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現代霊能者はバズりたい  作者: tanahiro2010
第一章 神城配信開始

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11/20

010 Bad End

 もう、何度繰り返しただろう。


 気づけば、この一日を数えきれないほど繰り返していた。


 目覚めれば朝で、制服に袖を通し、通学路を歩く。校門をくぐり、教室の前で深呼吸する。


 その瞬間、また“始まり”に引き戻されることもあった。

 靴箱で靴を履き替えた瞬間、一日が強制的に終わることもあった。


 ――だけど、心臓が跳ねるたび、世界が巻き戻る。

 時間が砂のように崩れ落ちる感覚だけが、繰り返しの中で唯一“変化”として残る。


 共通するのはただ一つ、絶対に明日にはならないという現実だけだった。


 この無限の檻の中で、僕だけが唯一昨日を覚えている。

 それは特権であるはずなのに、今はただの呪いだと思えていた。


 じゃあ、なぜ原因を消さないのか。


 答えは簡単だ。


「旧校舎……今度こそ行けるかな」


 封印解除の余波、霊災、ループの歪み。

 その中心が、旧校舎にあることはわかっている。


 何度も、何度も向かおうとした。

 だけどその度に、旧校舎の方へ歩みを進めた瞬間、そこら中に執念霊が生え始める。


 電柱の影、下駄箱の隅、階段の踊り場、教室の扉の向こう。

 にじり寄るように、呻くように、執念霊の気配が濃くなる。


 歩みを止めた瞬間、奴らは霧散する。

 進もうとすればするほど、奴らは無数に増えていく。


 わかっている。

 このループの中で死ねば、そこで全てが終わる可能性がある。

 ——僕も、巻き込まれている僕のクラスメートも。


 だから、下手に動けないのだ。


 舌打ちしたくなる衝動を押し殺す。

 歯を食いしばりながら、靴底が床を叩く音だけが虚しく響く。


 この状況を終わらせる方法は一つだけ。


 原因を破壊すること。


 そのために、旧校舎へ行くしかない。


 でも、旧校舎に近づいた瞬間、特級執念霊が雨のように降るこの状況で、一人で突っ込むのは流石に無謀だ。


 考える。


 やっぱり、僕の正体をばらすべきだろうか。


 僕が“unknown”だということをクラスメートに伝えれば、協力を得られるかもしれない。

 主に執念霊から逃げるという方向で。


 でも、そんなことをしても信じるはずがない。

 一日に1〜3言しかしゃべらない陰キャが“unknown”だなんて、誰が思うだろう。


 それに、信じる信じない以前の問題もある。


 学校くらいは普通でいたい。

 配信は趣味でありたい。

 “神城風磨”でいる時間と、“unknown”でいる時間は、綺麗に分けたいのだ。


 学校で僕のうわさが流れるのは面白いからいい。

 でも、僕だと知られて話しかけられるようになるのはめんどくさい。


 そのめんどくささを考えると、舌が重くなる。


 ——でも、もういいか。


 最悪の場合、霊術で記憶封印を施せばいい。


 現代で霊術による【記憶封印】は禁忌とされている。

 でも、それがどうした。


 この平穏な学校生活のためなら、みんなの記憶くらい犠牲になってもらって構わない。


 そのための力を、僕は持っている。


 教室の前で呼吸を整える。

 胸の奥が熱くなっているのを感じる。


 何度も繰り返したループの中で、この選択だけはまだ試していなかった。


 肩を震わせながら扉に手をかける。


「……よし」


 引き戸を開く音が教室中に響く。


 机に突っ伏していたクラスメートたちが顔を上げる。

 いつもなら無視してくるやつも、今日は僕を見ている。


 足が震えていた。


 でも、口は止まらない。


「みんな、聞いてほしいことがある」


 声が震えた。

 喉が乾いていた。


 でも、ようやく言えた。


「僕が——」


 その瞬間だった。


 空気が裂ける音がした。


 黒い靄のような瘴気が教室中を満たしていく。


 冷気が、突き刺すように肌を打つ。


 クラスメートたちの悲鳴が、鼓膜を裂く。


 見たことのある影が、教室の隅から這い出してくる。


 特級執念霊が十体。


