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僕ノ色  作者: 朱莱[しゅら]
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望むコト

自殺願望がある主人公。

苦手な方はご遠慮ください。

「・・・・・・」


もう何度寝返りをうっただろう。


何度深い眠りに落ちただろう。


それでも、消えることのない、命。



もう何日も、食べてない。

学校も行ってない。

枕の傍に置いた水が、日に日に減っていく。


両親は・・・、数週間前に、出張で海外へ行っている。

兄弟は、もうすでに大人で同居していない。

友達なんか、最初からいなかった。


ベッドから机を見上げる。

はみだした、古そうな通知表―・・・。オール5・・・兄貴のだ。

本棚には、小難しそうな分厚い本。

これは姉のもの。


「・・・ハァ」


声が酷く掠れていて驚く。

ため息が弱々しい。


比べられてきた・・・子供の時から。

何度も嫌だって思った―でも、逆らうことができない。

逃げ出す勇気は出ない。


これでも成績はいい方だ。

でも、上には敵わなくて。

下にも1人、妹が居た。妹も、凄まじく頭がいい。

大人になったら、きっと上の兄弟も凌ぐくらいになると思うから・・・問題外。


こんな現実を生きるくらいなら、死にたくて。

妹の学校は寮制だから―家にはいなくて。


クラスのヤツらは・・・どう思ってるんだろう。


RRRRRRRRRRRRR......


今日何度目かの電話のコール。

無断で休み始めて、日がたつにつれ間隔が長くなっていく。

多分、明後日にはかかってこなくなるだろう。


ぐぅ....


腹が音を立てる。

死ねるとしたら、いつだろう―・・・。


ル・・・。電話のコールが止んだ。

ベッドは、長く寝ていたせいでしわがあちこちに寄っている。


早く―・・・逝ってしまえばいい。

本気で思ってしまう。

小さい頃は、こんなこと思わなかったのに。


床に落ちていた97点のプリント。

学年では最高点だったけれど―・・・妙にイラついて、弱々しく投げ捨てた。

手に力はあまり入らなくなっていた。


水を少しだけ飲んだ。

コップが空になる―。



―・・・・

「スゥ・・・」


また深い眠りに落ちていった。

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