第1章 電波戦争で
シゲとハルコは駅の掲示板で出会うが、今居る世界の真実を知る事に。
第1章 電波戦争で
「この星から資源が無くなってどれくらいになるだろう?
通勤電車には慣れたけどさ、携帯電話の電波を制限されてからとても暇になったな。
電車内も、手持ちのゲーム機やったり、読書する人が増えてきたな。
スマホもあまり用は足さなくなったから皆ガラケーに戻ってるし。
また通話が主流になって、メールすら出来なくなってる。唯一の連絡手段は駅の掲示板かぁ‥、コルクボードみたいなのに手紙っぽく貼るのが流行りらしいけどなぁ‥やれやれ。」
朝の通勤電車に揺られるシゲ、通勤手段を電車に替えてから2ヶ月が過ぎて居た。家から自転車で駅まで15分ほど、3ヶ月前までマイカー通勤をして居たが、世界規模で電波戦争なるテロが発生して、基地局のアンテナが使いものにならず、臨時で移動基地局の車がウロウロして居る、繋がりは3G以下だ。それと同時にこの星の資源となる石油もとうとう底をつき、ガソリンスタンドは廃業、生活の足だった車も燃料が無いのでガソリン車の価値はスクラップ同様、電気自動車に切り替えるには10年越しでの予約待ち、需要が多くなった電気は金額が跳ね上がって充電も出来ない人が多い、足となるのは自走の自転車か電気頼みの電気自動車しかなくなってしまった。暮らしの一部、便利なスマホもデータ通信ができなければ、ただの文鎮になっている。これでは使えないとシゲは昔使って居たお払い箱になったガラケーをガラクタの中から引っ張り出して使って居た。
「これが、本来の携帯電話の在り方なんだよなー、うん!」
シゲには、このガラケーには少し懐かしさもあり、スマホ依存になって居たからとても新鮮な気もした。
替えてからは、勝手がスマホとは違うので設定やら何やら大変だったが何とか思い出したり会社の同僚に聞いたりして仕事でもやっと使えるようになった。
「ピローン♪‥
次はー、新江戸ー新江戸ー、
お降りの際は忘れ物なさらぬよー
お願いしま⤴︎す!」
そろそろシゲの会社の最寄り駅、ここで下車をする。
ヒューーーン‥カタンカタン、
ガーキー、ガーーッ‥ドン!
プシューッ‥
ドアが開く、この時間はフレックスタイムなので意外と空いて居たから押されて転んだり、痴漢の冤罪事件なんて巻き込まれやしない。
改札西口を目指して階段を降りる、
その前に、今の主な情報伝達場所になって居る掲示板がある広場に寄る。
「さぁーて、今日は何の伝言があるかなー?!」
電波戦争の前は、いつでも活字で送られてやり取り出来たが、その後はこの掲示板か通話するしかメッセージは送れない。
不便だけど、2ヶ月近くも毎回やって居るとそれを通り越して一つの楽しみとなって居た。
階段を降りきって通路に出ると、
この壁にも貼り紙の広告がビッシリ貼られて居る、いつもならスマホでポップアップ広告とか、スマホサイトのバナーでの広告も電波が使えないんじゃあこの有り様だ。
今までどれだけの広告の量で運営会社は稼げて居たんだか‥、電波戦争の後は、バタバタとスマホサイト関連の事業が倒産や撤退して居た。
余計なお世話だけど、自ら景気の煽りを受けて辛い思いをして居たシゲは同情も隠せない、
これも時代なのかと広場を目指す。
広場に着くと、シゲは早速件名のタイトルを検索するタッチパネルを触れる。登録しないと使う事が出来ない。駅から駅へ繋がっているから利用したい人は、個人情報を入れなければならないけど、検索とか利用中に流れるBGMも設定出来るから楽しい。
曲は、
"THE CUREの BOYS DON'T CRY"
にしてある。とても幼く切ない歌だし、自分の事を歌って居る様だったからずっと好きだった。
検索してみたけど、今日は無さそうだな‥と思いふとコルクボードの貼り紙用掲示板を見てみると、
「ん?
"自分と同じ曲を登録して居る人は居ませんか?‥" だって‥
んー‥面白そうだなッ!」
そう思うと、シゲも電子掲示板よりこのアナログ的な貼り紙掲示板をやり始める事にしたのだった。
つづく




