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コンテスト結果発表3秒前

お、落ち着け!

大丈夫、隣にはヒロインがいる。

ひとりじゃないからアゥエーでも平気さ!

私は内心涙目で前を見据える。

一拍置いて。

『良美様!』

会場全体が揺れるような大声で彼方此方からコールがかかる。

わ、私の名前が呼ばれた!

会場の人達優しい!!

私は肩の力が抜けて思わす微笑む。

『!!!!』

「あーっと、良美様の微笑みに前方男子ノックアウト!

担架お願いします!」

この司会何言ってんだ。

確かに今、男子がほぼ同時に鼻血出して倒れたけど、別に私が微笑んだからとかじゃないし。

たまたまタイミングがかちあっただけだし。

「くっ、やるわね!良美!」

「いや、ヒロインまで何言ってんのよ?」

「あんた相変わらずね…」

ヒロインが呆れたように言うが、意味がわからない。

「さあ、エントリーナンバー1から自己アピールお願いします!」

言われてエントリーナンバー1は一歩前に出てマイクを持って自己アピールを始める。

「…続いてエントリーナンバー4お願いします!」

司会に促され、ヒロインが一歩前に出る。

瞬間会場が湧く。

「エントリーナンバー4!坂上香織です!

去年は諸事情により弟に代理ででてもらいましたが今年はきちんと本人が出てます!

勿論優勝狙ってます!よろしくお願いします!」

「ありがとうございました!続きましてエントリーナンバー5お願いします!」

ヒロインの自己アピールが終わり次は私だ。

私は一歩前に出てマイクを握る。

「エントリーナンバー5北帝良美!

ここにいる坂上香織より美人だと証明する為に

ここにいるわ!

お前たちの目が節穴でない事を祈っているわ!」

…って、私何言ってんの!?

『うぉーーーー!

良美様!どうか下僕にしてーーー!』

私の意思を無視するかのような己を知らない馬鹿丸出しのセリフにも会場の人達は優しく盛り上げてくれる。

しかしどうして私はこう、もっと謙虚にいけないのか?

なんか気づいたらこう強気なセリフが口をついたんだよね…。

これ、ゲーム補正とかじゃないよね?

「さすが良美!自分の魅力がわかってる!」

魅力って何!?

ねぇ、教えて!!

「では、これより審査が始まります!

審査の間、会場を周り、お客様に美のおすそ分けをして下さい!」

司会に促され、私達は舞台から降りる。

「うぉーーーー!香織ちゃーん!

こっちむいて!!」

「良美様!罵って!」

…なんで、罵ってなんて声が聞こえるんだ?

首を捻るがわからない。

私達は会場に集まった人達に握手して周る。

「良美様!」

「良美様!」

「良美様!」

私と握手した人達が熱に浮かされたような目で私を見て私の名前を呼ぶ。

具合でも悪いのかな?

人酔いしたのかな??

心配しておもわず目に力が入ってしまう。

『!!!!!』

「よ、良美様が…我々を見つめてくださってる…」

「ああ、良美様の奴隷になりたい…」

「罵って欲しい…」

ほんと、大丈夫なのかな!?

私は不安になる。

私達は会場を一周して舞台に上がる。

「大丈夫だった?」

「?大丈夫だったけど??」

ヒロインに聞かれ答える。

大丈夫って何が?

「私、体触られた…」

「まじ!?」

さすがヒロイン!

でも嫌だな、体は好きな人にしか触らせたくない。

てか、それ痴漢じゃん!

「まあ、触った奴の股間は全員潰したけど。」

「こわっ!」

私は一歩引いた。

でも私でもそうしたな。

「私は触られなかったから大丈夫だったよ」

「さすが良美。女王様にはおいそれと触れさせないのね。」

ごめん、意味がわからない。

ヒロインは可愛いから触りたくなるけど、私は違うから触らないだけでしょ?

「さて!コンテストの結果が出ました!

栄えある今年のミスコンの優勝者は…!!」


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