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大阪弁

「そ、そんな!?」

小松さんは動揺する。

ぱっと見嘘ついているようにはきこえないものね。

あ、さすがに後藤先生は気づいたみたい。

でも、面倒なんだろうね、黙ってる。

「大体、あなたうちの学校見て北帝が牛耳ってるように見える?生徒はみんな私を見て怯えているように見える?」

「そ、それは、北帝が言って見た目を取り繕っていると…。」

「それにしたって学校丸ごと取り繕えると?」

「で、でも!」

「ん?」

「ち、中学では…」

「中学では?」

「できてました!」

英里佳様と私では前提条件が違う。

「中学のお嬢様は家の力でなくて、お嬢様本人が学校内の人気者だったのでしょ?その子に嫌われてしまったから周りも右に倣えだった。

対して私。私は…友達少ない、ついこの間までぼっちだったんだもの。人望皆無な私じゃ、無理よ。」

あ、自分で言ってて悲しくなってきた。

「学校の人気者に嫌われたから?

お嬢様だから、その権力で私を排除したんじゃないの?」

「北帝ですら学校丸ごと牛耳る事は出来ないのよ。それ以下のお嬢様が持つ権力程度で出来るわけない。

もし、やるなら、本人の人望でやるのよ。」

小松さんは愕然とする。

つまり、彼女から見たら、知らないうちに学校の人気者に嫌われていたと言う事実を突きつけられた上、お嬢様という事しか共通点がない先輩に喧嘩売っていたということなんだから。

小松さんは顔を青くして、白くして、赤くして…

目に涙を浮かべ…

「そないな!なんでわいは嫌われたん!?赤薔薇姫様に好かれたくて王子の格好もしたけど!

なんやいけなかったん!?」

お、大阪弁!?

「一生懸命言葉直して好かれる努力したんに!」

後藤先生も、驚いている。

「わい、がんばっちょったんにー!」

「お、落ち着いて!!」

「お、お茶、お茶だすわ!」

私はワーワー泣く小松さんに声かけして、後藤先生はお茶を入れる。


しばらくして改めて小松さんから中学の話を聞く。

なんでも、彼女、生まれも育ちも大阪。

たこ焼きを愛し、野球は阪神一筋、道頓堀を庭とし、お笑い大好き、将来は通天閣に住みたいごく普通の庶民だった。

ところが、小学校は地元の公立だったのに、親の仕事の都合で東京へ進出。

勉強はできた彼女は何をトチ狂ったか、例の中学に進学。

そこで、運命の出会いを果たす。

英里佳様だ。

大阪の公立学校では絶対いない、ザお嬢様。

赤薔薇姫様にお近づきになりたい!

そう、思った彼女は、姫と言えば王子だよね!

という短絡的思考によりボーイッシュな格好をする。

それが、不幸の始まりだった。


「成る程ね。」

私はお茶をすすりながら、話を聞いた。

「わい、一生懸命やったんよ!何がいけなかったん!?」

「赤薔薇姫様は男嫌い、それを知らなかった事が敗因よね。」

「お、男嫌い!?」

「そう。」

私は頷く。

「てか、北帝、知り合いなのか?

その、変な渾名の子。」

言った後藤先生をきっと睨む小松さん!

「先生でも、赤薔薇姫様を悪く言うんは許さんよ!」

「お、すまん。」

そうは言うけど、小松さん。

赤薔薇姫は恥ずかしいよ。

「じゃあ、青薔薇の王子じゃダメだったん!?」

ぶっ

先生、お茶吹かない。

気持ちはわかるが。

「うん、赤薔薇姫には女の子らしい女の子が好みだから。今の方が、いいと思う。必要なら改めて紹介するよ。知り合いだから。」

言われてぱーっと顔を輝かす小松さん。

現金なやつだ。

だが、それでいい。

私の平穏な学校生活の為なら多少の早変わりなど気にならない。

「ね、赤薔薇姫好みの女の子なら私よく知ってるからさ。それ教えるかわりに私を悪く言うのやめて貰える?」

「うん、わい、がんばる…けど」

「けど?」

「ちゃんと、謝ったほうがええとちゃう?」

「うん?」

何言ってんだ?

「この間、学食で男子三人が色々いっちょったろ?それ、あの三人がやられたことやって言うとったよ。」

「…?」

はて?

高校に入ってからそんな幼稚な事した覚えない。

「小学校の時にって…」

「覚えてるか!!」

私は絶叫した。

大阪弁は適当です。違ったらごめんなさい。

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