三十七話
「帰るのか?」
寮暮らしも終わりなので出て行く準備をしていたら、ランディが入ってきました。
ランディ…着替えている最中だったらいくら私でも殴りますよ。
「このまま残ってもよかっただが、自由に動けなくなるのは困るべ」
「? 帰るわけじゃないのか?」
帰る予定はありません。
というかこのままでは逃げるようで非常に好みではありませんし、どのみち避けられない災害のようなものなら立ち向かうのも一興です。
とはいえランドルト様をアルメッテに戻すことを優先すると、このままここにいるのはどうかと思いますからね。運がよければ国に雇われたランドルト様と会えますが、その頃にはアルメッテに帰すことなんてできません。
「別のどこかで一緒に戦うだよ。傭兵にでもなるべ」
「アイン傭兵団か。…そうか、戦ってくれのか。どこかにロカが居ると思うと心強いな。もしもの時には俺はそっちに逃げよう」
「もしもの時はアルメッテに来るだな。あっこなら魔王も来たがらない田舎だべ」
「ははっ…そうだな。でも行くまでが大変そうだ」
その時は私が迎えに行きましょう。
私も短い間でしたけどランディにはお世話になりましたから。
「またね。ランディ」
◆
さて、あとは南東にある傭兵団の集結地点に向かうだけですが、ジョイルさんにも教えておこうかな。
彼なら既に知ってそうですけど…っていうかランドルト様にアルメッテまでの案内を頼む必要があるから連れて行ったほうがいいか。
目的地変更。”鍋つかみの目薬”へ。
「いらっしゃ…嬢ちゃん!?」
そりゃ驚きますよね。昨日来たばかりですし。
「傭兵団の情報は入ってるだな?これから行くべ、付いてきて」
「嬢ちゃんは…その姿だと帰るのか?」
完全旅装してますからそう見えなくもないですよね。ふう、暑い。
ここでも帰らないことは説明しておきましょう。どこで戦うかは考えてませんしから傭兵にでもなるかもしれませんが。
ああ、フェリクスさんところに頼んで一時的に陣を借りることもできるかもしれません。頼んでみようかな。
「つーこって帰らんで戦うだが、先にランドルト様ば見つけな。ジョイルさの件もあったべな」
「そうか、少し待ってくれ。おーいパシェール、しばらく外に出るから準備手伝ってくれ」
「…どこ行くのお父さん。あれ?ロカちゃんいつ来たの」
いつものパシェさんと違って元気がありません。
なんででしょうね。昨日は私に抱きついて眠ってましたから寝不足ではないはずですが。
ふむ…ここは一つウィットなジョークで元気付けてあげましょう。
「今来たばっかだよ。ちょいとジョイルさとデートしてくるべ」
「…まあ、そんなとこだ。二、三日で帰る」
「お、お父さん…お母さんが見つからないからってそっちの趣味にっ…」
おい、パシェさん。そりゃどういう意味だ。
進行が遅い