 無数の白い手が机の間から這い出し、クラスメートの足を掴む。

 泣き叫び、喉を引き裂く声で助けを求める声が響く。


 霊の指先が触れた瞬間、クラスメートたちの体が黒く染まり、崩れていく。


 脳裏に焼き付くのは、時々話す程度の友人の引き攣った表情。

 誰かの目が、僕を見たまま動かなくなった。


 笑ってしまいそうになる。


 やっぱりそういうことか。


 このタイミングで出てくるなんて。


 僕が何かを変えようとするその瞬間、決まって奴らは現れる。


 これがこのループの本質か。


 黒い影が近づいてくる。

 血の気のない手が僕の足首を掴む。

 冷たい。

 骨を撫でられるような感覚。


 痛みはない。

 でも、命が削られる感覚だけはわかる。


 ふと、蘆屋晴明の顔が脳裏に浮かぶ。


 あいつも今ごろ、どこかで同じように死んでいるのかもしれない。


 蘆屋、お前もこのループに閉じ込められているんだろう?

 僕は知っているぞ。

 ——お前がこの封印を解いた元凶だということを。


 笑えてくる。


 やっぱり僕たちは、何をやっても今日という“日常”から逃げられない。


 空気が震える。

 僕の視界が赤黒く染まる。


 教室が地獄に変わる光景の中で、最後に見えたのは特級執念霊と――それを従える”妖”の口元の笑みだった。


 喉の奥が熱くなる。

 吐き出したのは血と、息にならない声だった。


ーーーーーーーーーー


「――なんで……ッ! なんで俺がこんなに死ななきゃなんねぇんだよッ!!」


 旧校舎の玄関で、蘆屋は叫び声を上げた。


 声が反響して耳に刺さる。ガラス窓にひびが走る。

 何度目かもわからない絶叫だった。


 神城が何度もループを経験しているように、蘆屋もまた同じ回数だけループを経験していた。


 ただ、違ったのは——蘆屋はずっと、己の無知の中で死に続けていたということだった。


:あー……またこの時間か……

:もうぐろいの視すぎて耐性ついてきた自分が怖い

:痛覚あるって言ってたよな……毎回死ぬ時痛いってどんな地獄よ

:最初は吐いてたのに今「うわぁ」で済むようになってるの草


 蘆屋の配信を見続けている視聴者も、もう何度もこのループを見ていた。


 学校に通学する時間、昼のHR、配信時間。

 この空間に関わる者だけが“死んでも記憶が残る”ことに、視聴者も薄々感づいていた。


 この学校ごと時間が閉じ込められ、配信を通じてだけ“外”に断続的に漏れ出ている。

 その現実を視聴者は半ば察し、ただ見守るしかなかった。


「俺……もう嫌ですよ……」


 蘆屋の肩が小さく震える。

 瞳孔が開ききり、涙と涎で顔が汚れていた。


「なんで俺がこんなに死ななきゃならないんですか……俺はただ、神に連なる封印を解いただけなのに」


 一瞬、配信コメント欄が静止する。


:え?

:今なんて言った?

:神に連なる封印????

:いやお前、それ……やっちまったんじゃ……

:封印されてる神って大体人類の敵っていうか……


「えっ、か、神って……みんないいやつじゃないんですか……?」


:うわ、こいつまじで言ってんの?

:陰陽師の子孫とか言ってなかったか??

:神に善悪とかないぞ、お前ほんとに知識ないんか

:↑蘆屋って正義の味方と敵対してた神の使役ルート辿ってそうな家系なのに知識レベル低すぎるだろw


 蘆屋の表情が無垢な子供のように歪む。


「神って……善良だからこそ神なんじゃないんですか……?」


:お前は江戸時代の人間かwww

:いいか晴明ちゃん、陰陽師の時代における“神”ってのはな、人智を超えた霊的怪異の上位互換みたいなもんなんだよ

:↑しかもだいたい碌なやつじゃない

:むしろ神だからこそ災厄なんだよなぁw


 コメント欄が荒れる。


「う、嘘だ……それじゃ俺は何の封印を解いたんだ……」


 蘆屋の口元が引き攣り、目が虚ろになる。


:ちなみにその封印について詳細知ってるの?


 視聴者の質問が蘆屋の耳に入る。

 蘆屋は涙で濡れた目を見開いたまま、息を吐きながら答える。


「書物にはこう書いてました……『江戸の学区内、長らく廃城跡と信じられていた校舎内に、“神の系統”に属する霊核の封印あり』って……」


:おわった

:マジでやばいやつじゃんwww

:やべえええwww

:オカルト追求してるのに“unknown”の配信見てないの???

