表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/71

五十二話

「より強い力で押さえつけられるのが正義か。自分の為になら力で他者を押しのけるのが正義だというのか」


 背負っていた剣を此方に向けてくる勇者。

 向かってくるというのなら敵ですね。

 ならばこちらも…


「…?た、隊長ストップ!待って!開幕ブッぱしないで!」


 何故かシンイチに止められました。開幕ブッぱとはなんでしょう?

 生死不明の勇者でしたが、生きていても敵であれば打ち倒して進むべきでしょう。

 邪魔をするのなら勇者をまとめて敵としても良いのですよ。


「コスモ、無事だったのね。王国で待ってたけどずっと来ないからもう、会えないかと…また、一緒に行こう?」

「陽子と真一も無事でよかった。こいつらの足止めは俺がする。ゆっくりとこっちに来るんだ」

「待ちに待った時が来たのだ。多くの英霊達が無駄死にで無かった事の証の為に、再び帝国の理想を掲げる為に、大願成就の為に!コスモよ、私は帰って来たっ! 」


 ヨーコとシンイチは勇者の懐柔を試みたいようですね。仲間だったようですからそれは有効かもしれません。

 …シンイチは懐柔なのかわかりませんが、帝国兵の方にはウケが良いようです。


「二人とも良く聞いてくれ。この世界に俺達を呼んだのは魔王様だったんだ。それが帝国に召喚されてしまったばかりにカトゥー公爵に利用され、魔王様と戦うことになった。俺は元々疑問に思っていたんだ、攻めてきたという魔物たちは進んで魔王領から攻めては来ていなかった。だが、何年か前にも他国に侵略をしていた帝国は平和を掲げながら魔王領へと進んで侵略を続け、昔の勇者が作った神聖王国は魔王軍と協力し帝国を攻めている。わかっただろう、俺達は騙されて魔王軍と戦わされていたんだ!罪の無い魔物たちを正義の名の下に。悪いのはルダ帝国だ!」

「そんな事っ…」

「…興味深い話ですが、勇者コスモ。少々よろしいでしょうか?」


 ツッコミ所満載というべきかもしれませんが、戦い始めた理由は今更どうだって良いのです。もう戦いは始まってるのですから、それを今になってどうしようというのです。

 今重要なのは終わらせ方なんですよ。


「魔王はあの城に居るのですか?」

「…ああ」


 帝国の城を指差すと勇者は素直に頷いた。

 第二目標の達成もできそうですね。


「マテンロウという狼を知っていますか」

「マテン…あいつか。ああ、今は仲間だな」

「そんな…」


 ヨーコが帝国で戦った時に自分達を痛めつけた相手を、彼が仲間と呼ぶ事にショックを受けています。

 が、そんなことはどうでもよろしい。


「では…そのマテンロウもあの城に居るのですか?」


 背中に痺れるような何かが駆け巡る。何を感じとったのか、兵達が辺りを見回して剣を抜いた。

 …嬉しくて気分が高揚しすぎたようです。落ち着かないと。


「ああ、居…」

「フンケ、ケニス、ベルガー、アーガン、リーは前に出て勇者コスモを、ペドロ、ミュー、シオンはシンイチと牽制を、残った者はヨーコと周囲に警戒しながら負傷した者と入れ替わりながら戦いなさい。クラッドは私について来て」

「ちょ、ちょっと待って。コスモは洗脳とかされてるだけよ。元に…仲間にしてみせるから…」

「申し訳ありませんがヨーコ、これが譲歩です。あの勇者を殺したくないのであれば、彼が戦えなくなるまで持久戦で倒しなさい。それから説得しなさい。私にも少々やることができました。シンイチ!彼方の勇者との決着を、こんな形でして良いのですか。元の世界で十全で戦うのが望みだったのでは。今は洗脳?された彼を助けるのです」

「ふぁ?…う、うむ。その通りだ、俺達の戦いはこれからだ」


 ヨーコと違いシンイチはチョロ…理解が早くて良いです。



「全員、状況開始。私が戻るまでに洗脳された勇者を開放せよ」


 …意識の開放となるか、魂になるのかは知りませんけどね。

 そもそも、洗脳されてないでしょ、アレ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