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二十七話

「わだしの依頼ば先に解決しなせ」

「は?」


 ふっふっふ 一石二鳥とはまさにこの事よ。


「わだしの探してほしい人さ見っけてくれたら、そん人と一緒に迎えにいけばええだ。最低二人の腕っこきだで、ジョイルさん連れてくくらいわけなか」


 可能性として3人もしくはそれ以上に増えている事も無きにしも非ず。

 それでもあの二人なら大丈夫でしょう。


「連れて行くようわだすからも、説得するでな」

「………」


 そちらにとっても、悪い話ではないと思いますが?


「…わかった。嬢ちゃんの依頼を受けよう。ただ、見つかりそうにない場合は…」

「できれば見つけてほしいだが…見かんねときはわだしが案内するだよ。捜索期間は1年でええだか?」

「妥当だな。よしっ!じゃあさっそく嬢ちゃんの探し人を教えてくれ!」


 パンっと頬を叩いて気合を入れたジョイルさんは先ほどと違って強い眼をしていました。この人ならランドルト様を見つけてくれるでしょう。


「んだば…名前はランドルトで年齢は20くらいの男。髪の色はダークブラウンだったと。2年前に恋人と行方不明。人相書きは…こっちの紙に書いてあるだ」

「ふむ…他に特徴は?」


 特徴か。

 青ニンジンが嫌いとか。いや、そういう意味じゃないですよね。

 適当に上げていけばいいかな。


「外で運動すんのが好き。目の色はグリーンに近いブルー。隻腕。魔術は四種中級。武器は片刃の直剣…あとは…」

「ふんふん…ん?隻腕?」

「左手が二の腕から無いだな」


 いつだったかは覚えてませんが、魔術で腕ごと吹き飛ばされたと記憶しています。

 当人は至って元気でしたし、足腰と片腕があれば戦えますからね。

 さすがに、コボルトのように両腕がなくても牙でとはいきませんが。

 隻腕に何か引っかかるものでもあったのかジョイルさんはまた奥に引っ込んで紙束を持って戻って来ました。


「…若い隻腕の男でランドルト…あった。アイン・ランドール。隻腕だが凄腕の剣士で、ここ一年で頭角を現したアイン傭兵団の団長。傭兵団の構成は騎士爵の三男や若手の冒険者等が団長の強さに引かれ集まった物だが、団長のカリスマ性の高さか規律が取れている。余談として恋人の呪いを解くために旅をしているという話もある…一応全部当てはまるな」

「恋人の名前はわかるべか?変わった名前と…いや、名前が変わってるだよ」


 外見は言っちゃダメですね。


「とりあえず、この辺から調べてみるか」

「お願いするだよ。これ費えだべ」


 預かってきた小さい袋をひっくり返します。宝石がころころと出て来ました。

 アルメッテは物々交換が基本なんで王国のお金って流通してないんですよね。だから費用は何かを途中で狩って売る必要あるのかと思いましたが、モトの村で出発時に渡されてました。


「ブルークォーツ、ファイアルビー、ピラークリスタル、イエローダイヤ。小粒だが透度が高いべ。綺麗ないい石だ」

「………」

「足りねだか?」


 相場がどのくらいか知らないんですよね。綺麗ですけど加工できる人が山を越えた海岸沿いの村にいるモグラっぽい人達なんで。ブルークォーツで旬の白樺ダイコンが5本くらいでしょうか。


「…いや、貰いすぎだろ」

「そうなんだか?報酬含むし、売るのはジョイルさんだべ。わだしじゃ相場わがんねから全部引き取ってくれて構わんだで」

「探し人が見つかった時は俺も世話になるからな、差っ引いてダイヤを返すぜ。それでも多いくらいだ。嬢ちゃんも何があるかわからない時に金になるものは持っておいたほうがいいだろ」

「ま、そういうだら一つ返してもらうだ」


 最後にジョイルさんに握手一つして捜索願いを完了。

 こちらも早々に見つかる気配がします。

 あとは私が学校で一人前になればミッション終了。



 いやあ、早かった。


クォーツとクリスタルは何が違うのでしょうか。

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