカタと鳴っているだけだった。
「ネズミ……か? まったく、ビビらせんなよ……」
言いながら、彼はポケットのスマホを取り出し、ライトを点けた。
白い光が足元を照らし出すが──その足裏に、こびりついた“赤黒い液体”には気づかなかった。
ゆっくりと、それが床へと滴っていく。
男の歩く足跡に沿って、点々と赤が続いていた。
だが、彼自身にはその感触はなかった。
いや、そう“錯覚させられていた”と言うべきかもしれない。
「……よし、ここか」
男が辿り着いたのは、旧校舎最奥の部屋──三年C組。
扉には、古びた和紙のような札が十字に貼られていた。
血のように濃い朱色で、何やら見慣れぬ文字が墨書きされている。
「……これか。こんなの一つで何かがどうにかなるわけ……ねぇだろ」
半ば呆れながら、男は札に手をかけた。
だが、その瞬間──
「うっ……何これ、硬っ……!」
札はまるで金属の板のように張り付いていた。
指先で無理やり引っ掻き、何度も何度も力を加え、それでもなかなか剥がれない。
旧校舎の静寂の中、男の荒い息づかいだけが響いていた。
──五分後。
「へっ……取れたぞ、クソが……!」
力任せにようやく引き剥がした札を、男は無造作に握りつぶす。
「じゃあな、意味不明なオカルト札さんよ」
ビリ、と紙が破けた。
そして、その瞬間だった。
――ドォン!!
爆風のような衝撃音。
壁が、床が、天井が、赤く染まった。
男の立っていた場所から、“赤い霧”が噴き出す。
「……え?」
それが最後の言葉だった。
霧は、ただの霧ではなかった。
怒り、呪詛、狂気、執念、そして神性に近い“何か”が混ざり合った、強大な“封印瘴気”。
それに触れた瞬間、男の姿は──霧の中に、音もなく溶けた。
その後に残されたのは、破れた札の欠片と、赤い靄だけだった。
ーーーーーーーーーー
「はぁ、めんどくせぇ〜」
そんな言葉を口にしながら、いつもの教室の扉を開ける。
ガラガラと音を立てて引き戸を引くと、目の前にはいつもと変わらぬ風景が広がっていた。
初配信からもう六時間が経った。少し仮眠を取っただけで、またこうして学校に来ている自分が少し滑稽に思える。
「なぁ!昨日の“unknown”の配信見たか!?」
教室に入るなり、そんな声が耳に飛び込んできた。
少しだけ笑いそうになる。
僕の配信のせいか、今日は妙に騒がしい。
「あー、unknownってあれだろ?なんか除霊だかなんだかの配信して、一気にチャンネル登録者数10,000人超えてたやつ」
「そうそう!なんかネットではCGだろとか言われてるけど、俺はあれ、マジだったと思うんだよな!」
自分の席に腰を下ろし、頬杖をついて彼らの話を聞く。みんなの熱量は本物だ。でも、その中心にいたはずの僕自身には、正直、そんな熱意はなかった。
あれはただ、自分の仕事をこなしただけ。それをたまたま配信しただけの話であって、誰かの心を震わせたいとか、称賛が欲しいなんて、一ミリも思っていなかった。
ーーそれはそれとしてバズりたいけど。
でもまあ、面白がってくれるならそれでいい。
ただ、僕自身がその「unknown」だと気づかれていないのは、ある種の工夫の賜物だった。
昨晩、掲示板を覗いたらもうバレそうになっていた。神城風磨という名前と僕の存在が結びつきかけていた。
だから急遽、陰陽庁の資料を引っ張り出して、自分の名前と顔に軽い認識阻害の陰術をかけた。
目の前にいても、声を聞いても、僕が「unknown」だとは思わない。ただのクラスメイト。
……それで十分だ。僕はヒーローでもスターでもない。ただの霊能者。目立たずにいられるなら、それが一番いい。
ーーそれでもやっぱり、バズりたいけど。
「ーーでさ!俺も霊術とか陰陽術とか学んでみたいわけよ!だから今日放課後、心霊スポット行こうぜ!」
「バッカ、あの配信がマジだったとしてもよ?心霊スポット行くだけで術が使えるとか、現実なめすぎだろ」
「えぇ〜、でもさぁ……もしかしたら俺にも才能あるかもだし?」
どうやらクラスの男子連中は、あの配信を本気で信じているらしい。CGとかフェイク動画なんて言ってるのは、一部の懐疑派だけのようだ。
