第二章 不吉な予感
私は、いつまでも変わらない日常だと思っていた。そうであってほしかった。
でも...変わってしまった。 あの日の夢をみた日から...
朝6時24分 いつもと同じように私、上白二奈は目を覚ました。カーテンを空けると不思議な天気だった。目が離せなくなるような世界に私は釘付けになった。灰色の雲に覆われた空に対して空気は爽やかで晴天の時と変わらないような明るさ。雨も降ったのだろう。まだ色々なところに居る水滴は、宝石のように輝いている。
5分くらい外を眺めたあと、目覚ましが鳴った。このまま鳴らなかったら私はずっと起きなかっただろう。
この人生で始めて目覚まし時計に感謝した。
下に降りると父が朝ごはんを作っていた。
いいにおいが私の鼻めがけ飛んできた。
「お父さん、おはよう。」
「あぁおはよう」
あぁ...今日が始まった...
二奈が外に出ると、優しくて静かな雨が降り始めた。私の頬に水がたれてきたので舐めてみた。しょっぱかった。
「...ボン!」
「わっ!」
学校に向かう途中、親友の赤理が私の横に飛び出してきた。結衣夏もいる。
「もぉ~、驚かさないでよぉ~。」
まだ心臓がバクバクしている。
「エヘヘヘ...」
「あと、なによ。その驚かせ方~。」
私は普通『ばぁ』とかじゃないの?と笑いながら言った。
「んー、結衣夏考案ー」
「ちょっと!違うよ!」
相変わらず赤理と結衣夏は変わらないなぁ~
今日は風が気持ちよく、いつまでも今と同じように続いてほしいと思った。
まだ心臓はバクバクしている。
校門が見えた。その瞬間私と赤理、結衣夏が走り出す。皆、前を向いて次へと。
「よっしゃー、いっちぃ~」
一番最初についたのは赤理だ。その次に私、結衣夏と続いた。
「赤理ぃ~、フライングしたでしょ~。」
「私からすれば二人ともフライングだった!」
結衣夏がはぁはぁと息をしながら私たちに訴えた。
「えぇ~、なになに~、結衣夏ちゃん。言い訳~?」
赤理が結衣夏の顔をにやにやしながら覗きこんだ。
「ち、ちがうし!」
結衣夏は顔を赤らめてそういいはなった。
「二人とも、早く行こっ!」
私は二人にそう言って駆け出した。走ると顔に当たる風が暖かくて気持ちよかった。
二奈が走っているとき、桜の花びらが目の前を舞った。
赤理がそれを見てきづいた。
「あ!職員室の横の桜、開花してるじゃん!まだ、開花時期じゃないってニュースで言ってたのに~!」
三人は一度止まって、桜の方に歩いた。
「キレイだね、桜。」
結衣夏が桜を見ながら言った。その姿は写真集にあるかのような画だった。
『うん、そうだね』
私と赤理がきれいにハモった。
「あははは! ハモったー!」
「ねっ!」
桜の周りだけ、とても眩しく光っていた。
三人は教室に着いて、馬鹿話を少しして席についた。あぁ、こんな日々がずっと続くといいのに...
授業を始めてが一時間が経った。
「何あれ!」
先生が教室を出ようとした瞬間、声が鳴り響いた。
声をだした子の方を向くと外を指差している。私は指の先をたどった。すると、ふと思った。
「まだバクバクしてる...」
二奈の心臓はまだバクバクしていた。
「...え?」
皆は外の夢のような画を見て写真を撮ったり、話したりしている。流れ星だ...とても大きな...
私は赤理と結衣夏と集まろうとした。二人もそう思ったのかこっちに来た。
...その瞬間、スマホの地震速報のアラートが教室の中で鳴り響いた...
今回は女子目線で書きました。登場人物の説明はすぐ投稿します。
何か気になることや文章について言いたいことがあるかたは是非感想と一緒に送ってください。
次章からはもう少し投稿する間隔が開くかもしれません。