第二幕 白川大空
「おりゃぁぁ!!」
「はぁっ!」
僕と町野さんは道を塞いでいる魔獣を駆除した。
数は三体と少なかったが、やはり非常に強力だった。
「早く魔王のところへ向かおう!」
町野さんは走り始めた。僕も町野さんを追うように走り始めた。
ナヤくんは今、炎の魔王と戦っている最中だろう。
―――2分後
「あれが……炎の魔王……」
「やるしかないよ。稲原くん、戦えるよね?」
「は、はい……あ、ナヤくん!」
ナヤくんが炎の魔王と戦っている。そこで僕はおかしな点に気づいた。
「ナヤくん……武器は?!」
ナヤくんが素手で魔王と戦っていたのだ。一体ナヤくんは何者なのだろう。
「はぁぁぁああ!!」
町野さんが槍を構え、炎の魔王に近づいていく。
「フン、あいつらにはこいつらを止められなかったか。仕方ない。この俺が相手しよう。」
炎の魔王は町野さんに攻撃をした。
「町野さん!!」
町野さんは炎の魔王に攻撃を与えられずに地面に倒れ込んだ。
「ッ!!」
炎の魔王にできた隙を、ナヤくんは見逃さなかった。ナヤくんが与えた攻撃は炎の魔王に効いている。
「お前、案外やるもんだな。なかなか長引いたが俺がすぐに終わらせてやろう。」
炎の魔王が右手に何かを溜めている。
「せやぁぁ!」
僕は炎の魔王の右手へと鎌を投げた。
しかし、その攻撃は全く効かなかった。
「馬鹿なことをするな、稲原」
ナヤくんに怒られた。
「稲原、逃げろ。」
「え?」
ナヤくんに逃げろと言われたのも束の間、炎の魔王が技を繰り出した。
「―――万虚炎烈」
炎の魔王は右手を地面に叩きつけた。
音が消えた。目の前は真っ白に染まった。
僕は倒れ込んだ。意識が朦朧としている。
「……」
ナヤくんは黙り込んだ。
炎の魔王はナヤくんを見て少し驚いた顔をした。
「お前は一体何者なんだ。どうして俺の技を受けたのに立っている。」
「……」
「……」
炎の魔王は時空を切り裂いた。
辺りに散らばっていた魔獣らが、時空の裂け目に近づいた。
炎の魔王は時空の裂け目に触れ、消えた。
それに続き、魔獣らも裂け目に触れて消えた。
「逃げたか。」
ナヤくんはエンデルの拠点に向かって歩き始めた。
僕と町野さんはエンデルの者の肩を貸してもらい、拠点へと向かった。
―――5日後
「九王が相手だったってのに、よく生きてたねぇ博斗くんは。」
彼は僕と同じくらいの時期にエンデルに所属した白川大空くん。歳も大体同じくらい。
「でも攻撃は一回もできなかったけどね……」
「しょうがないでしょ。まぁまぁこれからちゃんと訓練すれば戦えるようにはなるでしょうねぇ。」
「対九王用の訓練みたいなのってあるのかな?」
「あるっしょ。でも僕たちにはまだ早いんじゃないかなぁ。魔獣と戦うのですら辛いしねぇ。」
「僕は魔獣なら問題なく戦えるよ!問題は体力……」
「そっからかぁ博斗くんは。まぁ色々と頑張ろうねぇ。」
「えへへ…」
白川くんは向こうに歩いていった。
訓練、ね……
―――更に2日後
「稲原くん!」
町野さんだ。全然会ってなかったけど大丈夫だったのだろうか。
「町野さん!傷とか大丈夫ですか?」
「なんとか治ったよ!でもここ数日、訓練に参加してないから戦えそうにはないかな……」
「そうなんですね……ところで、あのひ……」
「2km先に魔獣の反応を察知しました!」
魔獣か……?くっ、早く向かおう。
僕はすぐに走り始めた。
「稲原くん!頑張ってね!」
2km先ならちょっと走れば着くはずだ。今回の魔獣はどんな奴らだろう。もしかして……炎か?
「やぁやぁ博斗くん。魔獣と戦いに行くんだよねぇ?武器、忘れてるよ」
そう言って白川くんは、僕が愛用している銃を持ってきてくれた。
「ありがとう白川くん!白川くんも行くよね?」
「当然だよ。さっさと片付けちゃわないとねぇ。」
白川くんと一緒に魔獣と戦うのは久しぶりだ。白川くんが持っている武器は……剣か。
僕たちは必死になって走った。