:あれ見てたら“霊”って単語だけでヤバいの察するだろよぉ...お前ばかかよぉ...


「えっ、『“神の系統”に属する“霊核”』……霊……?」


 蘆屋自身の口から漏れた単語に、自分で驚愕している。


 ぐらりと体が揺れる。

 虚ろな目が意味を理解した瞬間に恐怖で濁っていく。


:おい、今気づいたのかよwwwwww

:遅いんだよwwwww

:説明書読めってお母さん何度も言ったよな?

:アホすぎて泣ける


「俺じゃあ——」


 その瞬間だった。


 空気が震え、音が消えた。


:あ

:旧校舎、赤くね?

:なんか霧出てない??

:これ前お前が死んだ時に出てた霧じゃね???

:逃げろ、マジで逃げろ!!!


 旧校舎の窓の隙間から、赤黒い怨念霧が噴き出していた。

 封印されていた霊核の影響で霊的汚染が極限に達した時にだけ生まれる“怨念の瘴気”。


 この霧には、“霊”や“妖”を無作為に生み出す効果があった。

 瘴気に触れた物体は媒体となり、一瞬で霊的肉体を持つ亡霊へと変質させられる。


 それを知らない蘆屋は、必死に逃げ惑う。


「やだ、やだ、やだ、やだ、やだ、やだ……」


 ぶつぶつと繰り返しながら、手を血が出るほど噛みちぎる。

 歯が割れ、血の泡が口元に弾ける。


 その姿はあまりにも滑稽で、あまりにも哀れだった。


 霧の中で、何かが蠢く。


 霧から生まれたばかりの“それ”が、ずるりと床を這いながら蘆屋に手を伸ばす。


「いやだ、しにたくない、しにたくない、しにたくない、しにたくない、しにたくない――」


 その声はもはや視聴者にも届かない。


 ドサッという音。

 画面に血飛沫がかかる。


 次の瞬間、カメラが落下したのか視界が床を向く。

 赤黒い霧の中、蘆屋の腕が画面に映る。


 指が小刻みに震え、血と霧にまみれながら動かなくなった。


:あ

:死んだ

:まただよwwwwww

:うわああああああああ

:でも戻るんだろ?

:ほら、また5分後に配信開始直後に戻るぞこれwww


 霧が画面を覆い尽くした瞬間、映像は暗転。


 画面が真っ黒になったまま、何も映らなくなった。


 視聴者は知っていた。


 また戻ることを。

 蘆屋が苦痛と恐怖を抱えたまま、“死んだ瞬間に”配信開始直後へと戻ることを。


 繰り返す。地獄のように。

 そして視聴者はまた、何度目かもわからない”蘆屋の死”を目撃し続けるのだった。


ーーーーーーーーーー


50 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:50:03.45 ID:xKJLd8Fu0

戻ったな、これで何回目だ?10回?20回?


51 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:50:18.20 ID:VYlmr9tx0

霧が赤くなった瞬間また暗転したな、ガチで蘆屋死んでるんだろうなあれ


52 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:50:35.67 ID:zAfBDrwL0

今回なんか蘆屋の泣き方おかしくなかった?ヒィッヒィッ言っててビビったんだが


53 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:50:50.92 ID:M0KcKfCe0

死ぬ瞬間指噛みちぎってたのこわすぎて草生えん


54 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:51:14.23 ID:fhRT7Jkz0

【悲報】蘆屋、封印の中身が霊核だったことすら知らずに解除していた模様


55 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:51:37.28 ID:QoJkR5Y10

あいつバカなのに調子乗って封印解いた結果がこれか

笑えないけど笑える


56 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:51:50.72 ID:IMAfv4Xt0

怨念霧って何なん?なんか赤い霧から手出てたけどあれ


57 :名無しのやべぇやつ@陰陽庁職員 :2025/06/26(木) 07:52:08.77 ID:uOf5Rx3x0

>>56

簡潔に言うと霊核封印が割れて漏れた瘴気

触れると執念霊・妖が無差別生成

蘆屋が学校の旧校舎で封印解いたせいで漏れ始めてる

このままだとエリアごと霊災認定、最悪レベル4行く


58 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:52:23.92 ID:9gqT4brA0

うわガチ解説きた


59 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:52:40.48 ID:CpGyZ6Gb0

霊災レベル4ってどのくらいやばいの?


