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モノローグ 遠い夢の中で
目の前に、綺麗な景色が広がっている。
花畑。どこまでも永遠に続いているようだ。
風が、優しく吹き、無数の花たちはゆらゆらと揺れる。
その中を歩いていた。
風が語りかけてくるように再び吹きつける。
その声を聞いてみる。
何を望んでいるのだろうか。
私に。
さらに歩く。さらに進む。
ふと立ち止まった。
数ある花の中で一輪を摘み取ろうと手を伸ばす。
指先が花に触れようとしたその時、
全ての花が血を吹いた。
瞬間、世界は真っ赤に染まる。
花畑は血の海に変わってしまった。
手についた血を見つめる。その中に沈む一輪の花。
指先は微かに捉えていたのだ。
足が固まって動かない。
何かが背後から忍び寄ってくる。
こわい。
足が動かない。
逃げることもできない。
振り返ることもできない。
こわい。こわいこわい。
こわい。
何か はすぐ後ろに立っていた。
そして耳元で囁く。
「- おまえは人間じゃない。」




