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悪役令嬢、攻略対象を裏切る

陥落した。

今の私に相応しい一言といえよう。


一枚の写真を渡された。

目の覚めるような美人が写っていた。

この写真と一緒に囁かれる。

『実行委員はコンテスト不正防止の為王子、姫にも立候補出来ない』と…


ごめん、後藤。

このまま進めるわ!

その方が絶対面白い!!


自分に危険がないとわかった瞬間見事な手のひら返しを決めた。後藤はまあ、今年も去年に引き続き笑いものになればよい。嫌なら仕事しろ。


私が抱えていた問題は無事に解決した。しかし、新たな問題を抱えた人が一人。


我が家の応接室で紅茶を飲む、ヒロインそっくりな男の子、言わずと知れた雪平君である。

なんでいるのか、なんて聞くまでもない。

「自分がよければそれでよしとは言わせない」

予想通りすぎてため息がでる。

ようは、ヒロインのちゅーを止めろ!って事だ。

「だから、ヒロインをコンテストに出さなきゃいいんだよ。暴動とか大げさ!」

ゲームじゃスキップ可能イベントだ。コンテストに出るなんて、ましてや優勝するなんて大した意味がない。

「ありえない!お姉ちゃんがコンテストに出ないのも、一番じゃないのも理解出来ない!」

暴動起こすのはお前か。

きぃぃぃっと頭を掻きむしりながら叫ぶ。

このシスコンまじ面倒だ。

第一印象はそろそろ鳴りを潜め始めました。

つまり、ヒロインをコンテストに出し、優勝させるが、王子にちゅーはさせないと…。その策を考え実行せよと言うのか。

「なんとかしてよ!お姉ちゃんの親友でしょ!?」

ティーカップをソーサーに乱暴に置いて言い募る。

「この間、海に行ったじゃん?」

ふと、思い出したかのように私はいう。

「?」

「たまに、会話に棘を感じてたんだけど、それって…」

「お姉ちゃんに近づく親友なんていらない!僕がいればいいの!!」

私は天を仰ぐ。

そこまて嫌ってる人間に問題解決を丸投げしようとするって神経図太い。

こういうやつは、策を練っても感謝しないし、失敗しようものなら孫の代まで恨むのだ。

「ヒロインに王子制度の事を伝えて彼女が嫌だというなら、その時改めて考えるって事で。」

「お姉ちゃんは、王子制度の事知ったら絶対面白がるか、お前を指名するかする!」

「ちゅーが嫌なのって貴方だけなのでは?」

「それの何が悪い!」

胸を張って言い切った!

「私はヒロインの親友であって貴方の友達じゃないの。だから、ヒロインがやってもいいというものを邪魔なんてしないわ」

「うっ!でも、でも!!」

「石竜子!」

私は後ろに控えていた石竜子に声をかける

「お客様がおかえりよ」

「まて!話はまだ!?」

石竜子は無言で雪平君を玄関に引きずっていった。私はそれを見送りこれで問題は解決したと思った。



「香織の唇がピンチだ」

翌日、堂本がやってきてこんな事を言い出すまでは。

「もしや、ミスコンの事を言ってる?」

「それ以外に何がある?」

「…てか、なんで知ってんのよ」

小さくため息を吐きながら聞く。

「雪平君から聞いた。」

己れ雪平!恥も外聞捨て、堂本に泣きついたか!

「なるほど。で、ヒロインの唇は俺のもの!他には触れさせないぜってか。」

頬を染めつつ視線を外す。やめて、こっちが恥ずかしくなる。

私はため息をついた。もし、万が一ヒロインが助けを求めてきたら提案してみようと思っていた案を言ってみる。

堂本は目をキラキラさせていた。礼を言って帰って行く。

「石竜子!」

堂本を玄関まで送り戻ってきた石竜子を呼びつける。

「雪平君に連絡をとって頂戴!」

先日の屋形事件、私は結構頑張ったと思う。

誰も労ってくれないけど。

ちょっとくらい、遊んだって罰は当たるまい。

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