表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/134

悪役vs悪役2

「君達はなんだ?」

「空手連盟の者です」

空手連盟を名乗るには人相悪くね?なんか、楽しくなってきて、三文芝居を見る。

「空手連盟の者が一体?」

「今回、ドーピングを行った選手の成績が残っている件で取り急ぎ報告が。」

「その件か。だが、事前検査に問題無いと聞いているぞ?」

何故このタイミングで、一見無関係な屋形に空手連盟の者がやってきて報告するのか。突っ込みたいなぁ。

「どうやら、堂本氏主導で不正が行われたようです」

「どうやって…?」

「あ、それ、私です。」

このまま見ててもいいけど、多分、グダグダやった挙句こっちに話が回ってくるのだろう。面倒いので、そこはカットだ。

「な、なんで…」

「私、堂本さんと知り合いで困ってるようだったんで…ダメでした?」

小首を傾げる。

「彼は空手連盟では有名な不正家だ。君は騙されているんだよ。」

「マア、ソウナンデスネ」

「…」

「…」

どうやら、私の演技は下手だったようだ。私はにっこりと笑う。もう、取り繕うのも、時間の無駄。

「奥でゆっくり話しませんか?」



「いつから、気づいてた?」

自称空手連盟の者を下がらせ、部屋の奥にて話し合う。

「うん?初めて会った時から胡散臭いとは思ってた。」

「嘘つけ。海の時までは俺の事疑ってなかったろう」

あら、バレバレ。私は肩をすくめる。

「で、貴方の目的は堂本を潰す事、と」

「まあ、そうだな。」

「無駄じゃね?」

お互い猫を脱ぎ捨て素をさらけ出して話す。

「なんでだ?そもそもお前は俺がなんで堂本を狙うのか知ってるのか?」

「坂下香織。」

「…!」

屋形の顔が赤くなる。少年のようだ。

「彼女は私の友人だからね。当然、彼女の彼氏が堂本なのも知ってる。まあ、貴方としては、自分が囲っていた女取られて面白くないんでしょうけど。」

「…お前もだろ?」

「うん?」

「お前も、惚れた男を横から掻っ攫われて面白くないだろう?堂本にいい顔したくて、ドーピングの件を潰したんだろうが、このままじゃ、堂本は手に入らないぞ?」

えーっと、屋形は私が堂本に惚れてるって勘違いしている?

「俺が堂本を潰して、香織を貰う。お前には堂本をやる。お互いメリットがあると思うが?」

「貴方に香織はあげられないね。」

「なんだと?」

語気に剣呑な雰囲気が混ざる。

「貴方、いつから彼女に目をつけてた?」

「…」

「貴方、彼女を囲うのに、かなり無茶したわね。」

「…どこまで知ってる?」

「大方知ってる」

「北帝か」

チッと舌打ちをする。

「個人的に、堂本を潰しても無駄だと思うよ」

「無駄?」

「多分、堂本がどれだけ底辺に落ちても彼女は堂本を支えていくんじゃないかな?」

「な、な、な、!」

「考えなかったなんて言わせないわよ?もう、貴方の手に戻る事はないんじゃない?」

「認めない!」

「そう言われても、親でも兄弟でもないのだから彼女を止める事なんてできないわよ。高3になったら二人は一緒に暮らすのでしょ?」

「認めない認めない認めない認めない認めない認めない」

屋形は立ち上がり、髪をグシャグシャとかきあげウロウロと歩き回る。もう、彼に余裕はない。

彼は私を見る。なんだろう…すごく嫌な予感がする。屋形はニヤリと笑った。瞬間、意識が飛んだ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