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シルバーオーヴと異世界最果ての楽園  作者: 露天浮録
【第2章】眠れる妖精郷 篇
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第45話 世界が並ぶ時


八頭蛇は廻り裂く(ヤマタノブレイド!!!!」


振り下ろされた剣が地面をえぐり取る。マモルとアガリオは後ろに飛びのいてよけた。


「アガリオ!」


「分かってる」


空中へ飛んだアガリオはそのまま自身の剣をヘルガに向ける。と同時に、先刻、八頭蛇は廻り裂く(ヤマタノブレイドによってえぐれた地面がさらに大きく崩壊する。

マモルはそれを睨みつける。アガリオは目線を変えずにつぶやいた。


「あいつの攻撃ヤマタノブレイドを剣で受けてはいけない、だろ?」

 

「ちぃッッ、!」


攻撃をかわされたヘルガは舌打ちし、再度剣を振ろうと持ち上げるが、空中から下へ繰り出されるアガリオの攻撃の方が速いと判断。すぐさま飛びのく。

アガリオの剣はヘルガがいたはずの地面を文字通り、沈めた。

衝撃であたり一帯が揺れる。


「お互い様、だよね」


「…大地が唸る轟沈ドレスガンハンク、忌々しいィ、」


ヘルガの背後から、忍び寄る拳。


「がッ、!?」


一閃。常人では目でとらえることのできない速度の拳。


「てめェァッ、」


横から薙ぎのように大振りで振られるヘルガの剣。

を、マモルに到達する前にアガリオが上から剣を下ろして弾いた。


「ふっ、」


アガリオの剣は横薙ぎのヘルガの剣を真上から打った。八頭蛇は廻り裂く(ヤマタノブレイドは発動しない。

そして真上からの大地が唸る轟沈ドレスガンハンク


「させっかよ」


剣身を即座に、滑らせるように軌道から外した。大地が唸る轟沈ドレスガンハンクは微かに剣先をかすめ、空を逃がさず地面を轟圧で沈ませる。

マモルの拳。今度はよける。そして再度アガリオとヘルガの剣の打ち合い。


「ちょこまかと、」


マモルの攻撃を数発受けながらもアガリオの攻撃だけは確実に防ぐ。

八頭蛇は廻り裂く(ヤマタノブレイド大地が唸る轟沈ドレスガンハンクを互いに警戒する。

どちらも一撃食らえば持っていかれるのだ。


「先に食らった方が、」


「敗北」


「そういう、ことだァッ」


ヘルガはマモルの方を向く。


「な、」


「まずい、、!」


放たれる拳を、伸びた腕を切りつけた。


「あっ、」


「マモル、!」


ヘルガは微笑む。傷ついた腕は出血、したその直後、さらにおびただしい出血とともに斬撃、

八発が撃ち込まれる。


「ぐああぁぁぁぁっ」


腕は何とかつながっている状態である。

が、


「がァッ、、!?」


ちぎれかけた腕はヘルガの顔面をまっすぐに打ち抜く。


後ろに吹き飛ぶヘルガ。すさまじい衝撃で空中に浮かぶ彼は身動きをとる余裕などない。

それを、騎士は逃さない。


大地が唸る轟沈ドレスガンハンク!!」


防ぐ手立てはない。轟圧がヘルガを大地のそこに叩きつける。


「ぐがあああああああああああぁぁぁぁぁぁっっッ、」


口から大きく血を吐く。内臓はつぶれ、骨の多くは粉々に違いない。


「ああ、あ、ぐ、あ、、あ、」


「マモル、!」


アガリオはマモルのもとへ駆け寄る。


「よし、、やったぞ、アガリオ」


「ああ!でも今はそんなことより傷を、治癒魔法をかける」


「ああ、頼む、」


「ほとんどちぎれかかってる。よくもったよ、マモルの腕」


「ああ、一発ぶち込んでやったぜ、無茶苦茶に痛ェが、」


「ひとまず、応急処置は済んだよ。あとは戻って本職の治癒術士に治してもらうんだ」


「ああ、でもまだだ。リザがああなった原因。神殿のヌシを見つけねぇと」


「何を、、あとは騎士団に任せろ。ヌシだけじゃない。”白竜”の奴らに出会ったら、手負いでかなうはずがない」


「、、、、て、め、ェら、、」


ヘルガが仰向けのままどうにか血まみれの口を開く。

マモルがヘルガのもとにより、上から見下ろしていいた。


「今度こそ、お前を監獄にぶちこんでやる。もう二度と出られないようにな」


「、、ころ、す、、」


ヘルガは話すのもやっとといった様子であった。マモルたちを殺すどころか、自力で立ち上がる力も残ってはいない。