60 :名無しのやべぇやつ@陰陽庁職員 :2025/06/26(木) 07:52:59.02 ID:uOf5Rx3x0

>>59

レベル3で学校封鎖&陸自霊災部隊出動

レベル4は「地域ごと消すかどうか本省会議レベル」


61 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:53:21.57 ID:YN9pIvJy0

消すって……えぐ


62 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:53:45.17 ID:H7qtVXrI0

霊核ってそもそもなんでそんな危険なの封印されてんの?


63 :名無しのやべぇやつ@陰陽庁職員 :2025/06/26(木) 07:54:03.88 ID:uOf5Rx3x0

>>62

“神”に属する霊的中枢で妖・怨念・呪詛・神性が混在

神って言っても善じゃなく、ほとんどは神格だけもったただの概念災害発生器

自身の意思を持たないから解いた瞬間から周囲に霊的災害を撒き散らし続ける


64 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:54:28.41 ID:tcbnPyyk0

無知って罪なんだなって蘆屋見て思ったわ


65 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:54:48.12 ID:ryYxxs9b0

てかこの状況打開できるやついるの?


66 :名無しのやべぇやつ@陰陽庁職員 :2025/06/26(木) 07:55:09.50 ID:uOf5Rx3x0

いるよ


67 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:55:23.57 ID:3pwixFkO0

マジ?誰だよ


68 :名無しのやべぇやつ@陰陽庁職員 :2025/06/26(木) 07:55:42.89 ID:uOf5Rx3x0

この学校に“unknown”通ってる

お前らがいつも見てるあの“unknown”だ


69 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:55:55.62 ID:OKw12cGs0

ファッ!?!?!?!?!?!?


70 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:56:06.10 ID:koACMGQt0

ガチ???????


71 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:56:19.84 ID:ev91boAp0

あの最強の霊能者unknownが同じ学校にいるってこと?wwwwwwww


72 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:56:31.30 ID:B9f7RtEF0

これ勝っただろ

unknownなら余裕だわ


73 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:56:49.73 ID:j8RfNOZy0

unknown執念霊に苦戦してたからな...大丈夫なのかね?


74 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:57:03.12 ID:Rrt8bF2L0

いやあいつ呪符だけで特級執念霊祓える化け物だから余裕だろ

しかも過去スレ見てたら有識者先輩...おそらく>>68があいつまだ本気出してないとか言ってたし


75 :名無しのやべぇやつ@陰陽庁職員 :2025/06/26(木) 07:57:10.12 ID:uOf5Rx3x0

>>74

あぁそれ言ったの俺だね

あいつこれまでの配信で一回も式神だしたことないもの

出したものといえば草薙剣のみ

フル装備も使ってないしあんなのあいつの本気にも全力にも入らんぞ


76 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:57:33.09 ID:xVXw6b3Q0

まじかよ、あいつあれで本気出してないのかぁ...

てか >>75 のいいようだと草薙剣以上にや倍の持ってそうだけども...そこらへんどうなってんだろ


77 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:57:47.18 ID:GjqKy9Sj0

つーかマジでunknownって誰なんだよ

あの顔出しの配信からガチすぎて身元バレしないのやばすぎだろ

そこまで強い力持ってるなら学校でいきったりしてそうだけども


78 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:58:04.07 ID:qbGcLTpI0

unknownの配信予告来たら全力待機するわ

今日こそ式神公開あったら伝説だな


79 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:58:21.42 ID:KE8sLMqE0

蘆屋が死に戻りしてるのもunknown絡んでる説あるよな


80 :名無しの視聴者@視聴者 :2025/06/26(木) 07:58:39.83 ID:FmVqUJzq0

【次スレ準備】

unknown出撃したら地獄の実況スレになるから用意しとくぞ


81 :名無しのやべぇやつ@陰陽庁職員 :2025/06/26(木) 08:00:10.12 ID:uOf5Rx3x0

盛り上がってるとこ悪いがあいつ配信道具持ってないし配信できないぞ...


