その後の話
北帝良美は一ヶ月程海外へバカンスに行った。
…と、見せかけて、実は入院した。
まあ、外国の病院だから、全部が嘘って訳でもない。私が入院中に細かい後始末は石竜子がやった。
堂本要は捜索の結果本人が所有する別荘にいた。石竜子曰く、少々心に負荷がかかりすぎてしまったようなので、その手の病院を紹介したとの事。現在、入院中。
ヒロインは予定より早くなってしまったが、堂本と暮らし始めた。同棲おめでとう!と言いたいが、雪平君も一緒との事なので、彼にはまだまだ乗り越えなければならない壁がある。こんな壁ゲームにはなかったので、どうすればいいのか、どうなるのかは、わからない。
また、今回の事件の余波で空手連盟が解散してしまった。汚職が明るみに出たのだ。そこで、堂本が新たに空手連合を結成した。現在は会長の地位を得て精力的に連合の拡大、発展に努めている。しかし、連盟時代の汚職が尾を引きうまくいかない事の方が多いらしい。しかし、堂本曰く、ヒロインが影に日向に大活躍しているから心は折れないとの事。…と、聞いて、あ、これ、堂本没落イベントの補正だと思った。毛色は違うが、1から努力する攻略対象を支えるという点では同じだもの。
私がやった事は意味があったのかなかったのか微妙な形になった。
そして、石竜子。彼は後始末を終えて、私の元に来た。怪我人には優しいらしく、かなり甘やかされた。ここ一ヶ月、ご飯あーんで食べてたよ。
トイレに行くのもエスコートでした。
ああ、恥ずかしい。
そんな、執事に甘やかされる一ヶ月が終わり学校に通うようになったのは9月の終わりだった。