「いいから、おとなしくしてろ、主をさっさと見つけてから、すぐにでもおまえを、」


その時だった。



「マモルっっッ!!!」」



鮮血が飛び散る。



理解が追い付かない。



突然のことだった。




「なん、で、、」



飛び散る鮮血を浴びる。

立ちはだかった体は自分を抱くように倒れた。



「なんで、だ、、」



「よかった、君と、友人になれ、て、、、、君を、守れ、て、、」



すでにその人物に意識はない。



「なんで、だよ、、、

 


                    あ、あ、アガリオ」


アガリオの体には無数の剣が突き刺さっていた。

全身に、マモルを庇うようにして。



「あ、ああ、アガリオ、」


「団長、、」


「ヘルガ。負けたのか、また」


「、、、団長、?」


聞き覚えがあった。


団長という言葉もそうだったが、マモルが覚えていたのはその声。

昔から知っていた、ずっと、追い続けた、



知っている声。



「……ハクリュウ、」


マモルが呟いた名前を聞いて、その男は微かにほほ笑んだ。


「こうして会うのは、初めてか。地下の王」


「じゃあ、やはりおまえが、、


「ああ、”白竜”団長。おまえの知るハクリュウだ。今は、ソドムという名で通してる

「なぜ、、アガリオを、」


「出しゃばりなやつだ。俺はおまえを殺そうとしたというのに」


「アガリオが、俺を、」


「ああそうだ。手負いのおまえを、庇ったのだろうな」


「殺す、、、がッ!!」


ソドムはマモルの首をつかみ持ち上げた。


「阿呆が」


「が、がぁ、、」


「殺すといったな?ならば殺してみろ」


「がぁ、が、がぁ、」


「笑えんな。俺が去った後に空いた王座を、座り続けたという王がこの様か。やはりあの世界にも、俺を超えるものは現れなかったというわけだ」


「、、がっっッッ!」


つかんでいた腕を振り上げマモルの体は高く空へ飛んだ。

ソドムはマモルを見つめる。


「フゥ……、世界に蔓延る饗矩メラタリオン


空から7本の剣が降る。マモルは体を貫かれた。


「、、、が、、あ、」



そして地に落ちた。急所は貫かれてはいない。


ぼんやりとした頭で多くのことを考える。



「、、あ、、り、お」



地に伏したまま上目遣いで、暗く離れた空を睨みつける。


その目は明確な殺意と憎悪に満ちていた。






「……おまえ、は、おまえだけは…っ」




「許さない。か?」




ソドムは目にかかる長さの白髪を右手でかきあげる。


より鮮明に男の表情が視認できた。


髪に習うように白い肌と紅の瞳。


その目はとても静かだった。




「…立てよ。許さないんだろ?俺を」




「ぐっ……」




身体中に生じる痛みと疲弊。体力てきにも限界に近い。それらを何とかこらえ、ふらつきながら立ち上がる。




「よし、立ったな」




ソドムはそのまま踏み込んで距離を詰めてくる。


目で追うが揺れ動く意識からか思考がそれに追いつけない。




「っかっっはぁ…!」




鈍痛。瞬間身体は後方に吹き飛び再び地に倒れた。




「……こんなものか」




「はぁ…はぁ」




限界はもはや分からない。それをまともに考えることすら文字通りぼろぼろの身体では許されなかった。




「力を使え」




「…はぁ、はぁ」




「おまえの勝機は今、それしかない」




「はぁはぁ、」




「…使え」




「はぁ、はぁ、」




「使え」




「……うるせぇ、んだよ」






立ち上がり、拳を握る。




そして、




本能的に


その握った拳を突き出すように解放した。








瞬間、眩い光が一閃。




世界はほんのわずかに時間を止める。




刹那が終わり現実の軌道へと戻ったときそこには理を逸脱した存在が生じていた。






白。というよりも銀世界のような、
























否、それは 透明 な破壊の始原であった。








「……情の崩壊で世界は包まれる《シルバーオーヴ》」







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