ーーーーーーーーーー


【陰陽庁 第二分室・緊急情報共有ログ】


送信者:第三対霊課・課長代理(仙堂)


受信者:全局主要執行官/霊災監視班所属員


件名:緊急案件「蘆屋晴明」関連・学校内霊核封印破損・時間事象異常について


優先度:最優先【赤】


◆本文:


関係各位


本日早朝帯よりYouT...配信プラットフォーム上にて“高精度連続映像”が配信され続けている件について、監視班より速報が上がっております。


概要は以下の通り。


【確認映像】

配信者名:「蘆屋晴明」

内容:霊核封印解除報告/旧校舎封印破損後の異常霊災発生/特級執念霊複数出現

確認技術:特級執念霊顕現/時間事象異常(ループ現象疑惑)

対象霊:霊等級 特級指定(封印逸脱状態)

結果:蘆屋の死亡確認(複数回)、ただし視聴者及び当庁監視端末において時間巻戻し後に再開される現象を確認


※明言しておくが、当該ループ現象は“視聴者および当庁端末も巻き込まれている可能性が高い”。

※録画ログ、記録ノードごと巻戻されているが職員の記憶は保持されており、極めて異常な時間干渉災害の兆候と判断。

※そして、なぜか投稿されたコメントはログが残る模様


【業務連絡録・一部抜粋】


6:12 監視班C「課長、蘆屋の配信……これもう7回目の死亡確認です」

6:13 課長「……録画ファイルが巻き戻ってるな。コメントは保持されてるが」

6:14 監視班B「巻戻るたびに、蘆屋の精神崩壊が進行しているように見えます」

6:15 課長「封印を解いた内容は把握したか?」

6:16 監視班A「旧校舎内の“神の系統”に属する霊核封印との発言あり」

6:17 庁内沈黙(約9秒)

6:17 課長「おい……それ、区域ごと霊災特級指定案件だぞ」

6:18 監視班B「ええ、特級執念霊が出現する度、蘆屋が泣き叫びながら死んでます」

6:19 課長「……笑うなよ」

6:19 監視班C「笑えませんよ、課長」


◆補足:


現時点で以下の懸念が存在。


・封印逸脱による“怨念霧”が旧校舎外へ漏出を開始

・霧の中で特級執念霊および高等怨霊発生の兆候

・時間巻戻し現象は当庁含む視聴者全域に及んでいる可能性

・蘆屋晴明の精神的限界が近く、次回以降の行動で区域崩壊リスク増大


更に重大な事実として:


監視中の配信映像内で蘆屋が「神に属する封印を解いた」と発言している件により、対象霊核が「境界外存在の端緒」である可能性が浮上。

この場合、通常の除霊措置・封印再設置では対応不能である可能性が高い。


◆対応:


1)本件は霊災レベル3緊急予備段階に移行、速やかに外部封鎖検討。

2)ループ現象による視聴記録保持のため、記録班は映像ログおよび記憶保管ファイルを即時更新・多重バックアップを継続。

3)蘆屋晴明本人の保護は現時点で不可能。安全区域確保時に保護試行。

4)区域霊災封鎖が困難な場合、霊核の破壊(もしくは安定化)手段の模索を開始。


【特記事項】


なお、本件区域(千尋台高校)には“特異体質個体No.17-A(神城風磨)”が通学中であることを付記する。

彼は当庁の監視下にある陰陽術・霊術併用適正者であり、状況打破の可能性が唯一存在する。


ただし現時点で風磨本人は学校生活の維持を優先している模様。

状況によっては自主的な対応がなされる可能性があるが、庁としての強制指示は行わない方針。


◆禁止事項:

・蘆屋晴明の精神不安定発言の庁内掲示板転載・ミーム化

・本件を理由とした神城風磨への過度な接触・取材申請

・庁内Slack等での「ループネタ」「今回何回目?ネタ」


以上、当面の間は極秘扱いとし、外部への公式コメントは一切行わない。

本件の経過は監視班より逐次報告するため、当面の間緊急対応態勢を維持のこと。


陰陽大臣 第三対霊課 仙堂 剛一(印)


あとがき————————


まさか8000文字を超えるとは...

本当だったら次回いれるはずの業務連絡をいれたらまさかの8000文字超えました

唖然としてますtanahiroです


さて、次回エピローグをいれて第一章終了です

第二章はループを抜け出すために試行錯誤する回になります

どうやったらループから抜け出せるか、それは僕が友人と話してるときに決まりました

ありがてぇ

みなさん、ぜひともコメントに「友人君ありがとう」ってコメントしてやってください


星とコメント、いいねやフォローしてくれたらめっちゃ喜びます

こぜひよろしくお願いします


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