控えめな夏
喉越しを通る夏の思い出
「もしもだよ・・」
あなたのそのあとの言葉が
何となく分かってしまったから
しばらくのあいだ
目をつぶって
考え事をしてるフリをした
県外ナンバーが目立つ国道
まだ夏の香りを乗せて走らせる
ゆっくり走っているように見えるのは
この街での夏を
名残惜しそうに見送っているよう
「久しぶりだね・・」
突然の再会だったのに
懐かしさが少しだったのは
あなたがわたしを思うよりも
わたしがあなたを思うほうが
強かったから
たぶん
2週間前の再会
海に来て
久しぶりに何を語ろう
準備もできていないまま
ソーダ水を飲み干した
もう少しだけ夏よ、そのままで
あなたと私が好きでいた、この季節
ホントのところ、遅いくらいだけど
いまがちょうどいいタイミングと
ふたりがそう思えばいいよね