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坂上雪平

事故に遭った時はさすがに死を覚悟した。でも、生きた!僕は辛い治療にもリハビリにも耐えた。全ては大好きなお姉ちゃんの為に!


高2の二学期から僕は復学した。さすが、お姉ちゃんは学校1の美少女だ。頭がちょっと残念な所が特にいい!!クラスが別れてしまったから中々会えないけど、毎日充実していた。

二学期になってすぐに文化祭がある。

お姉ちゃんはミスコンに出る事になった!

勿論、お姉ちゃんが優勝さっ!


お姉ちゃんの自称親友の女が、ミスコンの王子制度について教えてくれた。冗談じゃない!お姉ちゃんの唇がゲームで奪われるなんてあってはならない!なのに、自称親友は、僕の必死の訴えを無視した。だから、お姉ちゃんの自称彼氏に王子制度を教えてみた。

自称親友とは違い、さすが、俺と同じ男、なんとかする気になったらしい。自称親友とは大違いだ。…と、思っていた所、自称親友から連絡がきた。もう、どうでもいいが、僕に対する無礼を謝罪する気になったかもと思い、出向いてやった。

そこで、自称親友は僕に1つの案を出してきた。

正直、検討に値しない案だった。やはり、ブスな女は馬鹿だ。お姉ちゃんの親友を名乗る価値はない。鼻で笑ってその日は帰った。


学校ではミスコン、ミスターコンで盛り上がっていた。特に今年のミスコンに出るお姉ちゃんの美貌と、ミスターコンの姫役の女性の美貌、この二つが話題の半分を掻っ攫っていた。姫の写真を見たが、確かに美人だ。けど、お姉ちゃんの次だと思った。お姉ちゃんが一番可愛い!!

そう思ったのは僕だけでないらしい。王子役を決める為立候補を募った所、募集は女子だけなのに、男子の立候補がかなりあった。やばい、このままじゃ、ミスコン当日、姫以外にもお姉ちゃんの唇を狙う輩に襲われるかもしれない!

なのに、当の本人はのほほんとしていて、危機感0だ。自称親友があげた案が頭をよぎる。

お姉ちゃんの為なら、別に痛くも痒くもない。

お姉ちゃんの唇を守る為なら、僕は…。



文化祭当日。

お姉ちゃんを使われない教室に簀巻きにして押し込めた。なお、この部屋の提供は自称親友だ。あの女の目が光っているのだ。他の生徒は近づけないだろう。安心して離れられる。

お姉ちゃんはムゴムゴ言っている。解放したら意識が飛ぶ一発を貰うことは確定だろうな。


自称親友の執事が俺を見て、表情を歪めた。何故、歪める?この服を用意したのも、髪を弄ったのも、貴方だよね?自称親友は、俯き震えている。本当に、失礼なやつだ。結構いい線いってると思うんだけどな。


ミスコン会場に行く。

「坂上さん!」

呼ばれて僕は振り向く。ミスコン実行委員だ。

「もうすぐ、始まるよ!」

今回ミスコンにはお姉ちゃん以外に4人の候補がいる。どれも大した事ない、ブス共だ。

僕は4人に近づく。そして、順番が来るのを待った。


『レディースアーンドジェントルマン!長らくお待たせしました、これよりミスコン始まります!さあ、当校きっての美少女を紹介しましょう!エントリーナンバー1番!』


『エントリーナンバー4番!坂上香織!』

呼ばれて僕がステージに上がる。

そう、お姉ちゃんじゃない。双子の弟であるこの僕が、お姉ちゃんの格好をして、優勝して、誰だか知らない王子とちゅーして、お姉ちゃんを守るんだ!

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