ほんの少し非日常を見せただけで、日常がこんなにも騒がしくなる。
……その様子を眺めていると、少しだけ罪悪感に似たものが胸をくすぐった。
僕のせいで、何も知らない人間が無闇に心霊スポットに行ってしまうかもしれない。事故や霊障などに巻き込まれる可能性だってある。
でもそれも、彼らが選ぶことだ。僕は彼らの先生でも、親でもない。ただ、知らないふりをしてここにいるだけのクラスメイト。
術が使えるようになるわけないよ。
心霊スポットに行って、何かが起きたとしても、きっと誰も助けてはくれない。
それが「知られざる世界」ってやつなんだから。
空を仰ぐように天井を見上げた。蛍光灯の光が少しだけ目に染みる。
昨日の夜、あれだけのことがあったのに……この日常は、何一つ変わらずに続いている。
それは、ある意味で救いだ。
ーーけれど、次に何が起こるのか。僕は、それを誰よりも知っていた。
ーーーーーーーーーー
「はぁ……やっと、終わった」
帰宅直後の空気は、肌にべたつくような湿気を含んでいた。
時刻は午前三時を回ったばかり。
僕は玄関の鍵を回し、靴を脱ぎ捨てるように上がり込んで、そのままリビングのソファに崩れ落ちた。
背中が沈むクッションの感触が、やけにリアルに疲労を教えてくれる。
あの“特級執念霊“との対峙。
技の発動、術の管理、霊力のコントロール、そして何より配信という“形式”に縛られながらの戦闘。
心身ともにギリギリの綱渡りだった。
「うーん……やっぱり、配信って面白いけど、めんどくさいんだよねぇ」
独り言のように口にして、深く息を吐く。
戦闘中は一切の感情を殺して動けるのに、こうして終わってからは人間らしい弱音がボロボロと溢れてくる。
ただの疲労ではない。気力を削がれるような、魂の摩耗に近い感覚。
「配信外だったらもっと色んな術、使えたのになぁ……。術式の構築に縛りを入れなきゃいけないし、コンプラだってあるし……なんなら祓い方一つ間違えたら、倫理委員会からガチのお叱り来るんだよ……」
誰に言うでもなく呟いて、ソファの脇に置いてあった鞄を引き寄せた。
中から取り出したのは、一枚の術符。
ごく薄い和紙に、霊墨と神血を用いて描かれた封式文字が刻まれている。
「たまには、こいつでも出して癒されるか……」
──《顕現 八岐大蛇》
呟くと同時に、術符が淡く光を放ち、部屋の空間が微かに歪む。
次の瞬間、僕の掌の上に、一匹の小さな蛇が現れた。
体長わずか十五センチほど。艶やかな白銀の鱗をまとい、八つの頭がくるくるとこちらを見回している。
見た目は可愛らしいペットサイズの蛇。だがその実態は、古代神話にその名を刻む《八岐大蛇》そのもの。
力を制限し、顕現の位相を抑え込んでいるからこそ、このサイズに保たれている。
「お前なぁ、ほんっと可愛いんだけど……やっぱり配信には出せないよなあ」
僕は八つの頭のうち、一番右端のやつを指先で撫でた。
すると、全員がくすぐったそうに首をくねらせながら、僕の指に頭をすり寄せてきた。
完全に懐いている。僕を“主”と認識して、忠誠を誓っている証だ。
「でもさぁ……出したら即BANだよね。っていうか、それ以前に見た人間のSAN値が死ぬんだよ……しかも戦い方、エグすぎるし」
肉体を喰らい、魂を裂き、存在を解体する。
その本性を見せたとき、人間という存在は恐怖ではなく“理解の拒絶”によって精神を壊される。
「残念だよなぁ……せっかく僕の式神の中でも上位を争うくらいには優秀なのに」
八つのつぶらな瞳が、何かを悟るようにこちらを見上げていた。
僕の言葉の意味を、きっと全部理解しているのだろう。
その顔に、微かに寂しげな影が浮かんだ気がした。
「大丈夫、いつか……必要な時が来たら、ちゃんと頼るからさ」
そう呟いて、僕は指先で顕現を解除する印を切った。
八つの頭が名残惜しそうに瞬きをして、静かに霧のように消えていった。
ーーそのときだった。
プルルルルッ……
スマホではない。
部屋の隅に設置された固定電話が、唐突に鳴り出した。
「……は?」
思わず声が漏れる。
このご時世に、固定電話が鳴るなんて珍しい。
僕自身も、ほとんど使っていなかった。
というか、これに連絡してくる奴なんているのか?
