三十話
「さて、本日より剣を使用する訓練を行う。すでに剣を持った事がある者もいるだろうが、訓練は基礎から行う。の、前に実戦経験のある者はいるか?」
ぱらぱらと手が上がったが私を含めても数人しかいない。
ランディも実戦経験はないのか。世慣れしているところがあったが意外だ。
ボッシュさんとフェリクスさんは手を上げている。
「予想より少ないな」
よく考えると貴族や軍に属する方でも森や山で魔物や獣を狩ることなんてそうそうありませんよね。
戦争はおきませんから人を殺すこともないでしょうし。
「では剣の持ち方振り方から順次覚えていってもらう。これは今まで使っていた物と支給される物の違いもあるだろうから全員真面目に取り組むように」
「「「はい」」」
言っていたように本当に基礎からですね。
◆
やっと昼食です。っかぁー疲れた。
使い慣れない獲物で素振りばかりやってると肩がこります。
そう腕をクルクル回していると、後ろからランディが追いかけてきました。そういえば走らなかったから今日はみんな元気なんでした。
「なんだ。疲れてるな?」
「剣は重いし、盾は持ったことないべ。慣れんことすると肩こるだ」
そう、以前見かけた盾を使った戦闘がここの主流のようで、私にはイマイチ馴染まないのです。
それに剣も盾も私には重いといいましょうか、バランスが悪くて使いづらくて。
「軽い片刃の剣か柄の長めな斧が欲しいだなや」
「仕方ないさ、軍の形に自分を合わせるのは身体も武器も同じだ。そういや聞いていいか?」
「なんだべ?」
スリーサイズはお断りしますよ。
「ロカの実戦経験談」
「コボルトやゴブリンだな。森にいっぱいいただよ」
あとはまあ野獣とかトカゲ男とか?一度飛びトカゲも出たことありましたが、町人総出で追い払ったっけ。町が半壊しましたが。
コボルトは森ごとに特性が違うのですが攻撃方法は爪と牙と体術です。防御を捨てて力と速さで攻めてくる感じですね。
ゴブリンは魔法主体でしょうか。あまり好戦性が高くないので助かりますが、上級魔術が雨あられに降ってくるのは恐怖以外の何者でもありません。
とかなんとか話しをしていますと後ろに覚えのある気配が。
「コボルト程度の相手で実戦を語るとは。アルメッテという田舎は随分と長閑なのだな」
「四種適性も平民が持っては宝の持ち腐れか。良いことを知った」
「そもそも、剣も盾もロクに扱えない奴が本当に戦闘なんてできたのやら」
ボッシュ&取り巻きズか。今日はお元気そうで何より。
「せめてオーガを一人で倒してから言うのだな。コボルトにゴブリンなぞ子供でも倒せる」
オーガといいますと、あれですか人間が大きくて熱くなったような。私の5倍くらいの大きさのあるやつですね。
正直なところコボルトのほうが強いのですけど。大きくて鈍いので足にワイヤー引っ掛けたら良いマトです。
それはいいとして結局何が言いたいのでしょうか。
「わからんのか?本気で私と戦えば汚い炭が一つできあがるということだ。訓練前の件をハーケン隊長に免じて許してやったというのに、増長甚だしいぞ」
「はぁ…結局私にどうして欲しいかわからないだが、ひっくり返されたのが悔しいなら最初から本気でやるだな。それで炭が出来ても文句言わねだよ」
「なに?」
「力こそ正義だべ。力無き者は死ぬか喰われるのが根底の理ともいえるだ。それで私が死ねばボッシュさが正義だ」
「…貴様!」
ボッシュさんが激昂したところ取り巻きズの一人が止めに入った。
をや?
止めに入った方がなにやら耳うちしていますがまだ何かあるんでしょうか。ご飯食べてていいのかな。
「…力こそ正義か。貴様その言葉に違いはないな?」
「ふぁいだな」
「ならば我々と戦ってもらおう。力が正義であるならそれを見せてやれば貴様も文句あるまい。嫌とは言わんだろうな?」
え~嫌って言いたいよ。
めんどくさい。
そろそろ普通に小説を書きたい




