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黒い炎をもつ理由  作者: ロストネーム
迷いの森で
15/16

来訪者 一(いち)


迷いの森の北区切り、とある村が隣接した一つの交通道の入り口から鐘が響き、大きな若い男性の声が轟く。


???「明日、昼頃より男女5名、ラベルビナ国竜炎(りゅうえん)の騎士団、第三番隊が迷いの森に、調査の為2日ほど留まる。調査が終了次第ラベルビナ国領、ミシカ村方面に戻る故、許されたし。」


男性は言い終えると、近くに居た男性と同じ、銀色の西洋の鎧の格好をした仲間の元に戻った。


???「報告は済んだ。今日はここでキャンプをするぞ。」


男性はそう仲間に声をかけ、キャンプの支度を指示する。


???「隊長、さっきのやつって、本当に必要なんですか?」

男性に仲間の男性の1人が話しかけた。

隊長「迷いの森には、ヌシが居る。ヌシが森を管理している以上、敵でない事を示すにはアレしか方法が無いんだ。」

隊長と呼ばれた、スッキリとした髪型で、鎧にマントの様な布を羽織った男性が答える。


???「でも、迷いの森のヌシって、誰も見たこと無いんですよね?本当に居るんですか?」

キャンプの支度をしながら、鎧を着た女性が隊長に聞く。

???「リフィンガ、迷いの森に報告無しで入った者は、生きて森を抜けた者がいない事実がある。わざとほかの密猟者が来ない様に、1人だけ生かして森から出して…。生かされた密猟者達が喚いているだろ?」

キャンプの支度をしながら隊長に話しかけた男性とは違う、黒髪の男性が女性騎士に言う。

リフィンガと呼ばれた女性騎士は、黒髪の男性に顔を向け言葉を返す。

リフィンガ「だから私達が調査しに来たんでしょ?でもそれは、『黒い化物が出た!』って今まであった 何かに襲われた! と違う被害報告だったからで、ヌシは見てない訳だし?」


???「案外、その『黒い化物』がヌシだったりして」

リフィンガの発言に黒髪の男性ではなくまた別の男性騎士が言う。

???「だったら、余計見てみたいな。その『黒い化物』。」

始め、隊長に話しかけた男性騎士がその言葉に続いた。


隊長「魔族や魔物の動きが活発になって来ている。ヌシで有れば幸いだが、魔族、或いは魔物で有れば討伐が優先される。その為の調査だ。気を抜くなよ。」

隊長は部下であろう彼らの会話に釘を刺す様に言った。

黒髪やリフィンガ達は 了解 と、口を揃えて答え、キャンプの支度を続ける。


彼ら、ラベルビナ国という王国の騎士団は、最近迷いの森に入った密猟者の生き残りから報告される『黒い化物』について、人間に害があるか調査するよう国から命令され、調査に来ていた。


魔族や魔物と人間は、200年に1度の闇の王の誕生と共に戦争を繰り広げてきている。

その魔族や魔物が最近活発に人や村を襲っていた。

コレは闇の王が誕生する前触れ。つまり魔族達との戦争が近々有るという事を指していた。

戦争に備え、各国は都市部から離れた村や町の警備や防衛を強化し、騎士や兵士を集い、訓練をしている。


この世界にある各国共同運営の魔物討伐商業団体、国際ギルドは冒険者の育成や魔物、魔族の行動に警戒と強化をしている。

魔物の動きが活発になった為、個人のギルドも警戒している状況。

こんな中での迷いの森に出た『黒い化物』は、人間に脅威となるか、はたまた迷いの森の中だけの事なのか、図るのは重大な事であったのだ。


迷いの森に居る魔物達は凶暴かつ人間の脅威であるのは、この世界に生きる全ての人間か認知している。

しかし、魔族、魔物との戦争になっても、迷いの森の魔物だけは参加せず、どちらにもつかない中立を保っていたのだ。


何があろうと、迷いの森は関与しない。


故に人間としては安堵と迷いの森のルールへの信頼がある。

そんな迷いの森での報告だが、戦争の前触れという事もあり、魔族が迷いの森で何かしたのでは無いか、或いは新たな魔物が生まれ、ソレが魔族の味方ではないか、不安がうまれてしまう。

その不安を消す為、今回の調査が上がり、彼らに託される事となった。


ラベルビナ国 竜炎の騎士団 第三番隊は、戦闘と偵察に長けた隊だ。

今回の調査にうってつけで、彼らは其れを誇りに思っている。


隊長含め騎士らは、明日の調査に備え、鎧や武器の整備を確認し、気を引き締めていた。


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