ルークside
少し短いですが、ルークsideになります。
《ルークside》
図書室から寮へと帰る所でふと思い出した。
今日は確かカイリは向こうでバイトか。
カイリが生徒会役員の補佐として働いていると知って少しだけ安心した。あそこには第2王子が居る。下手なことは起きないだろう。
もしかするとそろそろこっちに帰ってくるかもな。あわよくば会えるな?などと思っていた時だ。
男共のただならぬ声が貴族棟から聞こえてきた。
何も考えなかった。
気が付くと先に身体が動いていた。
重たい鞄を放り投げ一目散に駆け寄った先に薄い水色の髪の毛が地面近くに見えた。
「っ何してる!」
カイリ!
火魔法を出さなかっただけでも褒めて欲しいほどその時の俺はどうかしていた。
一瞬の内に頭の中がグツグツと燃え盛り、爆発しそうになった。
慌てて逃げていった2人をギリッと睨むと未だ動こうとしないカイリを思い出した。
「やっぱり…カイリ、大丈夫か?」
やはり薄い水色の髪の毛はカイリだった。肝が冷えた。とりあえず意識があることにホッとした。馬鹿な貴族が変な魔法でも放っていたらと思うとまた怒りが湧き上がる。
まぁ、魔法は授業中以外使用禁止、練習するのにも申請が必要だ。そこまで馬鹿じゃないか。
ちっ…
カイリをこんな目に合わせるだなんて…許さない
カイリはまだ青白い顔をして遠くを見てるから不安になった。
おい、カイリ…
震える手で真っ白なカイリの頬を触る。
すると水色の瞳からポロポロと涙を流した。
「あ」
「どうして…平気なはずなのに…」
こんな目にあって平気な訳あるか。
「っ、そんな訳あるか。」
気付くと俺の腕の中にすっぽりとカイリが収まっていた。
いつも明るいカイリからは想像もつかない程小さくて壊れそうな様に堪らずギュッと抱きしめた。
許さない…アイツら…
暫くするとカイリの頬にも血の気が戻ってきた。
ふと視線を下にすると小さい手に擦り傷、酷いところは血がかなり出ていた。
「手が…」
そう言うと忘れていたと困った様に両手を見ている。
こうしている場合では無い。
俺はカイリをそっと抱き起こしハンカチで少し手を綺麗にするとそっと手を繋いだ。少しビクッとされたが構わない。手を離す気にはならない。
そうしないと何処か消えてなくなりそうな程、今のカイリは危うく見えた。
2人でゆっくり保健室へと向かう。
ぐるぐるさっきの貴族共の顔を思い浮かべていると、隣でふふふと笑い声が聞こえた。
何かとカイリを見ると以前も俺が保健室に女子を連れていったことを思い出したらしい。
確かに。こう頻繁にあるものなのか。
でも、少しでも気が紛れるのなら構わない。
緊張が緩んだカイリを見てやっと俺も緊張を解いた。
あぁそうだ。
後で俺の鞄、取りに行かないとな…




