何となくみんなが生暖かい気がする
今日は2話投稿しました。引き続き読んで下さりありがとうございます。
「え!まだ告白してないの?」
「しー!インディ!聞こえるじゃないの!」
ここはカイリ達のいる教室。まだ授業が始まってない新学期の朝である。
「もう絶対付き合ってると思った…」
「やだインディ付き合うって。」
いやでも、考えた。考えたのよ私も!あの年末の2人だけの夜、クッキー食べながら告白するのもアリかなーと。
でもね、そういう雰囲気じゃ無かったのよね。どちらも結構重たい話したし、その後好きですって言うのもなぁと。
「ふっ…まだその時じゃないのよ。」
「何様なのよ、カイリちゃんさぁ。」
「へへへ。」
「インディは冬休みどうだったの?」
と、話は尽きないが担任のバルフォン先生が教室のドアをゆっくり開けて入ってきた。
ピンクの髪の毛が眩しい。
ふわふわしたピンクを見てると不意に先生と目が合った。
「カイリ君、この後少し来てくれ。」
「はいっ。」
そうしてホームルームが終わり出ていく先生の元へと向かった。
先生は教室出てすぐのところで待っていた。
教室の中は今もガヤガヤと冬休みについてみんな話に花を咲かせている。
「やぁカイリ君。冬休みはどうだった?」
「はい。お陰様で寮で暖かく過ごせました。」
「それは良かった。そうそう、今学期からまた生徒会に来ないかと殿下から要請が来てるんだが。」
「そうですか!勿論続けさせて欲しいです。」
うんと頷くと壁に半分もたれていた体を動かしてカイリを見る。
「ではその様に通達しておくよ。多分明日には来て欲しいとか言われると思うが予定は大丈夫かな。」
「明日は大丈夫です。」
ではまた今日の放課後にでも正式に伝えるよとカイリを見ると片手を上げて去っていった。
「うしっ!」頑張ろー!お金!欲しい!
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「今日からまたよろしくお願いします。」
「やぁカイリ君。また来てくれてありがたいです。今年もよろしくお願いします。」
そうしてキラっとメガネを光らせるシエン様。
「カイリ、またよろしくね」と双子のルネ様とその後ろにアーク様も居る。
「やぁカイリちゃん!今日も可愛いね、やっぱりむさ苦しい場所には華が無いと!」と言うのはミロル様。とっても嬉しそうだけど後ろでシエン様が睨んでるよ…
「カイリ、ありがとう」と言うのはこの国カイエン王国の第2王子、今や次の王太子として噂を聞かない日が無い程だ。真ん中奥に堂々と座る姿は誰もが傅くほど威厳がありそして美しい。
「カイリ殿、その後何も問題は無いであろうか?」と心配そうに聞くのはレオナルド殿下の護衛でもあるプラム様。若干縮こまってはいるがとても大きい。
「はい。平穏に冬休みを過ごせました。」
「改めて、これからも頑張りますので、よろしくお願い致します」と声をはりあげ、深く例をした。
コンコンコン
その時ノックの音が聞こえた。
「殿下、ルーク様がお着きのようです。」
(え、ルーク君!?)
「入りたまえ。」
失礼しますと入ってきたのは私の大好きな赤茶色の髪の毛をしたルーク君。ふわふわの髪が伸びて今では黒のリボンで縛っている。前髪の真ん中が少し空いていて薄茶色の綺麗な目がキラリと光る、というかルーク君が光っている。私にとって。
「バルフォン先生に聞いたか。」
「はい。慎んでお受けいたします。」
そういうと殿下の前で片膝をついた。
(何を受けるのかしら。補佐だったりして)
「補佐じゃないよ…」と後ろからボソッとルネ様が言う。
「この度ルークはフォーゴ家を抜けた。平民になった元貴族というのは珍しい。」
ルーク君にソファに座るよう促しながら私もルネ様に肩をぽんと押されてソファへと移動する。
みんなが座ったところで殿下が話を続けた。
「そして、だ。今私は王太子となって去年よりもやる事が膨大に増えた。」
みんなも、うんうんと頷いている。ここにいるみんなは将来側近か殿下を支えていく立場の方たちだ。みんなも忙しいのだろう。
「だからといって新しい配下を直ぐに手元に置くかと言うとそれは無い。」
「危ないからねぇ」とミロルが首を切るジェスチャー付きで頷く。
「私は平民も貴族も尊いものだと思っている。貴族の内部は嫌という程分かる。だが平民となるとその限りではない。だから君には平民の生の声を貴族目線で見て聞いて私に教えて欲しい。どれくらい私達の間に差があるのか、を。」
なるほど、と私もうんうんと頷く。これはルーク君にしか出来ない。
「は。誠心誠意努めさせていただきます。」
ソファに座ったまま深く例をするルーク君に「そんな気負わなくても大丈夫ですよ」とシエン様が紅茶トレイを持ってやってきた。
「そうそう、まだまだ俺たち若いからね〜学園生活も楽しまないと!」両手をワキワキさせて高揚してるミロル様、ちょっと怖い。
「もー、ミロル、紅茶冷めちゃうよ。」
確かに一瞬寒かった。シエン様…
「行く行くはカイリにも携わって欲しい、と考えている。」
レオナルド殿下の話にギョッとなる。
「が、あんなことがあったばかりだ。まずは補佐としてしっかり邁進して欲しい。」
こんなに誰かに期待されたのはいつぶりだろうか。しかも私の能力を認めてくれて信じてくれて…
(私、ここへ来てよかった…!)
私は高鳴る胸を抑え込むように両手を胸元に持っていき、大きく深呼吸をした。
「はいっ。よろしくお願いします!」
カイリの薄い水色の瞳に涙が膜を貼り、窓からの夕日に反射してそれはとても幻想的で綺麗だった。
生徒会室のみんなは一瞬言葉も忘れて彼女をただ見ていた。




