表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
124/134

石竜子独白3

冒頭謎の人物の独り言

ああ、やっぱりそうなったね。

彼らを眺めながらため息をつく。

最早、エンディングは決まったも同然。

それに向けて準備をする事にした。

自分の新しい居場所は既に用意してある。

できれば使いたくなかったのだけどね。


***

どうして私が貴方を愛しているか、ですか?

そうですね、貴方が初めて私を一人の人間として扱ってくれたからですよ。

貴方も運がない。

よりにもよって私に目をつけられてしまったのですから。


私がお嬢様とお会いしたのは、お嬢様が、5歳の時。

私が17歳の時。

貴方のお父様に連れられてやってきた貴方を見て運命が動き出した事を悟りました。

今までずっと探していたのですが、見つける事が出来ずロリコンなどと不名誉な印象を周囲に与えてしまう程に貴方を探していました。

どこで見つけたかですか?

私の故郷ですよ。

私の故郷は今は見る影もありませんが、お嬢様とお会いした当時は煌びやかな国だったんですよ。

まあ、捨てる予定の国が煌びやかだろうが、滅ぼうがどうでもよかったのですが。

まあ、私とお嬢様は私の故郷で私の誕生日パーティで会ったのです。

おや?

もしかして思い出してくれましたか?

ええ、そう、そうです。

あの、目つきの悪い醜い王子が私です。

そう、アランが私とお嬢様を引き裂いたのです。

お嬢様もつれない。

私を置いてアランなどと遊びだしてしまうなんて。

私の部屋で私と遊んでくれると言っていたじゃないですか?

あの時点では私達婚約者同士だったんですよ?

あの時アランさえ現れなければ、婚約が破棄される事もなく、婚約者選定なんて事もなかったはずなのですがね。

え?

そうですよ、私達は婚約者同士だったんです。

ですが、アランと貴方が想像を超えて仲良くなってしまったので貴方のお父様が考えを変えてしまったのです。

危なかったのですよ、あのままだったら、私との婚約を破棄後今度はアランと婚約を結んでしまうところだったんです。

慌てて説得し、今回の婚約選定の運びになるよう婚約は保留、私とアランが候補として残されたのです。

幸い、私はお父様に気に入られていたので、二年後、貴方の専属執事になりました。

二年かけて私は貴方に相応しい人間になるよう努力しました。

どうですか?

今の私の外見。

全て貴方の為に、変えたのです。

ダメな所はありますか?

あるならおっしゃってください。

すぐに直します。

すぐに直します、だからお嬢様。


どうか私を嫌わないでください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