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歪んだ望み
21世紀初頭 日本
その端 田舎に住む俺には生きづらい世界にしか感じられない。
産まれたとき俺は女の子としてこの世に出てきた。
が、ココロ…自身の性別認識は違っていた。
それに気づいたのは小学校低学年の時、好きな女の子に「男の子なら付き合ってたのに」と、言われた時だった。
混乱した。俺は男の子では無いのかと この身体は男では無いのか? 男と認識されていないのか?
少し経ってテレビでそれを知り納得した。
"性同一性障害" ココロとカラダの性が異なる病気
あー 俺は産まれてくるときに、カラダを間違えてしまったんだな
それから、この病気について調べ、理解し、心を閉ざした。
世の中は理解する者が増えていっていたが、俺自身がどうしてもこのカラダを受け入れることが出来ず、
許すことが出来なくて ただ 死を望むようになっていったんだ。
なんの間違いもなく、男として 俺のままで やり直したいと
願い、望み続け。日々をおくる
そんな日々の中で、俺はやっと行動にでた。
己自身の願望を望みながらどんな不幸も厭わぬという呪いをかけて死ぬという 行動を