能力と顔と
ブラック企業の元社員が冒険者になりました。
ファンタジー冒険者ものです。
ワインの空き瓶とヤカン装備の映像が浮かんで、それだけで書き始めました。それ以外は何も考えていません。ですのでノンビリ更新です。
誤字脱字はノリで読んでください。
ノークレームでお願いします。
とくに疲れていなかったが、休憩とクロノに言われ目の前には旨そうな松花堂弁当。実際にめちゃくちゃ旨い。
有り難くいただく。
会社じゃウィダーなゼリーが座って飲めたらマシな状況で食事もおにぎり一個を移動中に立ち食いとかしたなあ。
会社の倒産が判明した後に自宅で食った弁当屋の温かい弁当の旨さに全俺が泣いた。
今は泣きはしないが、しみじみ旨い。
ここに居ると時間の感覚がないんだが、草原から今までどんくらい経過してるのか・・。
部屋(仮)には時計が3つあるが、ぐるぐる針が回り続けるものと全く動かないもの、動いてんのか?と思うほどゆっくりなものだから参考にならない。
一応クロノはゆっくりな時計で一時間したら来ると言って席を外した。
弁当を食い終わればやることはない。
部屋には出入り口や窓がないから外にでたり外を見る事も出来ない。
暇だ。
クロノが来るまで50分もある。
そういや戻るまでに希望スペックとか考えてみてと言われていた。
筆記用具も置いてある。
今の俺は小鳥遊弘毅という名だが、名前も考えるべきなのか?
年齢は31だが、若くなれるなら若い方が動きやすいだろうか?
疑問点を上げていく。
異世界の成人年齢はいくつか?そこから考えて何歳がベストか?
チュートリアルでスライムが出てきたし、魔大陸などの話から剣と魔法の世界なんだろう。
どのくらいの力・能力を付与してくれるのか?一人で生きるなら、どんな能力を選んだら生きやすいか?
あと重要なのか容姿だ。
今の自分は女顔らしく宝○男役にいそうな顔だと言われていた。学生時代はメイク映えすると何度もメイクや女装させられる羽目に陥っていた。性別不明顔とも言われたな。
決して自分の顔が嫌いな訳ではないが、容姿を選べるならもう少し男っぽい顔になりたい。
自分はどんな状態で異世界に送られるのか。そこも不安だ。
あとは金銭的なもの。1文無しはイヤだ。
などとつらつら考えていたら一時間が過ぎたのだろう。クロノが居た。
『お待たせ~いろいろ書いてるね。それじゃ書いてくれたヤツに答えてくね。
名前は好きにしていいよ。こちらに多いのはお兄さんの世界のイギリスやドイツ、フランス、イタリアあたりな感じの名前が多いかな。だからって弘毅の名前のままでも問題はないよ。ヒロキ・タカナシな感じになるけど。あと名字は貴族階級や国に認められた大手商会くらいしか名字持ってないね~。平面だと騎士になって業績を認められたとか、なんらかの褒賞で貰う感じだね。名字あれば貴族って思って問題ないよ。』
クロノは俺の目の前、机に腹這いになりメモを覗きこんで話す。
なんというか子供っぽくて可愛いな。
『年齢は若返ったほうが体力も楽だよね。16歳で成人だから、これから経験値つむこと考えたら18歳位がベストかな?
お兄さんにはそこそこ楽に暮らして欲しいから主神様が加護を与えてツーカーな仲の賢者に孫として預け入れするつもりなんでぇ~。
チュートリアル終わったらその人来るからね~』
メモに18歳ぴちぴちと赤ペンで書き入れるクロノ。
賢者孫で魔力∞とクロノが追記した。
「おいクロノ様、魔力有りすぎて、国に目を付けられて働かされるとか嫌だぞ。」
『クロノでい~よ~。無理矢理連れてきたし、お兄さんには魔柱して貰うんだから。
賢者はある国で宮廷魔導師筆頭と魔導士団長を勤め上げて引退して、今は景色のよい湖畔で隠居生活って名前の研究・趣味三昧だし、賢者の孫なら手出しはされにくいからだいじょぶだよ。彼の機嫌損ねたら国が滅ぶらしいから。』
「それ大丈夫か?」
クロノはひらひらと手をふる。
問題ないらしい。
『金銭的な問題だけど賢者さんが孫の一人くらい養う言ってるけど、お兄さんの元の世界の貯金勿体ないから9割こっちに持ってきたよ。流石に向こうの貯金0は問題かな~って1割残したけど・・お兄さん、あの会社で良くこんなに貯金したね。エライエライ!!だからあたしからもボーナスで倍額にしといたよ。あと能力とかにもボーナスするね。』
とりあえず亜空間魔法を使えるようにしてくれて(中に物を入れたら自動でカテゴリー別になるらしい)金はこっちの通貨に両替して入れてくれた。
ちなみにこの空間アイテムボックスからは自分しか取り出せないし、死んだからってばらまいたりもないそうだ。クロノは手出し出来るらしいが、たまに良いもの突っ込んどくね。と言われたから、高いものや扱いに困る物は止めて欲しいと頼んでおいた。
『もー本当に欲がないよね。そこが益々好印象、依怙贔屓したくなるねー。。
能力については元々の能力を全体的に底上げしといたよ。キックボクシングと軍隊格闘術やってたんだね~元々の能力だけでもバリバリ通用する位だけど安全面考えてA級冒険者レベルで通用する位にしてあるよ。元からB~Cの上位はあったけどね。魔法は賢者よりはちょっと下かなあ。賢者のレベルがおかしいから国の魔導師団の連中と比べても段違いでお兄さんが強いね。使い方はインプット済み~。とりあえず一人で生きて行けると思う能力だけど、寧ろ関わって癒されて欲しいかなあ~。賢者んとこで少しのんびりしたら良いと思う。景色もいいし、人も少ないから気楽だと思うよ。』
「ありがとう。あとは姿なん『それはそのままで!!』だが」
食い気味にクロノ。
「いや少しは男らしい姿が・・」
『やだ。お兄さんはその姿がいい。その姿のお兄さんを見ていたい。』
「クロノ頼む。」
拝むように手を合わせクロノを見つめる。
『やーだ。てか今の姿嫌いじゃないならいいじゃん。メイクとかしなきゃ女性には見えないよ?』
じたばたとクロノが机の上で駄々をこねる。
「・・。」
『お兄さ~ん』
「わかった。」
まあ絶対にという訳ではないから諦める。
次にまた転移やら転生の機会があれば期待しよう。
やっと主人公の氏名が判明。