どこまでも広がる緑色の空
私達は海水浴にやって来た。
どこまでも広がる緑色の空、透き通るような紫色の海、キメの細かい砂粒が敷き詰められた赤黒い砂浜。どれもが美しい自然で、照りつける太陽は青々と輝いていた。
「まずは自分たちの場所を確保しよう。パラソルを刺すのだ」そう言ったのは一緒に来た人だった。「すぐに泳ぎたいよー」と言うのは一緒に来た人だった。私は「じゃあ速くパラソルを刺して速く泳ぎに行こう」などという何の案でもない事を言ったが、二人は笑顔で同意し、そのようにした。
海はぬるくもなく冷たくもないという丁度いい温度で、三人はビニールボールやシュノーケルや浮き輪などで海を楽しんでいた。
海中に潜ると様々な魚類が遊泳していた。手の中に捕まえる事など決してないのだが、それを追いかけるのが楽しかったし、海上に出たときに髪から流れる紫色の海水が心地よかった。
少し深い所に足をやるとひときわ冷たい海水が流れていて「ここ冷たいよ」と言いながら三人で笑った。
ひととおり遊んだので、三人は浮き輪に座り真緑の空を見上げていた。どこまでも透き通っているような空、私は「空を見てるというより宇宙を見てるみたいだ」と心で思った事を口に出していた。二人はその言葉に大笑いした。とても恥ずかしかったが大笑いする二人を見て私も笑った。
赤黒い砂浜に戻り、水分を沢山とって、軽く食事をした。そしてもう一度海へと向かった。
青い太陽が傾いた。まだまだ遊び足りなかったがもうそろそろ帰らなくてはならない。私達は夕方になる前に海水浴場を後にした。
帰り道、一人が凄い日焼けをしている事に気がついた。水色の肌が焼けて鮮やかな蒼色になっていたのだ。「日焼け止めを塗らないからそうなる」と、余り焼けていない水色の肌の人が言った。だがそう言われた方は鮮やかに蒼くなった肌を見せて「海に行ったのだから焼けたいものなのだ」と言って笑った。
私は銀色。光を跳ね返す。