その異質な音に反応したのか、先ほど消えたはずのオロチが霧の残滓から再び姿を現し、小さな体でよいしょよいしょと子機をくわえて僕の方に差し出してきた。
「……え、マジで?お前、そういう気遣いできるの?」
驚きながらも、僕は子機を受け取り、もう一度指先で術を施し、オロチの顕現を解除した。
「ありがとう。助かったよ」
再び霧となって消えていくオロチにそう声をかけたあと、耳に子機をあてる。
「ーーはいどうも〜、神城ですよぉ」
気だるさを押し殺すように、軽い調子でそう答えた。
だがその瞬間、受話器の向こうから聞こえたのは、あまりにも重々しい“気配”だった。
誰だよ……こんな時間に、何の用だ?
妙な予感が、背筋をひやりと冷やした。
◇ ◇ ◇
「ーーはいどうも〜、神城ですよぉ」
いつもの軽口を口にしながら、子機を耳にあてた。
この時間にかかってくる電話なんて、ろくでもないことの予感しかしない。
だが、それは予想を遥かに上回っていた。
『単刀直入に言おう。お前の通っている学校、東京都立千尋台高校――旧霊能陰陽学院に封印されていた何かの封印が解除された』
それは、告げる言葉としてはあまりに唐突で、あまりに重すぎた。
「……は? え、どゆこと??」
とっさに漏れたのは、間抜けな声だった。
しかし、それ以上に頭の中が真っ白になっていた。
その声の主を、僕はすぐに理解した。
仙堂剛一――陰陽庁の長官であり、“秘匿国家陰陽大臣”の肩書きを持つ、あの人だ。
五年前、僕が初めて正式に霊災に関与した...妖を殴り殺した際、直接スカウトしてきた張本人でもある。
以来、政府との連携が必要なときには、何度となく連絡を取り合ってきた。
その彼が、「冗談」の一言さえ口にしない人間であることを、僕はよく知っている。
その彼が、「封印が解けた」と言ったのだ。
空気が、重くなる。
いや、違う。肺が勝手に呼吸を止めている。
脳が、感情を処理できずにフリーズしている。
『先ほど、千尋台高校の旧校舎から、大量の“怨念”の放出が確認された。霊的災害レベルは暫定で“3”……だが、それも今だけの話だ。最悪、上限突破もありえる』
「……誰が? 封印、破ったって……一体、誰がそんな真似を……」
『詳細はまだ不明だ。だが監視魔法陣の記録によれば、深夜0時ごろ、校内に立ち入り禁止区域へ侵入した教職員がいた。どうやら、校長の指示の下、旧校舎内の“封札”を剥がしたらしい』
「……あり得ない。あそこ、明らかに“触れちゃいけない領域”って空気出てたじゃん。教員でも分かるレベルの結界だったろ……?」
『分かっていても、人は愚かだ。あるいは、何か外部からの誘導があった可能性もある。異常な行動に出る前後で、通信履歴の“空白”が存在する。おそらく、違和感、畏れの消失などの精神的な干渉を受けていた可能性が高い』
……誰かが、教職員を使って“意図的に封印を解かせた”?
