四十一話
「いっぱいいるだな」
「あれが全部帝国から来た人たちなのね」
カイリーアさんを連れて逃げてきた人たちを眺めていました。
国境の町の外に集まった人達とそこから続く人の列が遠くまで連なって見えます。
「魔王軍に襲われた町はどうなってんだべ?人間のよう占領するとか」
「人は全て殺されてしまうとは聞いてるわ。でも、帝都のような大きな所が襲われたって話しは聞いたことなかったから…」
向こうの目的が人間の全てを殺すことだとどこも同じになるでしょうね。
それだと、神聖王国って現段階で詰んでますから魔王軍に加担する理由としてはおかしいですよね。
ディーパ教…ディーパ…なんだっけな?
「ロカ?ロカ・アルメッテ!?」
ん?
なんか呼ばれた気がした。
「誰だべ?」
「あちらの騎士の方のようですけど、お友達?」
カイリーアさんの指すほうを見ると馬上の騎士が…っていうかフェリクスさんだ。
嬉しそうに手を振ってますけど、彼方そういうキャラでしたっけ。
それにしてもなんでこんなところに?
「久しぶりってほどでもないだな。フェリクス、なんでこんなとこにいるだ?」
「…ベルンハルト領に私が居るのは普通だと思うが」
ああ、この帝国国境沿いはベルンハルト領だったのですか。
領どころか町の名前すら知らないですよ。
ハーケン隊長から言われていた件もあったんで丁度よかったので話していると、くいくいと服を引っ張られた。ああ、すいませんカイリーアさん。
「ロカのお友達、紹介してもらえない?」
「はいはい。あちらフェリクス・オン・ベルンハルト。この前まで一緒の講義を受講していた友達ですだ。んで、ここらの領主の子だべ。 フェリクス、こちらはカイリーア。私の…」
私の…なんだろ?
領主の息子の奥さんとか。でも、子供出来たとは聞いてますが結婚については何も聞いてませんよね。
あ、途中で詰まったせいか、フェリクスがむっちゃ変な…というか怖い顔してます。
「私の兄のような人の奥さんだから…義姉といった感じだべか?そんでアイン傭兵団の副団長だ」
「アイン傭兵団の!?」
そこに食いついたか。有名ですねランドルト様。
そのアインことランドルト様は町に着くと、私とカイリーアさん、怪我人他を残して傭兵団の数人を連れて国境を見に行きました。
早ければもう到着している頃と思います。
「傭兵団の団長は何処におられるか?侯爵家で雇い入れたいのだが」
「アインは国境を見に行っております。戻り次第交渉には応じますが…契約するかについてはっ!?」
「っ!?」
強烈な魔術を使った時の音が聞こえた。
カイリーアさんも反応したようだが、魔術を特定してもらうよりも早く、複数の爆音が響く。
見ると国境の方から煙が上がっていた。




