悪役執事悪事を仕掛ける
石竜子視点
あれから数日経ち日本に戻ってきました。
実に腹ただしい事にアランとノエルもくっついて戻ってきました。
振られた癖に女々しい男だ。
まあ、こうなる事も視野にいれて準備していましたが。
お嬢様は朝から会社に行かれています。
私もついていきましたが、社内には適当に理由をつけてノエルに行って貰いました。
まあ、ノエルは比較的要領がいいので上手くやってる事でしょう。
さて、空いた時間は有効に。
私は車でアランが泊まっているホテルに行く。
駐車場に車を停めて、トランクから荷物を出す。
悪事で一番楽しいのは仕掛けている時だと思います。
特に嫌いな人間に仕掛ける悪事程心躍るものは無し。
私はホテルの裏口から入る。
裏口で働いていた従業員に見咎められるが軽く微笑み口付けをしてあげたら簡単に中に入れた。
フロント業務の従業員に頼みアランを北帝の名前を出さずに呼び出して貰う。
この従業員に金を握らせ時間を稼ぐよう言付ける。
予めこの従業員は金に困っている事を調べていたので問題なく了解して貰う。
私はアランとすれ違うようにしてアランの部屋へ向かう。
私の手元にはマスターキー。
この日に向けてお嬢様が学校や会社に行っている間にホテル支配人と誠意を持って交渉していました。
やっと、というか、やはり、というか使う羽目になり残念です。
私はマスターキーを使用して部屋に入る。
かなりの日数泊まっているのに生活感が全く感じさせません。
まあ、どうでもよい話です。
私はクローゼットを開ける。
中にはぎっしりと服や小物が入っていた。
さすがにここは生活感を感じますね。
私はざっと中身を確認します。
ふむ。
彼の好きな色、服の傾向、リピート率の高い服、小物の置き場…それらの配置から察するに、この辺りはあまり使用していない服が固まっていると推理します。
そこに手元の荷物の色味を加味して…
この辺りにそっと仕舞いましょう。
私は実行する。
少し離れて見てみると全く違和感がありません。
私は満足したのでクローゼットを閉めて部屋を出る。
さてアラン。
あの時大人しく退場していればよかったのです。
でもしなかったのですからこれはお仕置きです。
お嬢様に嫌われてしまいなさい。