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シルバーオーヴと異世界最果ての楽園  作者: 露天浮録
【第2章】眠れる妖精郷 篇
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第42話 決行前夜





- ………朝か、?


遺跡への侵入とヌシ討伐の作戦に関して動き回っていたマモルは翌日に目を覚ました。


既に太陽は上りきっている。



「おい、はかせー」


マモルが寝ている間におそらく戻ってきたであろうオシドが近くに寝ていた。


「……」


「起きろってはかせ」


「……んん、」


オシドが起き上がった。


「戻ってきてたんだなはかせ」


「…んん、マモルくん、か。…マモルくんっ!!」


意識がまだはっきりとしない最中、マモルを見つけオシドは声をあげた。


「なんだよ急にでかい声出しやがって!びっくりしたわ」


「ああすまない、!だが聞いてくれ!うまくいったぞ!」


「うまくいった、?何が?」


「兵力だよ!戦える者たちをリトートピア中から集めてきたんだ」


「なに、?やったな、はかせ!」


「ああ、!これで少しは何とか…。マモルくんの言っていた 宛て っていうのはどうなったんだ?」


「あああれは、まだ分かってないけど、」


「なにっ、!?」


再度オシドが大声で叫んだ。


「君の方で大半の兵力が集められなければこの作戦は始まらないんだぞ!」


「分かってるよ!落ちつけって、」


「……ほんとに大丈夫なのか、?」


「ああ、今日の内には何とかな。博士は?」


「私の方はもうこっちに来てるはずだが…ん、そういえば、もう朝か…」


「正しくは昼過ぎだけどな」


「…なに?なんだって…、」


「…博士?どうかしたのか?」


「もう着いているはずなんだ、本来なら」


「着いてるはずって、博士の言ってたリトートピアの兵力か?」


「ああそうだ。夜中にはこの家に…」








そこは暗い空間。

そこにいくつもの声が響いている。


「さっきの奴ら、腕はまぁまぁだったけど結局全員で5分ももたなかったな」


「この国で唯一の戦える奴らだろ?あれじゃ大したことないな」


「あー、もうここもわけわかんねぇしつまんねー」


「おいおい飽きんなよ」


「さっきの奴ら…」


「ん?」


「固まって動いてたってことは、どっかに向かおうとしてたのか」


「どっかって?」


「それは分からないけど、でもまぁ、十中八九他の仲間のところだろうね」


「…ここにも来るな」


「団長?その、他の奴らってのがここに入ってくるってのか?」


「ああ」


「けどそりゃあそうだろ。扉が開いた時点でそんなのは分かりきってることだ」


「まぁそうなんだが…その他の奴らってのが…」


「…?」


「多分、かなりやる奴らだ」


「…へぇー。団長がここまで言うの」


「また、勘 ってわけだな?」


「ああ」


「……ふぅ。なら、間違いないな」


「だね。団長がそう言うなら」


「…おまえら、用心しておけよ。ここに来た目的はもちろんだが、そいつらも無視できないからな」


「「 …了解 」」















作戦決行の前夜。


「マモルくん…」


「おう、博士」


「それが…私の宛てだったリトートピアの兵士の奴らは皆、遺跡付近で何者かに襲撃を食らったらしい」


「…え、昼間言ってたやつか、?」


「そうだ。争った形跡があるが、全滅したようだ」


「全滅…。一体誰がそんな」


マモルとオシドは重々しい顔で見合わせた。


「マモルくんの方は、?」


「ああ、俺の方は…」


言いかけた時であった。


「ここか。ようやく着いたな」


竜車の団体が峡谷を超えてやって来た。

リトートピアの地に降り立ち、既に決行の準備を終えた部隊と合流する。

リトートピアの中で精鋭の兵力。それに加え、神の国ルガルクロの騎士団。


現れたのは、


「ああ、だりぃな、くっそが」


「そんなこと言わないでくださいよロッソさん」


「うるせぇアガリオ、なんで俺がわざわざ選ばれたんだっつーの」


「おまえが適任だからだろう」


「げっ、団長」


ルガルクロ王国騎士団。

1番隊、6番隊、5番隊。

そして

騎士団団長 フルングニル。


「マモル」


「…アガリオ」


6番隊隊長のアガリオ。

ガイアロックにて出会いマモルとともに修羅場をくぐった戦友とも言える騎士。

マモルは彼とは最も時間を共にしていることもあり騎士団のなかでは特に深い間柄であった。



「久しぶり。まさかこんなところで会うことになるなんて」


「そうだな。俺もびっくりだよ」


「マモルとはほんとによくいっしょに戦うことになるよな」


「俺が巻き込んでるようなもんだ。悪いな」


「何を、水臭いなぁマモル。切羽詰まってんのは分かるけど、なら余計に頼ればいーじゃんかよ」


「…ああ。そうだな。助かる」


「それに最初に巻き込んだのは俺だしな」


笑みを浮かべてアガリオはそう言った。

軽い調子で会話し、楽観的であるようなアガリオだが、彼はただ単に素直で優しい人格の持ち主なのだ。

マモルはそれを分かっていたし、それもあってここまでの仲なのかもしれなかった。




「おまえか?騎士団の雇われ用心棒とかってやつは」


巨体の男がマモルに迫ってきた。

格好を見る限り騎士団に所属しているのだろうが始めてみる顔だった。


「そっか、マモルは初めてか。この人は5番隊隊長のロッソさん。いろいろやばいけど悪い人じゃないからさ」


「んだそれアガリオ、馬鹿にしてんのか」


「うるせーぞロッソ、もっと静かにしろってんだよ」


1番隊隊長。カイだ。


そして、


「団長自ら作戦に参加するんですか?」


「ああそうだ。こういう形で顔を合わせるのは初めてだな。マモル」


絶対の騎士。騎士団団長フルングニル。

ラグナであり、猛者ばかりが集まるルガルクロの騎士団を統率する才と実力を持つ人物だ。

マモルもフルングニルの闘いの様子を見たことはない。



「マモルくん。これは…一体、?」


オシドが驚きを顔に浮かべそう尋ねる。


「はかせ、言っただろ?戦力には宛があるって」










……ってわけだ。とにかく時間がない。何もかもが足りない。だから力を貸して欲しい。

速達郵便で送るから今日中にはこの手紙も届くはずだ。そこからすぐにでも準備して飛ばして来てくれ。

急だし、無理言ってるのもわかってる。けど今他に頼れるところがない。

どうか頼む。



ルガルクロ王国騎士団団長 フルングニル様 へ

六道 護 より 』




マモルはルガルクロの騎士団宛てに手紙を書いて送っていたのだった。


「一応、俺。ここの騎士団の雇われ用心棒なんでな」




かなり当初とは予定が変わってしまったが、面子は全て揃った。


明朝。遺跡へと侵入し、ヌシ討伐を試みる者たちは皆、酒に肉などの美味いものを貪った。













翌日。



太陽はまだ登っておらず辺りは薄暗いままだ。


緊張に加え、場に静寂が張り詰める。


その静寂を打ち破るようにフルングニルは言葉を放った。





「行こう」




今宵、彼らは計り知れない未知の遺跡へと挑む。

ヌシの覚醒によって開かれた扉が大きく口を開けた。




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