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お迎えに上がりました

「・・・ご!・・け・・ご!」


あぁ〜ダルイ。朝から俺の睡眠を邪魔しようとはいい度胸だ


いじでも起きてやらんぞ


「いいかげん起きろクソ野郎!」


なんでだろうか、俺は朝が来るたびにあざを作っている気がする


「姉貴・・・!いてぇよ!もっと他に起こし方ねぇのか・・・!」


「あぁ?起きないのが悪い!さっさと降りて来な!カ・ス」


弟をカス呼ばわりかよ!


ドスドスと階段を下りて行ったのは姉の貴柳 綾那たかやなぎアヤナ


21歳の現役大学生だ。


隆樹いわく、「超絶美人」らしい。あの乱暴さをみれば絶対いえない言葉だろ。


女の怖さをしらないね隆樹君。






1階に下りてダラダラと飯を口に運ぶ。


俺の家は両親とも働いているので、朝は基本的に俺と姉貴だけだ。


『ぴんぽ〜ん』


時計は朝7時を指している。おそらく保険かなにかのセールスマンだろう。


こんな朝から訪問しても商品を買う奴いないだろ。


姉貴が舌打ちしながら玄関に向かう。


どんまいセールスマン。朝から姉貴の機嫌をそこねちゃだめよ♪


ドタドタドタ・・・!


ほぉらお怒りになってる。


「慧吾!」


あれ〜?なんで俺が怒られそうな感じ?


「あんたなにしたの!脅しなんてしてたら殺すわよ!」


なんだ宗教の勧誘だったのか。どうりで何かに取り憑かれたかのように俺を前後左右にシェイクしてんのか。


いや、けどさ?いくらなんでも・・・殺すって!?


「ちょおおおおおおっとまて!なぜ俺が殺されなければならん!?訳がわからんぞ!」


「いいからちょっとこい!」


制服のネクタイをつかまれ引きずられる。


喉絞まってます姉上。軽く死にそうなんだけど・・・!


「・・・!ケイちゃん!?」


玄関には生徒会長こと我が彼女こと深堂桜子が立っていた。


あぁ、そうだった。てっきり忘れていた。


「この可愛い女の子は誰なの!?説明しろカス!」


あぁ、面倒すぎるぞ。





それは昨日のこと。


「ねぇケイちゃん!」


俺達は帰りの電車を待っていた。


といっても桜子と俺の家は上り線と下り線とで、まったく逆の方向なのだ。


「ん?なんだ?」


「明日からね、一緒に学校行こうね♪」


本当にこの子は・・・。自分がどれほどの人気者か知らんのか・・・。


「却下。」


「なんでよ〜〜!!ケイちゃんのけち!」


「ケチで結構。」


「でもそんなケイちゃんも好きだよ〜♪」


だからそういう発言をするな!どこぞのバカップルみたいじゃないか!


いや、みたい じゃなくてそうなったんだ。ついさっき・・・。はぁ・・・。


それに、なぜまた腕に絡み付いてくる!


「ダメといったらダメだ。」


上目遣いで見ても、駄々っ子みたいにイヤイヤしてもダメなものはダメだろう。


もし認めてしまえば、全校の男子生徒諸君からもれなく視線で殺されそうになる。


いや、実際に殺しに来る奴も絶対いる。


そうこうしているうちに電車が来た。さすが空気読めてるぞJ〇!


「じゃあな・・・?」


動かない。


「ダメ。いいよって言ってくれるまで離さないもん」


我が高の生徒会長は他人のスケジュール無視することも平気なのか。よく当選した。褒めてやろう。


いや、褒めてる場合でもない。この電車を逃すと30分もなにもない駅で時間をつぶす羽目になる


それは、いただけない・・・。


「前向きに検討しておこう。」


まぁ検討する時間なんて”NO”って考えるための1秒で十分だが。日本語万歳。


腕から重みがなくなり、やっと開放された。


(ふっ、青春しちゃって)みたいな心の声がたくさん聴こえてくる。





前向きに検討した結果俺はNOという答えを出したが、伝えていなかった。


俺としたことが・・・。というかわざわざ遠くなることをしてまで来たのか。


やはり、少しうれしい。


そら、こんなにカワイイ子が朝迎えにきたらうれしいだろ?な?一般的な意見としてだな。


「とにかく姉貴、俺行くわ。」


回想なんてもの、俺がするだけで十分だ。


というわけで、姉貴はぽかーん状態から抜け出せていないようだ。


「いってくる。」


「行って参ります♪おねぇさま♪」


駅から学校まではほぼ一直線であり、緩やかな登り坂になっている。


普段からだるいのに、今日は一段とだるい。


(なんで会長様が貴柳の横に・・・!?!?!?!?)


(くっ付きすぎだろ!)


(いやぁ〜ん!私の桜子様が男のものになったの!?)


(毒電波を検知。)


みたいな視線と思念を四方八方から受けながら登校するはめになった。


「ケッイゴ〜!!」


後ろからドタバタと走る音が聞こえてくる。


あぁ、もっと面倒な野郎がきやがった。いっそのことここで殺めてやろうか・・・。


「ケッイ・・・ゴ?」


少しは空気が読めるようになったか。俺はうれしいぞ飼い主として。


前に回りこんだ隆樹が、桜子と俺を交互に見比べている。


「はっはぁ〜ん?とうとうケイゴきゅんにも春がきたか〜!しかも生徒会長とは〜やるなケイゴ!」


ゴスッ!ドスッ!ドスッッ!


もう、面倒だ。俺の面倒に対する耐性を越えた音がした。どんな音かは想像しましょう。


「ケイちゃん!?」


突然友達と想われる人物を殴り倒し、走り出した俺に驚きの声をあげる。


無視だ無視!一刻も早くココから抜け出したい・・・。


全力ダッシュで校舎まで走り、クラスに滑り込む。


「ケイゴ!痛いじゃないか!腹に3発は反則だぞ?!」


なんで隆樹が先に着いている!お前英才教育で瞬間移動習ったな?



それから丸一日、隆樹からの質問攻めにあい、廊下では注目の的になり


さっそく今までの日常の影が消えていった。

まずは、応援のコメント、身に余る程の好評価をいただきました!


本当に励みになります!

ありがとうございます!


これからも頑張らせていただきますので応援よろしくおねがいいたします!




少しご報告ですが、新学期が始まり忙しいので、あとがきを簡略化させていただきます。


4話目ということですが、やっとプロローグ終了ってな感じでございます。


これからサイドストーリーなども書いていこうかと思っています。


引き続き遅筆な作者にお付き合いいただきますと、うれしゅうございます。


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