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悪役令嬢、来年の約束を取り付ける

私は正座し、土下座している。

人生楽ありゃ苦もあるさ。

あの楽しい出来事の後に待ち受けていた命乞いなど大した事ない。

後ろには仲良く撃沈している雪平君と堂本君。

因みに後藤先生は俺は関係ないと言って逃げた。

その通りだけど、お付き合いして欲しかった。


今回の件、裏で糸引いて散々楽しんだのは、私です。

ごめん、ヒロイン簀巻きにして。いや、したのは雪平か。私は場所の提供のみ。でもがっつり加担したのは事実です。

私は堂本と雪平君のちゅーシーンの動画を献上してようやく許しを得た。中々エロく取れてた。思わず食い入るようにみてしまったよ。

石竜子、貴方がいい感じで撮ってくれたお陰で、今日も私は生きてるよ!


「…つまり、雪平が泣きついて来たのが発端で今回の件を画作したと?」

「おっしゃる通りです」

だって、雪平うざかったんだもん。

雪平君は要望通り、お姉ちゃんの唇を守れた。ついでに、あんまりうざいと潰すぞと、釘も刺した。堂本はちょっと巻き込んだ感あるけど、ヒロインにうまくフォローして貰えばいいだろう。

「まあ、雪平も悪いし、一度痛い目見る必要はあったんだけど、私の楽しみが一つ減ったし。」

「いや、悪かった!」

どーけーざー

「許さん。この動画は貰うけど。それじゃ足りない。」

「うぅ。では何を捧げましょう?」

命でしょうか?

「来年。」

「?」

「来年の文化祭ミスコンでどちらが美しいか勝負しましょう!」

「!?」

な、何を言ってんの!?

そんなん、勝負するまでもない、ヒロインだろ!

「私が勝つって思ってる?」

こくこく。

私は頷く

「甘いよ。この半年で体重をガクッと落とし、綺麗に筋肉をつけ、肌と髪の手入れを覚えた良美の人気は地味に上がってるんだよ?」

「何それ!?」

知らない!聞いてない!!

石竜子がぴくっと動いた。

「このまま、自分磨きを続ければ、来年の今頃は私と美の勝負の行方はわからないわよ?出来レースなミスコンより、倒すべき敵が明らかな方が楽しいし、何より目標があったほうがやりがいもあるでしょ?」

楽しげに言うヒロイン。

ヒロインはこの世界の主人公。

私はその敵役。

それも、低スペックな敵役。

その私とヒロインが大勢の前で美を競うって、悪夢だ。綺麗になった、ってヒロインは言うけど、

そう言ってくれるのは、ヒロインだけ。

絶対友達補正入ってる。

「来年の約束してくれなきゃ、絶交だよ!」

「!?」

絶交!?

そんなのイヤ!!

せっかく親友になれたのに、考えただけで悲しくなる。

「わかったわ!受けてたとうじゃないの!」

がばっと立ち上がり人差し指でヒロインをビシッと刺して高らかに言う。なんか、久しぶりに悪役らしいポーズをとったわ!

ドヤ顔な私を石竜子は無表情で見つめていた。




こうして、文化祭が終わって少し経つ現在。

私は今、ワンダーランドを回ったメンツで修学旅行の話し合いをすべくご飯を食べていた。

場所は理事長室。

なお、理事長はいない。人を避けた結果だ。

これというのも、匠がミスターコンを二連覇し、無事、後藤先生とちゅーした為に、一時的に彼の人気が爆発的に上昇しているからだ。

全く、ゆっくりランチもできない。

「で、今回の修学旅行の回るコースはこれでいいかな?」

「長谷川君がいいなら私はいいよ」

「長谷川君、楽しみだね。」

女子3人組の目がマジで怖い。

匠は怖くないのかな?変態だから平気か??

纏わりつく女子をものともしない彼の胆力には驚かされる。

まあ、匠が右と言えば右を向く彼女達は御し易いので、ランチしながらの話し合いはあっという間に終わったのだった。




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