悪役令嬢、攻略対象の手先となる
北帝に不可能はない。と、よく言われるが、そんな事はない。確かに大なり小なり事件、事実は揉み消し出来るし、『一ヶ月以内に日本中のポストを青くせよ』くらいの無茶は通る。
だが、出来ない事だってあるのだ。殺人はもみ消せない。そして、あまりに小さい事件や事実は揉み消したり関わったりは出来ない…と、いうよりさすがにしない。
今回はその、小さすぎて北帝が関われない事件にあたる。
うん、流石の私も、男装したくないから、文化祭潰して、パパ!!は言えない。恥ずかしくて。
私は北帝を使ってなんとかしてくれ!と言い募る後藤を言い含めた。学生は学生らしく一学生として回避する事にした。
因みに、匠に聞いた所、確かにエスコート役として、すげー美人とちゅーしたとの証言を得た。それが後藤先生だとは知らない様子。知らぬが仏だ。
ところで一昨年はどうしたのだろうか?
どうやら、女装、男装、一ヶ月頑張るというのは去年はじめて導入されたお遊びとの事。
今年は一昨年以前に戻せばよいではないか。
そう、意見したいが、出来る立場になかったので、面倒だが、実行委員に立候補した。実行委員は学年で2人。計6人で成り立つ臨時委員会だ。
今回、私となんと、雪平君とでやる事になった。
そう、雪平君、二学期から学校に復帰したのだ。どうやらかなり頭がいいらしく、高2の授業に難なくついてきている。
「北帝さん、こういう委員会とか真面目にやる人なんですね!」
「やらない人だけど、今回は別。」
「どういう事です?」
聞かれて私は後藤の件は話さず私の事のみ話す。
このままじゃ、男装してヒロインとちゅーして、あまつさえ一ヶ月男装継続の刑だって話したら、ヒロインとちゅーのあたりで雪平君奇声を発した。
「ダメダメダメダメ!絶対ダメ!女の子でも、お姉ちゃんとちゅーなんてさせない!」
「私だってしたくないから、回避の為に動いてんの!」
「でも、これって仮に北帝さんが逃れてもお姉ちゃんは誰かにちゅーされるんですよね?」
「優勝すればね。」
「するに決まってるでしょ?」
何言ってんの?あんたみたいに言われた。
さすがシスコンだ。
「そんなのダメ!」
「なら、ヒロインを出さなきゃいいのよ。」
別に出たいものでもないだろう。
「周りは出るもんだって思ってる!去年出なかった分余計に!今年でなきゃ暴動が起きかねない!」
雪平君は力説する。
「じゃあ、ヒロインの対抗馬を勝たせる必要があるわね。」
「北帝さんがでて、北帝の力で優勝すれば解決です。」
「残念、実行委員は不正防止の為コンテストには出場出来ないんだよね!」
「うわー、お姉ちゃんの純潔がっっ!」
とっくに堂本に奪われてるなんて、突っ込んじゃダメなんだろうな。
そうこうしながら委員会が開かれる会議室に着いた。
さて、回避に動こうじゃないか。




