秘密の恋
私が高校に入って、最初に声を掛けてくれたのが彼女だった
「ねえねえ、彩音さんさっきの自己紹介で小説書いてるって言ってたけど、どういう小説書いてるの?」
「百合系の小説を書いてるんだよ」
「へえ...百合ねえ」
どうしたんだろう。考えた顔して。もしかして引いちゃったかな。
「あのさ...良ければ私たち付き合わない?」
「え...?」
「あーごめんね、いきなり。小説のネタになるかもしれないから付き合わない?」
「私はいいけど...周りが」
「そこは秘密にすればいいんだよ。さっそくだけどお互いのことを知るために
今度の休日にデートしない?」
なんか話が進んでるど、私も小説のネタになるから
「もちろん」
快く了承した。
そして休日
「ごめんね。なんかいきなり付き合ってとか突拍子のないこと言って」
「いやいや私こそ、彩音ちゃんと付き合って小説のネタが増えるからありがとね」
「あー私ちゃん付けで呼ばれるのあんまり好きじゃないから、彩音って呼んで、わたしも水音って呼ぶから」
「わかった彩音。ってなんか恋人同士みたいって、私たち付き合ってるんだった」
天然なのかな?と思った彩音。
「じゃあさっそく。カラオケにでも行く?ここだと人が沢山いて話せないし」
確かに駅前だと話ずらいし移動することになった
「彩音さんは飲み物なににする?」
どうも、さん付けやちゃん付けが抜けない水音。まあいっか
「じゃあこの、カップル用のメロンソーダで」
「うん。わかった」
えー恥ずかしがると思ったのに...と内心がっかりする彩音
「じゃあ、まずはデュエットする?」
「しようしよう」
「...ねえ水音はさ、なんかしたいことないの?なんか私が強要してるみたいだから」
「じゃあ...キスしてみたいな」
彼女はふざけてるわけで言ったわけでなく真剣だった...
「いいよ...私が付き合おうって言ったし」
「じゃあ...失礼します」
水音の吐息がすぐ近くに感じる...
「緊張する...」
「そりゃあ...ねえ」
それでも、そっと唇を重ねる
水音と彩音の秘密の恋愛はまだまだ続く