本当の願い
なんであの時話せなかったのだろう、なんであの時気付けなかったのだろう、なんであの時離れなかったのだろう、そんな後悔ばかりが背中に募っていく
「もう俺と別れて」
その言葉が今も心に残る、自分が悪いんだ
今までが普通だったから友人とその関わりを続けていた
それが彼氏を蝕んで蝕んで…壊れてしまったんだ
幸せも彼氏も壊したのは自分…だけど、それでも大好きなのだ、ずっと大好きなんだ……もう一度話せるならもっと謝りたい、もう一度だけ……その体に触れたい……
叶うはずも無い願いと一生心に残る後悔を背負い生きていた……
「…こんなんよりもっと辛い思いさせてしまってたんだよな」
どれだけ新しいパートナーが現れてもどれだけ完璧な人が現れても意味が無い……あの人に…あの人が隣に居ない人生なんて意味が無いのだ
……もう一度だけ、俺のそばにいてくれませんか、俺と一緒に…綺麗な景色を見てくれませんか
「大好きです」
その言葉だけでも…もう一度伝えたい、伝えられない
いっそ、死んでしまいたい、もう叶わぬ願いならば
こんな世界から消えてしまっても後悔などないんだ
あんな思いをさせてしまうならば、こんな思いをしてしまうならば…もっと早く消えておくべきだった
……死ぬ前にもう一度、抱きしめられて死にたかった
【⚫⚫県⚫⚫市にある家の中で16歳男性首を括った遺体が見つかりました、遺書も発見されており自殺とみて…】
[来世で会えたら、今度は辛い思いをさせない人生に…]