2/36
けさのはなし
水面を見上げるような、朧げの意識の中思う。
がんばるんだろう?
意識の途絶える直前までの決心は何処へ行ったのか。
嗚呼、寒い眠っていたい。
確かな温もりのある床を這い出て、また傷付くのか。
もう嫌だ、と毎朝口を垂れる自分が憎かった。
これ故に今朝は少しの努力をした。
1時間の早起きだ、自己ベストを更新したではないか。
朝風呂へ向かった、これも自己ベストを更新した。
電話の返答も、着替えも出勤の準備も。
その足で神社へ向かった。
道中小学生の隊列に会った、不快でなかった。
曇り空だったが、不思議と嫌悪感はなかった。
鳥居を潜る前に一礼した。
足取りに迷いはなかったし、何を言おうか既に考えていた。
お賽銭を狛犬に。1円だけれど。
そして、お賽銭箱に銅貨を入れる。
感謝と、これから努力する項目を述べる。
数分だろうか、合掌を解いて踵を返す。
鳥居を出て一礼、会社へ向かうべく歩き出す。
小粒な水滴が降る。傘を刺すほどではなかった。
さて、今日を頑張ろう。