しかも、それを旧霊能陰陽学院、つまり“あの場所”で。
考えただけで背筋に冷たいものが走る。
陰陽庁の管轄外で、しかも僕が毎日通っている学校の“真下”に、そんな危険な封印があったなんて。
いや……思い出す。
確かに、最初から“何かおかしい”とは感じていた。
廊下に流れる霊気の偏り、不可解な結界痕、妙に立ち入り禁止の多い構造、そして妙に礼儀正しい生徒指導の教員たち――
だが、それが“封印施設だったから”だなんて、思いもしなかった。
『神城。今はまだ完全に封印が破られたわけではない。ただ、警戒レベルはすでに“異常”だ。明日以降、学校に行くなら術式装備を強化しておけ。何が起きても自己防衛できるように』
「待って、仙堂さん……! 封印されてたのは何? 正体は?」
『分からん。だが封印文書の断片には“神核に類する霊的中枢”……つまり、“神に至る端緒”とされる存在が記録されていた。いわゆる“境界外存在”だ』
「……神?」
『違う。“神”という形容は、人が名づけるための便宜に過ぎない。
それは神ですらなく、“超えたもの”の一端かもしれん。神話や信仰では語れない、別格の霊性。
その性質すら正体不明で、我々は“封じる”しか術がなかった』
神話外、境界外、超自然の“さらに先”。
僕らが戦ってきたのは、幽霊、怨霊、妖怪、都市伝説――
だが、それは“人の理解”の範疇にあった。
けれど、今、名前も与えられていない“何か”が、蠢いている。
『くれぐれも言っておくが……お前は動くな。今はまだ“霊災”だが、これが“世界災”に変わる可能性がある。
軽挙妄動は、命を落とすどころか、世界の破綻に繋がる。
お前の力は貴重だ。だが今は、動くな』
「…………」
耳元で、仙堂の声がふっと静かになった。
『それだけだ。俺は今から現地へ赴く。
報告義務があるからお前に伝えたまでだ。
それじゃあな、神城』
「ま、待っ――」
ツー、ツー、ツー……。
耳に残ったのは、無機質な通話終了の音だった。
呆然としたまま、子機を見つめる。
どれほどの時間が経ったのか分からない。
気づけば、手は汗で湿り、顕現解除したはずのオロチの鱗粉が、床に微かに残っていた。
……封印が、解かれた。
僕の学校で。
僕の通っている、あの教室の下で。
明日、登校する。
けれどそこは、もう“学校”ではない。
それは、かつて“神に至ろうとした者たち”が、恐怖の末に封じ込めた、“何か”の棲み処だ。
僕はその地に、明日、足を踏み入れる。
ーー知らなければ、平穏な学園生活だったかもしれない。
けれど、もう知ってしまった。
そして、気づいてしまった。
きっとこれは、始まりに過ぎない。
日常という名の皮をかぶった地獄の、最初の一ページにすぎないのだ。
あとがき————————
はいどうも、国語のテストにて無事漢字死亡したtanahiroです。
文章題は全部できた。だが漢字が死んだ。ちょっと漢滅ぼしてきます()
今回はね、後少しで1章終了するよ〜っていうお知らせ会ですね。
もうそろそろ一章、終わります。
一章が終わったら閑話何個か突っ込んで評価次第ではすぐに2章の連載を開始する予定です。
目標的には010で一章終わらせたいので応援して下さいお願いします
さて、どうせなら文字数を稼いで8000文字にしたいという野望も虚しく崩れ去りました。
現在文字数約7,700文字
至らずです
次回からはもっと文字数少なくなるor極端に多くなるのどっちかだと思うので楽しみにしていて下さい!
ではまた〜
星とコメント、いいねやフォローしてくれたらめっちゃ喜びます
こぜひよろしくお願いします