三人で仲良く
この学校には新入生同士の仲を深めるために5月オリエンテーションがある
「彩音…私飛行機乗れない」
「まじか水音」
まあ確かに初めて乗るのは怖いよな
「えー北海道だよ滅多に行けないよ」
「うーん…それはそうだけど」
なんかいい方法ないかなあ…
「あ、そうだ遊園地に行こうよ」
「遊園地?」
「観覧車とか、バイキングとか乗ればある程度なれるんじゃない?」
「そうかなあ…」
まあ私が行きたいだけなんだけどね
「行こうよ水音」
「うん…まあいいよ」
よっしゃ。心の中でガッツポーズする彩音
「あ、そうだ美月も誘っといて」
「うん…って、え?」
「いいからいいから」
こないだ喧嘩してたのになぜ?
その理由は、時はを遡り今朝学校で
「彩音ー」
「げっ…美月」
「彩音これ見て」
う...それは
「水音の小さい頃の写真」
「そう。これが欲しかったら今度デート行くとき私を誘って」
「わかった」
あ…つい欲しさあまり反射的に了承してしまった
「そう。ありがとう」
あーもう私の馬鹿…てか美月私たちと同じ学校だったのか
8クラスもあったから全然きずかなかった。
「まあいっか。美月がいたら水音の昔話も聞けるだろうし」
私はポジティブに考えるようにした。
放課後、水音、彩音、美月の3人で集まってた
「部活どーするよ水音」
「うーん…どうしよう」
この学校は部活に入らないといけないのだ
「文芸部とかは?」
「でも…美月の絵は過激だからねえ」
「それもそっかあ」
過激ってどんな絵だろうと思った彩音
「じゃあ自分たちで作る?」
「作れるの?」
「校則に部活は3人から発足できるって書いてあるよ」
「じゃあ旅部とかどう?」
「うーん…部費も出るしそれは駄目じゃない?」
美月って案外しっかり考えてるんだなあ
「まあでも、とりあえず先生に聞いてみたら?」
「水音の親戚がここの先生やってたんだよね」
「美月、よく覚えてたね」
へー身内がいるんだ。
「彩音さっきから静かだね」
「あーいや…なんかまだ水音のこと知れてないなあって思って」
「じゃあ私が水音の観察日記コピーして渡してあげるよ」
「ちょ、美月まだあんたそれ持ってたの」
凄く気になる…その観察日記
「ぜひともお願いします」
「彩音までえ…」
そんな他愛もない話をしてるうちに職員室に着いた
「葵先生。部活の件で話があります」
「お、水音か。どうした?」
「旅部を発足したいんですが…」
断れるんだろうなあ…
「うん。いいよ」
「やっぱり…っていいんですか?」
「小説書くためだろ?」
「先生…ありがとうございます」
葵先生は私が小説書いてることを知っている
「まあでも上の許可が通るか分からないから。今日の夜連絡するね」
「ありがとうございます」
用を済ませた私たちはいつものカラオケ屋にやって来た
「はあ。まさか通るとはね。水音のお蔭だよ」
「えへへ。ありがとう彩音」
「じゃあ連絡来るまで歌おう」
今日はキスできてないなあと思う彩音
「ねえねえ、キスしてよー」
相変わらず美月はキスしてくるように求めるけど…
「だーめ。恥ずかしいもん」
水音が嫌がるからなあ…私はいいと思うけど
「彩音はどうなの」
「私は別にいいかな…」
「ほーら。水音だけだよ嫌がってんの」
「うーん。わかったよするよキス」
わあ。初めて生でキスするの見る
「あ、あんまり見ないで…美月恥ずかしい」
恥ずがる水音可愛いい
「ねえキスってどんな感じ?」
美月が聞いてくる
「ど、どんなって安心する」
「へーそうなんだ」
私もしてみたいなあ
「ねえ彩音。私とキスしよ」
「美月と私が…?」
「ねえ水音、少し彩音借りていい」
うーん…でも彩音がキスしてるとこ見てみたいし
「いいよ」
「ちょっと彩音」
「だって…これも小説の手伝いとしてね」
うー水音にお願いされたら断れないよ
「いいよ。美月おいで」
「失礼します」
わあ…水音と違う匂いだ…新鮮だ
「キスしてるときってこんな感じなんだ…」
水音が見てる…なんか良い…
「水音も…来て」
はあ…まさかこんな展開になるとは思ってなかったけど
これも…小説のネタになるし…いいかな
そんなこんなしてるうちに先生から電話が来た
「了承得たって」
「よかったあ」
安堵する私たち
「そうだ。じゃあさ早速だけど遊園地行かない?」
「遊園地?」
「あー美月にはまだ言ってなかったね」
美月になんで遊園地に行くことになったか経緯を話した
「なるほどねえ。確かに水音、高い所苦手だもんね」
「うん。あ、それでね校内新聞作ってだって」
「校内新聞?」
「うん。私たちが行ったところの写真とか感想を書いてほしいんだって」
「わかった。じゃあゴールデンウィークに泊まりながら行く?」
「それも、いいね。なら葵先生に聞いてみる」
部活も発足できたし。三人とも仲が深まったし今日1日は濃かったなあと思う彩音。
水音が碧い先生に電話してるとき
「彩音ちょっと来て」
美月に呼ばれた
「どうしたの?美月」
「えーとねこれ。水音の小さい頃の写真」
「え、いいの?」
「うん。今日はありがとうね。なんか無理やりキスまでしちゃって」
美月…
「うんうん。私こそこれからもよろしくね」
「えへへ。これからお互い水音のこと見守ろうね」
私たちは握手を交わした
カラオケの帰り
「あんた達仲良くなった?」
「えへへ。そう」
「キスし合った仲だもんねえ」
なぜ仲良くなったのか疑問に思う水音だった